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2024年富士ヒル DNF雑記(18)

2023年初参加時のボロボロ雑記に引き続き、2024年「まさかのDNF」をしてしまった人の、ダラダラ雑記です。

◆なんとかバス停へ


(1)メカニックブースにて相談

時刻にして14:00頃。
トラックで運搬してもらった自分のロードバイクを受け取り、
まだやってくれているかどうかわからない、
メカニックブースを目指して、転がし走る。

前日(6/1)の写真。陸上競技場へ続く階段。(当日はもちろん雨の中)

陸上競技場へ向かう階段を駆け上がり~
と言いたいところだが、
雨の中自転車担いで、なので、
気持ちは急いで、実際はゆっくりと階段を上がる。

階段を上りきり、
前日受付時にチラっと見かけた
メカニックブースがあったテントらへんへ急ぐ。

参加のご案内 (大会前日会場全体図(富士北麓公園) )より

後から思えば、
横にあるスロープを進めば良かった気がするが、
この時は、それが思いつかなかった。


到着すると、その場所に限らず、
テント一体全体的に、既に閉店ガラガラ状態で、
既に撤収にむけての準備も進んでいて、
いや、
もうその撤収準備すらも終わりかけのように見えた。

もういつ撤収しても良いんだけれども、
なんとなく雑談をしながら、もうちょっと居るか

という雰囲気。
そう、完全に
「本日の受付は終了しました」
と札がかかっていそうな、
そんな状況、空気感だった。

想像いただけるだろうか。
その空気感。

飲食店に入ったら、もうすっかり洗い物も済んでいて
あとは店を閉めるだけ、みたいな。
(違うか)

私は、基本的にそういう時、

「ダメ元ダメ元!
 聞くだけ聞いてみればいいじゃん。」

という気持ちになれる時の方が少ない
要は小心者(ビビリ)なのである。

もじもじ

ただ、この時は違った。
この後の、高速バスのバス停までの移動手段がない。
元はといえば、自走でスイーっと移動するはずだったのだ。
加えて、地元の駅から自宅までの移動も同様である。
要は、このあと2回、自走したかったのだ。

あわよくば、
チャチャっとこの場で修理して頂けないだろうか、
それがダメでも、なんとか応急処置を、
最悪、帰宅までについて何かアドバイスだけでも頂戴できないだろうか、
そう思っていた。

藁(わら)にも縋(すが)る思い

まさにそんな感じで、
ビビリなんて言ってられず、勇気を出して声を絞り出した。


「あの、、、すみません。
 ここらへんにメカニックブースがあったとお聞きしたんですが・・・。」

すると、
見ての通りこんな感じですが、一応ここです。
 どうかされましたか?」
といった感じで応えてくださった。

「こんな遅い時間にすみません。
 ペダリング時にトルクがかからなくなって、
 結局、途中でリタイアしまして。
 今さっき下山バスで下山してきたところなんです。」

そう伝えると、
見るだけ見てくれると言うではないか。
完全に善意、本当にありがたい話である。

何があったのか、諸々をお伝えした。
その場で、
停車した状態でクランクを回してみると、
クランクは「スカッ」とはならない。

「一応、かかるねぇ~」

トルク抜け症状を見てもらいたいのに、
ここへきて、何故に今だけ直る!?
そういうことってありがち。
でも、どうにかもう一声見ていただきたくて。

「そうなんです。
 終盤はトルクがかかったり、抜けたりを繰り返していて。
 最後にはスッカスカになってしまってリタイアしたのですが、、、」

なるほど~。
と話を聞いてくださり、
ちょっと試してみますか、と
実際に少しの距離を試乗してくれた時に、
実際に「スカッ」というトルク抜けが発生し、
事象が再現してくれた。

やったぜ!
トルク抜けが発生したぜ!

いやややや!
全然「やったぜ!」じゃないんだけどね。
ぎゃふん。

それから、ちょこちょこっと見てくれて
結局、

「確かに、ラチェット部分があやしい。
 ただ、最終的には中を開けてみないとわからないので、
 今これから、ここでではちょっと難しそう。
 なるべくこのままの状態で、
 ショップさんに見てもらった方が良い」

という結論だった。
むむう。
時間も時間だし、これは仕方ない。

その後、
この先の帰宅のことも心配してくださり、
あれこれ会話させて頂いた上で、
高速バスのバス停までなら、

今の状態で下れる所まで下って、
平坦区間は押し歩き

というのが現実的かな、ということで、
その方向で腹をくくった。

見て頂いたお代について尋ねたところ、
このくらいはいいですよと、サービスして頂き、
お礼を言ってメカニックブースを後にした。


(2)吉田うどんを食す


前日(6/1)の写真。ブース側から駐車場へと向かうスロープ。当日はまだ雨。

「ダメでもともと」で相談させてもらったため、
そんなに精神的ダメージはなかった。
むしろ、気持ちの整理がついた感じがした。

ひとまず駐車場・駐輪場へ戻ろうと思い、
駐車場に続くスロープを自転車に乗って少し下ってみたが、
「ああ、ここは自転車乗ったら危ないし、ダメか」
とすぐに思い直し、押し歩きして駐車場へと戻った。

