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歌って踊るばかり…じゃない!? ミュージカルコースの日常を紹介します

はじめまして! 洗足公式note学生ライターの上田わこ(ミュージカルコース2年)です。今回が人生初noteなのでドキドキわくわくしていますが、皆さんにお届けできることをとても嬉しく思います。

さて、今回私が皆さんにご紹介するのは、私の在籍する「ミュージカルコース」です。他コースの方や、学外の方にはあまり知られていないようなミュージカルコース生の日常や、コースの魅力についてお届けできたらいいなと思います。

初めましての皆さんに、まずは私がミュージカルコースに入ったきっかけをお話しますね。


『ライオンキング』に魅せられた10歳

2023年度Winter Musical Showcaseの様子(ミュージカルコースInstagramより)

私がミュージカルに出会ったのは10歳のときです。小さい頃から歌って踊って表現することが好きだったので、母がチアダンスやHIPHOP、フラダンスの教室に連れて行ってくれていましたがどれもしっくりこず。特にやりたいことがないまま過ごしていた時期でした。

両親と一緒に地元長野から東京へ出かけた際に、劇団四季の「ライオンキング」を観劇し、幕が開いたその瞬間、人生で初めて観たミュージカルに心を奪われました。舞台上に広がるサバンナ、歌い踊る動物たち、心揺さぶられるストーリー……。「私はこれがやりたい!」とビビッと感じて、私の将来の夢は一瞬にしてミュージカル俳優になりました。

お恥ずかしながら。初めてミュージカルを観た当時10歳の私。

ミュージカル俳優になりたいといえど、地元にはミュージカルについて学べるスクールがなく……。どうしたらミュージカルを始められるか頭を抱えていたところ、テレビで洗足学園音楽大学のミュージカルコースが特集されているのを観ました。

その番組で知ったのが、中高生ミュージカルというイベントの存在です。夏休みに全国の中高生を集めてミュージカルワークショップを実施するというもので、この募集告知を目にした直後に即応募! 今思うとあれは奇跡であり運命でした。

2019年中高生ミュージカル『Once On This Island』(洗足学園音楽大学HPより)

その後、中高6年間の夏休みは毎年、はるばる長野からこのワークショップに参加し、そのまま洗足学園音楽大学への進学を決めました(p.s.毎年夏休みは神奈川の祖父母の家にお世話になっていました)。

これがミュージカルコースに入ったきっかけです。改めて振り返ると、本当に運命的だったようにも感じています。ずっと応援してくれている家族にも感謝です。     

ミュージカルコースは歌って踊るばかり…じゃない!

自分語りがだいぶ長くなってしまいましたが……。ここからは、私をミュージカル俳優の第一歩へと導いてくれたミュージカルコースについてご紹介します。

「ミュージカルコースだから、歌って踊ってばかりいるんでしょ?」と思われがちですが、実はそれらだけではないんです。

授業の中には、ネイティブな英語を直接学ぶ英会話や、時代も国も異なる幅広い戯曲(※演劇の上演のために執筆された脚本や、上演台本のかたちで執筆された文学作品)を取り扱う授業、聴音能力や読譜能力を身につけるソルフェージュの授業など。直接的なミュージカルの勉強ではなくとも、ミュージカル俳優を志すうえで必要なスキルを学べる授業が揃っています。

たとえば、ダンスの授業とひとことで言っても、クラシックバレエやジャズダンス、タップダンスに日本舞踊、フラメンコと、幅広いジャンルを学ぶことができます。

2023年度シアトリカル・リーディングCグループ(ミュージカルコースInstagramより)。

特に私は、戯曲を取り扱う「アクティング」という授業が毎回興味深い発見と学びがあって好きです。この授業を受けたことで、歌にも踊りにも活きる表現を身につけることができましたし、大学に入って初めてお芝居を始めたにも関わらず、お芝居の楽しさに気づくことができ、自信もつきました。

実を言うと、ミュージカルコースに入学して初めて出演する公演。いわゆる「デビュー公演」では戯曲を取り扱った朗読劇が行われます。ブロードウェイミュージカル作品の公演や、歌を披露するボーカルコンサートではなく……です。

1年生は毎年入学早々オーディションが行われ、ミュージカルコースに入学したにも関わらず、6月末の『シアトリカル・リーディング』という朗読劇の公演に向けて稽古がスタート。私たち2年生も昨年度、野田秀樹作『贋作 桜の森の満開の下』という戯曲に取り組み、刺激的で充実した稽古期間を経て、ミュージカルコース18期生としてデビューしました。

デビュー公演に取り扱うほど、戯曲にはミュージカルに活きるヒントがたっくさん転がっているんですここではアクティングという授業に着目して紹介しましたが、他にも魅力的な授業は盛りだくさん。どれも刺激的で、日々新しい発見と学びに溢れています!

