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2024年富士ヒル DNF雑記(19)


◆帰宅 〜終わりに〜

(1)輪行準備(帰路)

富士急ハイランド 高速バス停に到着したのは
15:03頃であった。
高速バスの予約時刻は16:03だったから、
きっかり残り1時間しかない。

輪行パッキングから、濡れた衣服の着替え、
荷物の発送までやらなくてはいけない。
晴れた日のいつもの輪行準備であれば、
1時間あればおつりがくると思うが、
とにかく雨でびしょ濡れ状態の
今回は非常にあやしい。

自転車もごらんの通りビショビショ(当たり前か)

急ぎ、まず、
高速バスの予約変更(後ろ倒し)が可能か調べる。
それによっては、
猛烈に輪行準備のギアを上げる必要がある。

バスの混雑具合について、
5月に試走しに来た時に感じたのだが、
夕方はヤバイ

時間が徐々に後ろにいくにつれ、
バス予約の埋まり方が激しかった記憶がある。
おそらく夕方以降は、
一日遊んで、帰る人が集中するタイミングなのだろう。

はてさて、
今から予約変更出来るだろうか、、、。

ハイウェイバスのアプリを開き、
恐る恐る予約状況を見ると、
こんな天気だからなのか、
「思ったよりは」空いているバスがあった。
そうして、
無事、16:48発のバスに変更する事が出来た。

まずはひとつ、
ホッと胸を撫でおろす。
これで、時間的余裕が出来た。
落ち着いて、まずは自転車の水滴を拭き、
輪行パッキングから始めた。

今朝、
「結果がどうであれ笑って帰ってこよう」
的なことを思っていた気がするが、
今となっては、
出来るとしたら苦笑いくらいである。
(こんな結果で帰ってこようとは!)

「ガチャリ」

ため息半分でロッカーの鍵を開け、
パンパンに荷物の詰まったリュックを取り出した。

横型輪行袋なのでいきなり逆さま

さて、輪行パッキング。
高速バスのバス停前は屋根があり、
その端っこの一角をお借りすることで、
雨に濡れずに作業することが出来た。

高速バスのトランクルームに載せてもらうので、
びしょ濡れでは困る。
いくらか用意してきた、
マイクロファイバーウエスで、
フレーム、ホイールと、水滴を拭いた。

あとはいつものパッキング。
ホイールはTIOGAの2本用のホイールバッグに入れ、
ロードバイク本体はmont-bell
コンパクトリンコウバッグに入れた。


(2)コンビニからリュックを送る

次に、手持ちの荷物を少しでも減らすため、
リュックを丸々1つ、コンビニから発送する準備をした。
送付するのは
ほぼほぼ、下山用荷物そのまんまなのだが、
下山用荷物に入れた中で、
ビニール袋とかタオル類とか、
いくらか、今すぐに使用できそうなものは取り出すことにした。

逆に、今すぐには使用しないもので、
汗だくの服とか以外、
送付荷物に入れても大丈夫そうなものや、
重たい物を入れた。

リュックの送付にあたっては、
外側をビニールで一枚覆えば
ヤマトの規定では送付出来ることを事前に調べてあったので、
大きめでぶ厚めの透明ビニールに入れ、
これまた透明の粘着テープでとめた。

富士急ハイランド前のコンビニはわりと近い

高速バスのバス停から、
最寄りのセブンイレブンまでは、
たかだか100m程度の距離なので、
自転車には、簡単な鍵をかける程度で、
自転車は置いたまま、
いそいそとコンビニへ行き発送手続きをした。

送るといっても、
送料そこそこのお値段するのだが、
雨の中、巨大なリュック2個を抱えたまま、
輪行帰宅する苦行よりはマシであった。

無事トラブルもなく、発送手続きが完了。
リュック1個分身軽になっただけで、
少し気持ちがスッキリした。
人間、不思議なものである。

ここまでトータルで
わりとゆっくり作業していたこともあり、
発送手続きが終わったのは15:55頃であった。


さて、残すは自分自身。
濡れた衣服を着替え、
ぐちょぐちょで感触の悪いシューズをどうにかして、
バスに乗車できる状態になる必要があった。

バスの発車予定時刻まで、
あと40分間くらいあったので、
室内の待合室へと移動。
自転車は、邪魔にならない端っこに置いた。

5月の試走の時もそうだったが、
待合室は、観光と思われる外国の方ばかり、
という印象だった。

さて、着替えよう!
うーんと、、、
やっぱりトイレかな。。。

そうして、
トイレを間借りして、上下一式の服を着替えた。
靴は既にびしょ濡れになってしまっていたので、
替えの靴下を履いた後、
その上からビニール袋を被せ、
靴下に浸水しないよう、
簡易防水だけして靴を履いた。
これだけで、足の不快感はかなり軽減された。

後はバスの到着を待つだけ。
昨年は、他の輪行参加者さんもまわりにいたので、
バスの待ち時間に軽く会話させて貰ったりしたものだが、
今年は、遅い時間帯だったこともあり、
他の富士ヒル参加者さんの姿はもう無く、
バス到着まで、わりとボーっと過ごした。

バスは土日祝日のお約束通り(?)
ちょい遅れで到着し、
無事、ロードバイクもトランクルームに
載せて頂けることが出来た。
ホッと胸を撫でおろし、高速バスが出発した。

さらば。
富士ヒル2024。

「来年こそ、ブロンズとっちゃるぞ!」
なんて、
この時はあらためて思う気力も無く、
ただただ、バスの座席に身をゆだね、
富士急ハイランドバス停を後にしたのだった。


