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柳湯「地域のコミュニティとして店を長く続けたい」
こんにちは、湯どんぶり栄湯のX(旧Twitter)とオンラインコミュニティを運営しているふがしです。
”銭湯と人”は温浴施設で働く人の想い・ストーリーにスポットをあてたい!と思って始めました。(月1回の更新を目指して頑張っています)
今回は千葉県市川市の柳湯さんのご主人にお話しを伺ってきました。
柳湯さんのご主人は「お客様の満足度を上げるためには?」と「地域の健康づくりに貢献したい」という強い想いがありました。
是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※読んでくれた方にひとつだけお願いがあります🙏
この記事を読んでいただいて「店主の考えに感銘を受けた!」「この店主が経営する銭湯なら行ってみたい!」そう思っていただいた方は、”スキ”(♡)を押していただけると嬉しいです。
柳湯の紹介
まず今回インタビューをさせていただいた「柳湯」についてご紹介します。柳湯は昭和昭和14年に創業をしたので約85年の歴史がある銭湯です。
近くには大型ショッピングモール(コルトンプラザ)もあるのでショッピングモールで遊んだ後に柳湯に行ってひとっ風呂浴びて駅前の居酒屋で飲むということもできます。(ホームページはこちら)
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元々は違う土地だった
ー早速ですがお話を伺わせてください。柳湯の歴史について教えてください。
わたしが二代目になります。初代が父親なのですが父親がやっていた時は押上で銭湯経営を行っていました。だから本八幡で銭湯を経営しているのは約50年くらいになります。
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ーえ!そうなんですか!てっきり本八幡でずっとあったのかと思っていました。
昔は銭湯を経営するためには既にある銭湯を借りて家賃を支払いながら銭湯経営の修行をしつつ、銭湯を開くための開業資金を貯めていたんです。
だから初代の頃は押上で銭湯を経営をしていました。押上後は行徳、西船橋でも銭湯を借りて、50年前に本八幡に銭湯を開業しました。
ーどうして本八幡駅で開業したのでしょうか?
本八幡は昔は風呂無しのアパートが多かったんです。だから本八幡で銭湯を開業したら多くの方が喜んでくれると思って本八幡にしたと聞いています。
ー昔は風呂無しの家が多かったんですね。現在は風呂無しの家はほとんど無いと思いますがその点についてはどう思われますか?
そうだね。千葉県は家庭風呂の普及率が97%だから「風呂無し」の方を対象に商売をしていたら到底無理ですね。だから家風呂がある人達に銭湯に”来る理由”を作らなきゃいけないと思っています。
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銭湯に来たいと思ってもらうための取り組み
ー銭湯に来る理由づくりについて詳しく聞かせてください
柳湯は以前はシンプルな銭湯でしたが複数の浴槽を作ってスーパー銭湯みたいに改装をしました。確か平成10年頃だったかな・・・中普請をしたのは。
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ー銭湯経営で大切にしていることを教えてください。
千葉県の銭湯の入浴代が去年450円から480円に上がりました。
その時思ったのが「値段以上の満足感をお客様に提供していく必要がある」と思いました。
風呂に入るには家風呂、サウナ施設、スポーツジムの風呂など色々選択肢があるでしょ?そのいくつもの選択肢の中から「銭湯」を選んでもらうためには満足度がとても大事だと思っています。
ただ値段を上げるだけではなく、お客様の満足度を上げることも常に考えていくことが銭湯経営で大切にしていることです。
ー浴室が日替わりで違うのはそういった理由からでしょうか?
そのとおりです。奇数日と偶数日で男女入れ替えをしています。
コンセプトが違う浴室を作っているのでお客様に選べる楽しみを感じて欲しいという願いで日替わりで入れる浴室を変えています。
たまにお客様が間違えて入ろうとするので大変ですけどね(笑)
ーご主人のお話を聞いているととてもエネルギーを感じますが銭湯経営のやりがいを教えてください。
今でこそ楽しいけど継いだばかりの時はとても大変でした。
銭湯は味や技術を提供する商売じゃないからその辺は苦労しなかったけど精神的に参ってしまったときがありました。
正直に言うと家族を連れて出ていこうかと思ったこともあります。でも、自分で好きなようにお店を改装してそれがお客様に喜んでもらえるようになってからは楽しくなりましたね。
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”本物”を入れることでお客様に喜んでもらいたい
ー薬湯にこだわりがあると聞きましたがどのようなこだわりがあるのでしょうか?
薬湯は本物を入れることにこだわっています。入浴剤は目に見えるので喜んでくれるお客様が多いんです。喜んでくれるお客様が多いので今ではわたしも入浴剤を選ぶのが楽しくなってしまいました(笑)
ー「本物を入れる」とはなにを入れるのでしょうか?
日曜日にレモンやリンゴ、時々お茶などを長寿の湯の薬湯にいれています。
リンゴは契約農家さんから直接送っていただいています。勿論、普通のリンゴだとお値段がするので傷がついて売り物にならないものを特別に送ってもらっています。
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ーフードロスの削減にも貢献にもなっているので素敵な取り組みですね!
元々はこのアイディアは別の銭湯の方なんだけどね。「うちで今度農家と契約してリンゴ湯をやるですよ」と聞いたので「うちもやりたい!」と手を挙げたんです。
ーその銭湯はどちらですか?
・・・もう廃業しちゃったよ。とてもいい方だったので残念だよ・・・。
市川市も昔は60軒あって行徳地域には10軒もあったんですけど全部潰れちゃった。銭湯が多かった時代は距離制限があって300メートル以内に銭湯を作っちゃいけないというルールもあったんだけどね。
ー柳湯は今後の展望を教えてください
昔は銭湯は2階に地域コミュニティのスペースがあるところが多かったんですよ。行政と連携をして柳湯に2階を作ってひとり暮らしのお年寄りが集まれるスペースを作れたらいいなって思っています。市川市はシルバー健康日本一を目指しているので柳湯がそれに貢献できたら嬉しいので行政と連携をしたいですね。
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ー今日は本当にありがとうございました!
こちらこそ。あ、よかったら飲んでいって!銭湯といったらご馳走はお風呂だけど牛乳も贅沢だよね。わたしからの奢りなので飲んでください。
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インタビュアー:ふがし。駄菓子のふ菓子が好きな人。本業はIT企業で働きつつ兼業として銭湯(湯どんぶり栄湯)でも働いている。
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