【女湯事件ボ19】コロナ禍で一番「粋」な手ぬぐい姿
最近、銭湯であまり見かけなくなった光景、、ご婦人同士の背中流し。
やっぱり皆、どこかで誰もが
小さな我慢しているんだよなぁと思う。
そんなある日。台東区のとある銭湯。
浴室に、おばあちゃんが入ってきた。
戸を開けるのも 全身を使って精いっぱい。
(そこの浴室戸は、確かに頑固ではある)
足元がおぼつかない。
大丈夫かな、、と思っていたら
スッと姉さんがカランから立ち上がった。
ご自身の手ぬぐいを
小慣れた手つきでグルグルっと
口元に巻いた。
そして、ツカツカと入口に向かうやいなや
おばあちゃんに素早く手を貸していた。
おかげで、おばあちゃんは無事、
カランの前に着席。
良かった。
で、そのご婦人のグルグル巻き姿、
抜群にかっこ良いわけだ。
手ぬぐいには紺色の家紋が描かれており、
色はかなり色褪せて。
ご婦人が、祭で神輿を担ぐ姿が
鮮やかに目にうかんだ。
地方出の私には間違いなく
「粋な江戸っ子」として目に映った。
そして少し経つと
おばあちゃんに距離をもちつつ話しかけた
「背中、流すね??」
どうやらばあちゃんは断った様。
「あ、ねぇ、ごめんなさい。
こうやってちゃんと巻くからね!」
と違う手ぬぐいを更に巻き巻きした。
しかしばあちゃんは、その日は
背中流しをしてもらう気分ではなかった様。
ご婦人は「そっかそっか、またね。」と
サッパリと返していた。
なんだか全て、かっこよく見えた。。
そんな女性になりたいという思いと同時に、
そんな女性に声をかけてもらえる人になりたい
という思いがフッと沸いてきた。
やすこ。
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