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【女湯事件ボ27】きっと「銭湯復帰」の日。

北海道のとある銭湯。
そこは常連さんでギチギチに賑わっていた。
夕飯前のピークに来てしまった様だ。

皆、誰かと揃えたリズムで、
一緒に洗い場、浴槽を楽しむ。

そんな中、私と同じ様に1人で、
隅に体を寄せるおばちゃんがいた。
浴槽の床ばかり眺めて ビクビクとしているけど、
カゴ等の持ち物は まさに小慣れた常連さんの様子。

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浴槽ですれ違い際、
私なんかにもチョイと会釈を返してくれて
小さいやさしさを受け取った。
でも、おしゃべりはしない派みたいだ。

・・・と、カランにいるおばちゃんの横に
ご近所さんが ゴンと桶を置きつつ 声をかけた!

ご近所さん)あんた!!大変だったね。。
おばちゃん)えぇ、はい。。

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ご近所さん)まだ落ちつかないよね?
おばちゃん)えぇ、まだ。

ご近所さん)そうかい、無理しないで!
おばちゃん)ありがとうございます。


おじぎした頭。
そのままうなだれる様に
カランのある足元を眺めた様だった。

・・・おばちゃんの家族、誰か亡くなったかな?
病気ならば進行形だけど、
全てが済んだ様なご近所さんの口ぶりは。

きっと、それを経て今日
久しぶりに銭湯に来た・・復帰の湯だった様に思える。

私も 祖父と父が亡くなってから、
この様な会話を今まで以上に
銭湯でキャッチする様になった。

おばちゃんの背中は猫背で
ぎゅうっと丸めこまれていた。
何かを背負っているかの様に。
でも そこにモコモコの石鹸が乗ってて、
なんだかふと気が抜けた。

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おばちゃんに、
おばちゃんの大切な誰かに
心の中で手を合わせた。


ここまで書いて、
おばちゃんの事どんだけ見てたんだよ・・・と自分に飽きれた。
浴槽、カラン・・・んで、持ち物まで見てさ。
うん、なんか、最後にちょっと笑えた。

やすこ。

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