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最近の記事

アニメと光と記号論

今回も強引なタイトル三段落ちシリーズです。語呂も良いし気に入ったので調子に乗って使っています。 前回はアニメーションのレンズ的表現のうち、ピントの表現に関してつらつらと書いてみましたが、今回は同様にレンズに関する表現としてアニメーションに用いられる光の表現について技術的なことと最近思うところを書いていこうと思います。 光も実写においてはレンズを通過することで構造的物理的な影響を受けて様々な表情変化を見せます。またレンズを通過する前にも環境の影響を多く受けます。光は人の目で直

    • アニメとレンズと被写界深度

      8月30日から山田尚子監督の『きみの色』が公開されました。光や色の表現が非常に印象的な作品です。私にとって山田監督といえばレンズを意識した演出に特徴のある作品の印象が強いですが、実際インタビューなどでもアニメーションにおけるカメラやレンズに対する意識の強さがうかがえる発言も見られます。またご本人もミニシアターなどで知らない外国映画を見たりするのが好きとも話されていたので、そういった映画館で供されるような表現にこだわりのある映画をたくさん見ているようです。 近年のアニメーショ

      • アニメの背景美術と表現スタイル

        近年のアニメーション表現は高度化の一途をたどっていますが、それは作画や撮影だけでなく背景美術に対しても言えます。 改めて言うまでもなく、アニメーション作品における背景美術は作画同様に世界観と物語を構成するうえで重要な要素です。新海誠監督の作品などを見ると顕著ですが、近年は特にリアリティの向上が求められることも多くなり、また3DCG技術の発展とともに空間表現のためにCGとの連携なども増えています。現在美術背景はポスターカラーやデジタルツールで描かれていますが美術スタッフ自らがC

        • アニメとカメラと小市民

          いま日本で毎日テレビ放送や配信、あるいは映画として公開されている商業的なアニメ作品は言うまでもなく絵として描かれています。 絵は基本的には人の目を基準に描かれます。号数やA3、B4などのサイズやいくつかのアスペクトのフォーマットはありますが、カメラ(レンズ)で切り取られる映像とは違いアップやロングといった描画時のモチーフに対するサイズの違いはあれど、基本的にレンズで用いられる焦点距離という概念やその他の特徴はあまり取り入れられません。 その中でアニメは絵画やイラスト等と同じ

          完成。

          先日この数年制作に携わってきたアニメーション映画が完成しました。 長期にわたった仕事も一段落してやっと一息ついているところです。 一般的にアニメーション映画の制作にはとても時間がかかリます。基本は数百ページの絵コンテを描き、何万枚もの原動画、千枚を超える背景画を人手で描いていく作業ですので、多くは数年単位で動かすプロジェクトになります。特にオリジナル作品は企画段階から多くの過程を経て制作に入るので更に長期間になります。 今回自分はメインスタッフとしての参加で作品に深くコ

          期待の夏公開のアニメーション映画

          月末忙しくてなかなか書けずでとりあえずの記事ですが書いておこうと思います。 表題通りこの夏公開のアニメーション映画ですが、例年の様な大作はないのですが作品性や表現的に面白い作品が多く公開されます。 とりあえず紹介のみで。(後で追記します)

          期待の夏公開のアニメーション映画

          『劇場版モノノ怪』公開情報

          以前の記事でご紹介した現在私が制作にかかわっている劇場アニメ作品『劇場版モノノ怪』の追加情報が先月公開になりました。 公開日は2024年7月26日に決定、サブタイトルが『唐傘』となることも発表されました。 また、主人公である薬売りの声を担当する神谷浩史さんのほか、物語の中心となる3人のメインキャストの情報も新たに公開されました。 舞台となる大奥で働く女中のアサとカメをそれぞれ黒沢ともよさん、悠木碧さん。そして大奥を取り仕切る御年寄の歌山は小山真美さんが担当されます。 そし

          『劇場版モノノ怪』公開情報

          アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)2024 in TAAFに参加いたします

          来週3月9日〜10日に池袋で開催されるアニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)2024で開催されるセミナーに登壇いたします。 アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)はアニメーション制作のデジタル関連情報を得る場として、一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)と株式会社ワコム、株式会社セルシスの共催により2015年にスタートしたアニメ業界内のイベントです。アニメーション制作者・教育者がデジタルアニメーショ

          アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)2024 in TAAFに参加いたします

          原神×スシロー コラボキャンペーンアニメーション

          久しぶりに仕事の情報です。 原神×スシローのコラボキャンペーンのアニメーションムービーの撮影を担当しました。ムービーは下記リンクから見ることができます。 アニメーションディレクターは刈谷仁美さんです。刈谷さんはNHKの連続テレビ小説『なつぞら』のタイトルバックを手掛けた他、その後もCMや『チェンソーマン』2話のエンディング、現在放送中の『うる星やつら』のエンディングや『SPY FAMILY』の原画などを担当する一方、企業広告や行政のポスターなども手掛ける新進のアニメーター、