(3)バス&電車輪行

バスに乗るなり、
高速道路が渋滞しているため、
到着に、大幅な遅れが見込まれる旨のアナウンスがあった。
なんとなく毎度のことが気がするので、デジャヴ感がある。
まぁ、渋滞だから仕方がない。
高速バスあるある、なのであろう。

昨年は、身動きが制限されるバスの車内で
突然、足や身体が攣(つ)ってしまわないか心配であったが、
途中リタイアとなった今年は、そちらの心配はなかった。
(いいんだか、悪いんだか)

車中、少し仮眠を試みたが
結局失敗し、スマホ片手に車中を過ごした。
そうして、約1時間遅れでバスタ新宿へと到着した。

バスタ新宿を出て、電車へと乗り換える。
幸い、日曜日だから、
通勤時間帯で電車に乗れない、ということはない。
気力と体力だけの問題でなんとかなる。

時刻は19:45頃
既に、気力はイマイチだったが、
まだ体力はいくらか残っていたので、
なるべく邪魔にならないよう、
ホーム内をえっちらおっちら移動。
電車の一番後ろの車両まで行き、電車を待っていた。

その時である。
数少ない、地元の自転車友であるPさんが、
まだ帰宅した様子のない私を心配して連絡をくれた。
今、まだ新宿にいる旨を返信すると、
なんと車で迎えに来てくれるというではないか。

Pさんは、
昼に、メカトラでDNFした旨を連絡した際にも、
「帰る足が無いのでは?」
と心配してくれて、
「時間はかかるけれど、最悪、
 富士まで車で迎えに行きます」

とまで言ってくれた、情に厚いお方である。

今回、結果的に無事、高速バスにも乗れ、
こうして、新宿駅で電車にも乗れそうな状況であったので、
結果的に、出動をお願いすることはなかったのだが、
その気持ちが嬉しいではないか。

DNFという不完全燃焼と失意の中、
しぼんだ心に、その優しさは染みわたるようだった。
Pさんには、
今、既に駅のホームで電車を待っている旨と、
感謝の気持ちを伝えた。

ほどなくして電車は到着。
日曜の、やや遅い時間帯の電車はだいぶ空いていて、
安心して、車両の隅に自転車とホイールバッグを置いた。

ふぅ。
あとは乗っているだけ。
そうして、安堵とほっこりした気持ちで、
一路、地元の駅に向かう電車に揺られていた。


(4)無事帰宅!

地元の駅に着いた時、
外はまだ雨が降っていた。(くそー!)

荷物もあるので、

雨の中、輪行袋に入れたままのロードバイクを
担いでそのまま帰る

なんていう選択肢は無く、
輪行袋から、乗ることの出来ない自転車を出して組み立てた。

それに加えて、
レインウェアのズボンを履き、
リュックを背負った上で、その上から
パールイズミのポンチョ(これがまた重たい)を被った。

これが本当に最後の最後。
そのまま自転車を押し歩きして、自宅まで帰った。
雨の中、感傷に浸る余裕もなく、

「早く帰って、シャワーを浴びてゆっくりしたい」

ただただ、そんなことを考えつつ
トボトボと歩いた。


そして、ようやく自宅に到着。
最後の気力を振り絞り、
自転車を拭き、宅内に運び入れた。

ちゃちゃっとシャワーを浴びた。
ふぅ。
ご飯はどうすんべ。
一応「自分の中でのお疲れちゃんの儀式」をやっておくか、
と思った。

心配していくれていた妻は、
もともと、
「何か作ろうか?」
と言ってくれていたが、
疲れて、帰宅後何も食べずに、
倒れるように寝てしまう可能性もあったので、
「食べたくなったら何か適当につまむよ」
と事前に伝えてあった。

そんなこんなで、クッと飲んで、
サクっと倒れ込んで寝てしまうコース。

簡単なつまみでビールをグビっとやる。
こういうのも好きだなぁ。
ボカァ。

何を成し遂げたわけでは無いが、
ビールが美味い。
こうして、なんとか無事帰宅する事が出来、
私の富士ヒル2024は幕を閉じた。


(5)終わりに

今回、事前トレーニング的には間に合ってはいないものの、
当日の体力的、体調的には悪くなく、
ブロンズタイムチャレンジに向けて、
序盤からやる気満々で進んでいた。

だがしかし。
ボクたかし。

運命のイタズラか、メンテナンスが足りなかったのか、
メカトラブルによる、まさかのリタイアという結果に終わった。

当初は、
「ベストタイム更新しました!
 だって昨年は余裕で2時間オーバーだったもーん」


しょうもない報告をして、
終わる予定だったこのnoteも、
毎年、99%の出走者が完走する中、
わずか1%のリタイア者(DNF)になり、
なかなか乗る機会のない下山バスに乗車した上、
雨の中、寒さに震える他の参加者を目の当たりにしたことで、

「何か残さねば」

と思うに至った。
だらだらと無駄に長い文章は相変わらずだが、
昨年の雑記より、少々アホウな文章が少なかった(?)のは、
そういうわけで。
(どういう?)

さてさて。
拙い、だらだら雑記に
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

なかなかレアな体験でしたが、
わずかばかりでも、皆様の心に残ったり、
参考になってくれるような事があれば幸いです。

末筆ながら、皆様の素晴らしいサイクリングライフをお祈り申し上げます。

ーーーおしまいーーー




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