君のはねてる髪に手をふれてみる 見慣れてるはずなのに 別の女性のにおいを感じる 昨日の電話は何だったんだろう 書き置きも見ずに車に乗りこむ ワイパーの音が気になる そういえばたばこはやめたんだった。 信号がなかなか変わらないことに気付く。
電話切れてたんだ 気づかなかった そんな言い訳 かっこ悪いな かっこ悪い
とけるよう 洗濯かごにつめこんで 足早なきみ 傘あったっけ
流れるように踊ってよ さあ 香に心をよせる すり減らすように歌う
手の大きさを 比べるふりして 君にはじめてふれる なんかずるいな 綺麗なんだ #推し短歌
はじめて喫茶店で待つ コーヒーのかおり 今日の帽子似合うかな #推し短歌
物語に追い越されていることに 僕はまだ気付いていなかった カーテンをゆらす風が こちらを覗いている 手をたたく音が響く朝
ことばのアルコールを飲みほして この現実の世界なんて これっぽっちもないんだよって きみの目が笑うようで こわくなったんだ
言葉を壊さないでよ 色を止めないでよ 時を見ていたい 心の線を見て 遠い手離さないで いつだってそう あなたは言葉をそらすの いつだってそう
やさしくねてたら 風が吹いて きみが来るような 気がした
探していたリップクリームが コートのポケットの奥から出てきたときの嬉しさに似てる
メガネがくもる前に帰ってよ 指先に問いかけて 見ないふりしてる
一度 言葉の端っこに立ってみたら?
雨の毛布にくるまって眠ろう 今日見たことはないしょにして