Best Enchant Emotional dRink
↑記事の続きです。
地域とは
先日の投稿では、『地域』とはなんぞや?と問題提起をしました。
これってかなり難しい事だと思っていて、例えば『地域おこし協力隊』の職務ってなんだと思いますか?という問いに対し、
A.地域を…おこす事…?
と漠然とした答えになってしまうと思いませんか?勿論ひとりひとりの人間に焦点を当て直せば、具体的な活動内容は見えてくると思います。
でも何を為せば地域をおこした事になるのか?その線引は曖昧です。
そもそも地域ってどの地域を指すの?市区町村などの自治体名を指すのか、地名なのか集落単位でも良いものなのか。はたまたサードプレイス的な場を指しても、地域といえる気がするし、言えない気もする。
少なくとも地域おこし協力隊は首都圏や大都市圏(政令指定都市含む)から条件の合致した市町村へ住民票を移す事を必須要件としており、その対象は過疎地域や中山間地・郊外地域などの非都市圏となっています。
では東京や大阪は地域ではないのでしょうか?二大都市圏なのでこの2つはまだ分からなくもないですけど、仙台や札幌、新潟が地域ではないと断ずるのは、感覚としてちょっと違いますよね。
また東京にも葛飾区などに佃煮が多いように、大阪にはイカ焼きがあるように、地域らしさというものは都会だから無くて田舎にしか無いものでは決してありません。
モノづくりの極地
やっとビールのお話に戻ってこれるのですが、FUJIYAMA HUNTER'S BEER(以下猟師麦酒表記)さんは静岡県のブルワリーです。
私が猟師麦酒が好きなのには理由があります。それは情緒をくすぐられるから。
引用といっても、猟師麦酒さんのInstagramが大元の第一次資料のようですが、捉えきれなかった為ご容赦ください。
一個人に向けてビールを作る、それはある種究極のビールといいますか、ビールに限らずモノづくりとしての極地だと私は思うんです。
情緒をくすぐれ!
もう一つ猟師麦酒さんの上手なところ。それは夏みかんゴーゼの味わいをお伝えしながら説明できれば。
ゴーゼはドイツのハルツ地方で作られていた伝統的な製法で、エールに属するビールです。
大量のコリアンダーと塩を入れて作るのが特徴。また発酵に乳酸菌のチカラを借りるのも大きな特徴となっており、特有の酸味が感じられるビールです。
猟師麦酒さんの夏みかんゴーゼは、柑橘類特有のサッパリとした香りと相性抜群のサワー感。またそこに適度に感じる塩味が良いアクセントになっているとても美味しいビールです。
と、ビールの味の紹介だけをするならこれでおしまいです。
でも猟師麦酒さんの上手いなと思うのは、原材料名の表示の仕方なんですよ。
イチバン惹かれたのは塩の部分です。
食品表示のルールは良く分かりませんけど、ただ『塩』とか『食塩』と書かれるのではなく『戸田塩』と表記されると、一気にローカルを感じませんか?
戸田塩を調べると、これはへだじおと読むのかーとか、駿河湾で作られている伝統的な塩なのかーとか色々伝わってくるものがありますよね。
塩にたった漢字二文字付与する事で、情報量を増やして奥行きを演出する。
私はこれこそがクラフトビールのあるべき姿、姿勢であり、情緒なんだと思います。
そして地域とは人々が営んできた日常の繰り返し、営みの歴史を指す言葉だと私は捉えています。
土地の事を指すのではない、人々の日常こそが地域だ。