14:14頃 サイクルラックはこんな感じ

さて、どうしよう。
下山荷物はもう届いているだろうか。
下山荷物の受け取りテントを覗いてみるかー
なんて考えながら
ひとまず、
自転車をサイクルラックへ置いているうちに、

「あ!吉田うどんをいただこう!」

と思った。
そういえば、先ほどチラっと見かけたけど、
かろうじて、まだやっていそうな気がした。

そうして、
自転車に簡易的に鍵をかけ、、、
あれ、
鍵は持っていたんだっけ!?
失念してしまったが、
確かこのダイヤルロックを、
いつものライド時と同じ感じで
小さいループ状態にして、
バックポケットに入れていた気がする。

先ほど降りてきたスロープを逆に登り
吉田うどんのテントへ。

吉田うどん

見ると
だいぶ終わりかけな感じがしたが、
一応まだ食べられそうだ。

「すみません。一つお願いします。」

そう伝えて、
背中側、バックポケットの上に貼り付けてある
ゼッケンから「引換券」をちぎってもらおうと、
後ろを向いて

「あの、引換券をちぎって・・・」

と、そこまで言いかけた所で、
被せ気味に

「ああ、いいからいいから!」

そういって、
そのまま、うどんを提供してくれた。
時刻にして14:18頃。
どうやら、雨の中の終盤、
引換券云々なんてどうでも良い、というような状況のようだった。
もしかすると毎年、
終わり際はこんな感じなのかも知れないな、
と思いつつ、
雨を避けるために一時的に、
テントの下に入れてもらい、
ありがたくいただいた。

あたたかくて、美味しかった!

お腹も満たされ、
また駐車場まで戻ってきた。
相変わらず雨は降っている。

さて、残すところは、
本来は五合目のフィニッシュ地点で受け取るはずだった、
下山荷物の回収である。

先ほど見聞きした話では、
「下山荷物を当日受け取れなかった場合」は、
後日、着払いで自宅への送付対応となる
らしかった。
そのまま捨てられないだけ、ありがたいなと思った。

右奥のテントが、下山荷物返却場所だった

おや?
そう。
送付して貰えるのか。
そうなのか。

おそらくこれは、主に、
前日の受付で下山荷物を預けたものの、
当日になって体調不良等で参加できなかった人
(いわゆるDNS(Do Not Start) )
のための対応だと思われる。

私は一応出走はしたが、、、
まあ、
「途中リタイアで下山荷物は使用できなかった」
というのも
今考えれば、同じようなものか。

何が言いたいのかというと、
私は、帰宅時の携行荷物を減らすために、
この後、受け取った下山荷物を
どちらにしろコンビニから、
「リュック丸ごと」
自分で、自宅まで送付しようと思っていたのだ。

運営側にて送付対応をしてもらえるのなら

わざわざ下山荷物の到着を待ってまで
受け取る必要もないか

と思ったり。
ふーむ。
そんなことを考えていた時、
ふと耳に

「5合目からの下山荷物、到着しています」

という声が耳に入ってきた。
そうか、、、
あそこに置いてあるのか。
自分の荷物が。
手の届く所に。

ふーむ。
どうすんべ。

私がここでスルーすると、
運営さん側の発送作業を
一つ増やしてしまう
わけか。

そう思うと、
その荷物をスルーするのが
なんだか申し訳なく思えてきた。
(実際は事務的に処理してくれるのかも知れないが)

そうして私は、
結局、活躍の機会がなかった下山荷物を受け取るべく、
所定のテントへと、ホテホテと歩いた。


下山荷物はあっさりと見つかった。
そりゃそうか。
もう数が少ないんだもの。

受け取り完了。
ふう。
これで、全ての残タスクが終わった。
(途中リタイアしているから、完走証の受領も
 フィニッシャーリングの受領も無いのが悲しい。ぐすん。)

そう、本当に終わったのだ。
2024年、私の富士ヒルが。

シトシトと振り続ける雨の中、
あらためて、あたりを見回してみる。

完全に「祭りのあと」の様相を呈する中、
来年こそ。
来年こそ!

そう心に刻み、
ロードバイクを停めてあるサイクルラックへと向かったのだった。


(3)高速バス バス停へ

さあ、帰ろう!

受け取った下山荷物はどう運ぼうか?