ミュージカルコース生の1日

ではここで、ミュージカルコース生、通称MS生の1日をお届けします。

MS生は選択している授業によってスケジュールが大きく異なるのですが、火曜日だけは学年全体で受ける授業が多いので、今回は火曜日のスケジュールをピックアップしてご紹介します。

1限 《英会話》

ミュージカルコースの講師、ダイアナ・ボール・石山先生による英会話です。ダイアナ先生はアメリカ出身のミュージカル女優! 劇団四季『キャッツ』初演にも出演した、素晴らしいダンサーであり、素敵な先生です。

基本的な文法はもちろんのこと、ミュージカルの台詞や楽曲を用いてネイティブな英語に触れることができます。普段日本語で見聞きするミュージカルであっても、原語である英語に触れることで、日本語には表せないニュアンスを感じることができ、表現の幅が広がります。

この授業は履修者が同期のみなので、朝からわいわい仲良く元気に英語を学んでいます。

2限 《空きコマ》・《昼休み》

私は家が近いので一旦帰宅しますが、同期のほとんどは大学で過ごしているようなので、どんなことをして過ごしているのか20人にアンケートを取ってみました。

1番多かったのは練習室での歌の自主練習。偉すぎます。努力家な同期ばかりで尊敬です。
次に多かったのは必修授業のボイストレーニング。各々空いた時間にマンツーマンで歌唱指導を受けることができます。空きコマや昼休みに履修している人が多いみたいです。

そして割と回答数が多かったのが、学食でちょっと早めのランチタイム。同期で集まって楽しく美味しいひとときを過ごしているようです。他には教職授業を受けていたり、放課後稽古に向けて仮眠を取ったりしている方も。同期の知らない一面が見える興味深い結果となりました。

お昼休みに練習室で歌うMS生。

3限 《Vocal Music》

個人的に1週間の中で1番緊張する授業です。歌唱指導の先生と同期の視線を感じながらピアノの生演奏のもと、課題曲を1人ずつ歌唱し指導していただきます。同期の歌を聴いて新しい学びがあったり、自分の新しい課題を見つけることができます。人前で歌う練習にもなるので、とても刺激的な授業です。

実はこの授業、前後期末に歌唱試験があり、キッズスクウェアにあるミュージカルコース専用劇場CINOにて、1人で歌唱する特大イベント付きなのです。この試験の上位成績者は『Musical Cocktail』という選抜ボーカルコンサートに出演することができるため、MS生にとって1番緊張する試験なのではないかと思います。

4限 《アクティング》

先ほど私の好きな授業としてご紹介したアクティングの授業は火曜日にあります。
前期の授業ではシェイクスピアの戯曲をテーマに様々な作品を取り扱いました。シェイクスピア特有の呼吸法に同期みんな大苦戦しましたが、表現の幅が広がり、演技力の向上を感じました。

5限以降 《稽古》

基本的に公演1ヶ月前から集中的に稽古が始まります。選抜公演は稽古が授業後、または休日に行われるため、休む暇がほとんどありません。大変なことや辛いこともたくさんありますが、舞台俳優としてカンパニー一丸となって切磋琢磨する時間はとても幸せで、充実感に満ち溢れています。

なにより、大変な稽古期間を乗り越えて得られるお客様の拍手や、ステージでのパフォーマンスは、何にも変え難い幸せを感じます。そのために今日も絶賛稽古中です。

稽古がない日は自主練したり、バイトに行ったり、同期とご飯に行ったり……。各々充実した授業後の時間を過ごしています。

稽古の様子。本番に向けて絶賛稽古中です!

このように日々バタバタと、そしてわちゃわちゃと、毎日楽しくミュージカルコースでの充実した生活を送っています。

昨年度は初めてのことばかりで毎日いっぱいいっぱいになっていた学生生活でしたが、あっという間に2年生になり、新しく挑戦したいことや、今後の目標が明確になってきました。

今年度は1年生の頃には実践できなかった、学内公演のオーディションに挑戦し、自分の実力を試す機会に積極的に食らいついていきたいです。ミュージカルコースは公演の多さが魅力のひとつなので、ひとつでも多くの公演に携われるように、今年度はさらに自分を磨いていきます。


いかがでしたか? この記事を通して、ミュージカルコースについて初めて知ったことがあったり、興味を持ってくださったらとても嬉しく思います。

私も改めて日々の生活を振り返ってみて、1年生の頃の思い出に浸ったり、今後の自分を見つめるいい機会になりました。

2023年度ドラマティック・シアター山田企画『月並みなはなし』(ミュージカルコースInstagramより)

最後にミュージカルコースの今年度の公演をご紹介します。気になる公演がありましたら、ぜひ足をお運びください。劇場でお待ちしています♪

ここまで読んでくださりありがとうございました!

【第20回ミュージカルコース本公演】
・2024年10月25日(金)〜27日(日)、11月1日(金)〜3日(日)

【邦楽ミュージカル】
・2024年11月30日(土)、12月1日(日)

【100周年記念ミュージカル FUTURE‼︎〜前田若尾物語〜】
・2024年12月13日(金)〜15日(日)

※全公演「MUSIC POOL CINO」にて実施。チケット情報等、詳細は後日発表される予定です。
※コンサートの日程は変更になる場合があります。最新情報はコンサートガイドをご確認下さい。

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Text by 上田わこ(ミュージカルコース2年生)