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精神の能動と受動


【意志のすべてが精神の能動、あらゆる種類の知覚ないし認識が、一般に精神の受動とよべる。(ルネ・デカルト(1596-1650))】
 「わたしたちのうちには、わたしたちの思考以外に、精神に帰すべきものは何も残らない。その思考には主として二種がある。第一は精神の能動、第二は精神の受動である。わたしが精神の能動とよぶのは、意志のすべてである。なぜならわたしたちは、意志が直接に精神からきていること、しかも精神だけに依存しているらしいことを経験しているからだ。これに対して、わたしたちのうちにあるあらゆる種類の知覚ないし認識は、一般に精神の受動とよべる。なぜなら、それらを知覚ないし認識たらしめているのは、多くの場合精神ではなく、精神はつねにそれらを、それらの表象している事物から受け取るからだ。」
(ルネ・デカルト(1596-1650)『情念論』第一部 一七、p.20、[谷川多佳子・2008])
(索引:思考、意志、知覚、認識、精神の能動、精神の受動)

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