富士ヒルの下山荷物袋(ビニールの巾着袋)
からリュックを取り出して、
そのリュックを背負おうかなとも思ったのだが、
雨が降っているので、リュックが濡れてしまう。

それに・・・
そういえば、前日の受付時、
下山荷物袋にリュックそのまま
「ズボっ!」
とは入らず、
中身を出して無理矢理詰めたんだった。

前日の受付時。中身を出して無理矢理詰めたんだった

むむう。
この雨の中、いろいろと面倒くさいな・・・。

いろいろと面倒になり、
結局、ビニールの巾着袋のまま背負っていくことにした。
強度的には大丈夫だろうか。

いやいや、
これをそのまま背負って、
五合目から下山する人もいるくらいだし、
きっとかなり丈夫に出来ているのだろう。
(希望的観測)

レインウェアも、
わざわざ引っ張り出して、
追加で着るのも面倒くさい。
上着だけ着ていればまあ大丈夫であろう。
(下はレーパンのまま)

さらば、富士ヒル。
そうして、富士北麓公園から出発すべく、
歩・き・出・し・た。(涙)

14:30 まだ何かを待っている様子。

公園を出発する頃、
まだ、なにやら待っているような様子の人達を見かけた。
五合目からの下山組の皆さんだろうか、
それとも、大沢駐車場とか
別で避難していてサルベージしてもらった人達だろうか。

皆さん、レインウェアを着ていたり、
下山荷物を持っているようなので、
おそらく、トラックに預けた自転車を待っているのだろう。
兎に角、まだ一息つけない方達がいたようだ。

「どうか、皆さん
   早く一息つけますように」

そう願いながら、その場を後にした。


さあ、行こう!
途中の国道139号線と合流する
「昭和大学入口」交差点までは、ほぼほぼ下りのはず。
ペダリングが必要な平坦箇所は数えるほどのはずである。

昭和大学通りを道なりに下る。
すると早速、

「バシャバシャ バシャバシャーー!!!」

後輪がまき上げた水しぶきが、
モロにお尻を直撃し、
同じく、前輪がはじき飛ばした水しぶきが
シューズを濡らす。

う!
こりゃダメだ。
全然ダメだわ。

言われてみれば、
「そりゃ、そうだろ」
という感じであった。
せっかく下山荷物を受け取ったんだし、
横着しないで、最初からレインウェアの
ズボンを履いてからスタートすればよかった。。。

既にいくらか濡れてしまっていて、
「あとのまつり」だが、
後方を確認しつつ減速、停車。
歩道へ一旦退避。

下山荷物をごそごそやって、
レインウェアのズボンを上から履いた。
今回唯一、下山荷物内の物が使用されたシーンだった。(泣)
シューズに関しては、今できる対処はなさそうだったので
諦めてそのままにした。

さて、昭和大学通り
そこそこの下りにつき、
ペダリングせずとも、普通に進む。
ウェットな路面につき、
むしろ、慎重にブレーキが必要であった。

時間は14:30を過ぎており、
もう既に遅い時間帯であったが、
私の後ろを下ってくる
後続の富士ヒル参加者も、ポツポツとだが居た。

昭和大学通りの下りは、
一部アスファルト路面が悪く、
時折「ボコっ」大きな陥没があったりしたので、
後続にそれを伝えたいのだが、
片手運転でハンドサインを出す余裕はなかったため、
とりあえず、両肘をパタパタさせて、

「とりあえず、何かあるから気を付けてね」

というサインだけ、
時にやりながら下った。

そんなこんなで、
下り区間はあっという間に下りきり、
「昭和大学入口」交差点へ到着。
ここから、富士急ハイランドバス停までは押し歩きである。

はたから見ると、
「雨の中、あの人は何故に自転車を押して歩いているんだろう?」
という感じなのだが、
もはや致し方ない。

「なんだかなー。」

もはや、
何を考えるでもなく、ただただ歩いた。 

14:54頃 バス停まで残り500mくらい

後から調べてみたところ、
歩いた距離については、1km無かったのが
せめてもの救いであった。

しばらく
トボトボと歩いていると、
道路の反対側にようやく、高速バスのバス停が見えてきて、
なんだかホッとした。

14:59 反対側に富士急ハイランドバス停が見える

ふぅ。
やったぜ・・・。
後は道路の反対側に渡るだけ。
そう、渡るだけ、、、

・・・。

「渡れそうにねぇ~!」

ああ、
なんでおいらは、何も考えずに
ずっと左側を歩いてきてしまったのだろう。
途中、確かに反対側に渡れるところがあった。

新宮川橋の交差点で渡っておくべきだった。。。

自転車に乗れていれば、
引き返すことも難しくないが、
自転車を押し歩きして戻るのはかなり億劫だったので、
ひとまず、もう一声進んでみる。
(これ、ハマるやつですな)

Google ストリートビューより

しばらくして、左側に歩道橋が見えて来た。
やった!
(のか?)

左側のから歩道橋への階段にアクセス出来たので
ロードバイクを担いで歩道橋の階段を上った。
雨の日の歩道橋の階段は、
上る時より、下りる時の方が
ツルっと滑りそうなので、
一段一段、より慎重に階段を下りた。

15:03 富士急ハイランドバス停 到着

ふぅーーーーーー。
無事たどり着けた・・・。
ようやく着けて、心から安堵した。

さあ、次だ。
着いた後もやることはある。
高速バスの予約時間は決まっているのだ。

帰るまで、あともうひと踏ん張り。
そうして一息つく間もなく、
帰宅に向けて、次なる作業を開始したのだった。


ーーーつづくーーー



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