          原神×スシロー コラボキャンペーンアニメーション

          スタジオジブリの撮影術

          昨年末に『撮影監督・奥井 敦の仕事のすべて』が発売されました。 こちらの書籍ではスタジオジブリの東小金井スタジオの設立時から現在に至るまでジブリ作品の撮影やデジタル化の中心を担ってきた、現スタジオジブリ エグゼクティブ イメージングディレクターの奥井敦氏のこれまでの仕事や実際の作品で使用された技法などが紹介されています。 ジブリ作品の撮影技術に絞った内容という事もあり、アニメ業界でも撮影関係者を中心に話題になり、既に3刷りとなる人気です。 ちなみに著者の奥井さんは自分が在籍

          スタジオジブリの撮影術

          今年最後

          今年からnoteを始めました。月に一つぐらいはアニメに関して記事を書いていこうと思いつつ、仕事も忙しくなりなかなか予定通りには行きませんでした。 年末も最近発売された『スタジオジブリの撮影術』をネタに記事を書こうと思っていたのですが体調を崩してしまったので断念。来年に持ち越します。 本はこちら。 ジブリにとどまらず、フィルム時代の撮影技術やデジタル移行期の証言としても貴重なものがありますので、アニメーションの制作現場について深く知りたい方にはお勧めの本です。 さて来年は現

          今年最後

          イベント告知:トーキング・ヘッズ・オン・アニメーション 第5回「アニメーションにおけるビジュアルデベロップメント——ポストプロダクションにとどまらない「撮影」の世界」出演のお知らせ

          またイベントのお知らせです。 11月23日木曜日、トーキング・ヘッズ・オン・アニメーションに出演します。今回はYOASOBI『アイドル』のミュージックビデオで「ビジュアルデベロップメント」を担当(共同)された山口駿氏と『機動戦士ガンダム 水星の魔女』エンディングアニメーションなどを手がけてきたアニメーションディレクター・モーショングラファーの大橋史氏のお二人と共にアニメーションのビジュアルについてコンポジットの側面から色々と語る予定です。 今回は2時間プラスαの時間が予定され

          イベント告知:トーキング・ヘッズ・オン・アニメーション 第5回「アニメーションにおけるビジュアルデベロップメント——ポストプロダクションにとどまらない「撮影」の世界」出演のお知らせ

          画面アスペクト

          ここ数年公開されるアニメーション映画が増えましたが、それに合わせてシネマスコープ、いわゆるシネスコサイズの画面アスペクトを使用した作品も増えています。「シネマスコープ」という言葉自体は20世紀フォックス社の商標名なので、単にスコープ、スコープサイズと呼ぶところでしょうが、業界内でも一般的にはシネスコと呼称されることが多いです。 スコープサイズは映画で多く使われるVISTA(アメリカンVISTA)や地デジ放送のHDTVのフォーマットよりも横長で、現在の映画のデジタル上映の標準

          画面アスペクト

          『T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2023』で行われる『SPECIAL TALK SHOW 2023』に登壇します

          2023年10月7日(土)~29日(日)にかけて東京駅東側の八重洲・日本橋・京橋エリアで開催される屋外型国際写真祭『T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2023』で行われるトークイベントに登壇いたします。 今年のテーマ「LINK UP!」を受けた"写真"×"アニメーション"の異分野クロストークを、アーティストのSystem of Culture、本フェスティバル創設者でファウンダーの速水惟広氏と共に展開します。 System of Cultureさんとは以前ネ

          『T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2023』で行われる『SPECIAL TALK SHOW 2023』に登壇します

          『君たちはどう生きるか』北米向け予告編の公開開始

          先日公開の予告がされていた『君たちはどう生きるか』【THE BOY AND THE HERON】の予告編が北米での配給を手掛けるGKIDS Filmsにより日本時間の9月7日深夜1時にXとYouTubeで公開されました。 日本での公開も終盤ですし、この予告自体が北米での公開に向けてのものなので、この後も日本の劇場やTVCMで流れる可能性は低そうですね。

          『君たちはどう生きるか』北米向け予告編の公開開始

          劇場版『モノノ怪』 特報とキャスト・スタッフの情報を公開

          昨年制作が発表されていた劇場版『モノノ怪』の公開時期及びキャストとスタッフの情報が本日公開されました。併せて新しいキービジュアルと特報PVも公開されています。 今回私もこの作品にビジュアルディレクターとして参加しています。参加スタッフの情報も解禁ということで告知させていただきます。 詳細は下記サイトでご確認ください。 オリジナルのTV版は16年前に放送されましたが、その内容や斬新な演出のみならず、ビジュアル的にも強烈な印象を残し、今なおその魅力を放ち続けている作品です。

          劇場版『モノノ怪』 特報とキャスト・スタッフの情報を公開