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フェルスタッペンの再起とメルセデスの挑戦:カタールGP スプリント決勝と予選を振り返る

F1カタールGPの土曜日は、スプリントレースと予選の激戦が展開され、ドライバーやチームにとって波乱の一日となった。特にレッドブル、メルセデス、フェラーリ、そしてマクラーレンのトップ4チームが、それぞれの戦略とドライバーのパフォーマンスで熾烈な競争を繰り広げた。

レッドブルのマックス・フェルスタッペンはスプリントで苦しいスタートを切り、6位から9位に後退。フェラーリの後ろで動きが制限される形となったが、最終的に8位まで巻き返した。しかし、前を行くハースに追いつくことはできなかった。予選では驚異的な改善を見せ、オーストリア以来となるポールポジションを獲得したが、アウトラップでジョージ・ラッセルを妨害したと判断され、1グリッド降格のペナルティを受けた。

それでもフェルスタッペンは「今日は僕たちの改善にとても満足している。スプリントはかなりショッキングだったが、予選での改善には自分たちも驚いた。久しぶりのポールで、とても嬉しい。チームのみんながこの変化を成し遂げてくれたことを誇りに思う。明日は戦えるし、トラックで楽しめるといいな」と語り、改善の手応えを感じている様子だった。

セルジオ・ペレスもまた、スプリントではサスペンションセットアップの変更によりピットレーンからのスタートとなり、厳しいレースとなったが、予選ではオースティン以来のQ3進出を果たし、9位に食い込んだ。「スプリントを犠牲にして異なるセットアップを試したけれど、最終的には予選やレースに役立つはずだ。タイヤと第1セクターはまだ難しかったけど、良い進歩が見られてポジティブだと思う」とペレスは述べ、予選での改善に満足感を示している。また、彼は「明日の目標はリーダーたちについていき、フィールドを抜けていくことだ」と、レースに向けた強い意気込みを語った。

メルセデスでは、ジョージ・ラッセルがスプリントで3位に入り、予選ではフェルスタッペンのペナルティによりポールポジションを獲得した。ラッセルは「今日は素晴らしい一日だった。Q3の最初のラップは本当に良かったけど、最後のラップで改善できなかったのは残念だ。それでもP2には満足しているし、全体的にポジティブだ」と語り、ポールスタートへの期待を膨らませている。また、「明日はエキサイティングなレースになるだろう。トップ4チームが接近しているし、スタートを上手く決めれば良い戦いができるはずだ」と、明日のレースに向けての期待も述べた。一方、ルイス・ハミルトンはスプリントで6位、予選でも同じく6位に終わったが、「車の調子は悪くなく、明日のレースが楽しみだ」と述べ、ポジティブな姿勢を見せた。さらに彼は「今日はバウンシングもなく、車のバランスは良かった。予選では少しタイムを失ったが、明日のレースで取り戻したい」とコメントし、改善への自信を見せた。

マクラーレンはスプリントで1-2フィニッシュを果たし、チーム内の協力体制が光った。ノリスはブラジルGPでのお返しに、ゴール直前にピアストリに順位を譲り、ピアストリ1位、ノリス2位という順位になった。直後にラッセルが迫っていたことから、ラッセルに抜かれることを恐れたチームは、順位を入れ替えないよう指示したが、ノリスは実行しポジションを失うことなく、順位を入れ替えることに成功した。

ランド・ノリスは「スプリントでは僕のレースペースは良かったけど、予選ではライバルほど速くなかった」としながらも、ポジティブな姿勢を崩さず、明日のレースに向けて準備を整える意気込みを語った。「チームのために全力を尽くし、良い結果を出したい。明日はさらに改善できるはずだ」とノリスは述べ、前向きな姿勢を強調した。また、オスカー・ピアストリはスプリントでの勝利について「スプリントでは本当に良い結果を出せたし、チームには感謝している」とコメントし、チームの結束力を強調した。さらに彼は「明日のレースもチームとして強い結果を残したい。僕たちの車は良い状態だし、戦えるはずだ」と自信をのぞかせた。

フェラーリにとっては、スプリントと予選の双方で苦戦を強いられたが、シャルル・ルクレールは「予選ではP5が僕たちの車で出せるベストだったと思う。レースでは車がもっと強いと信じている」と前向きな姿勢を示した。「スタートで良いポジションを取れれば、トップチームと戦えるはずだ」と語り、明日のレースに向けた意欲を見せた。カルロス・サインツもまた「このサーキットが僕たちにとっていかに難しいかを再確認した」としつつも、「それでもレースでは戦えると信じている。チャンスがあれば必ず活かしたい」と、レースでの挽回を目指している。

フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは「非常に僅差の予選だったが、最終的にマクラーレンのすぐ後ろ、コンマ1秒以下の差で終わった。確かにこれは少し悔しいが、今はレースに集中する必要がある」と述べ、レースに向けたチームの決意を強調した。「明日のグランプリではタイヤデグラデーションが重要な要素になる。これを活かして戦略で複数の選択肢ができるかもしれない。特に、このサーキットではオーバーテイクが簡単ではないからこそ、適切な戦略の選択が重要だ。シャルルとカルロス、そしてチーム全体が全力を尽くす決意で臨んでいる」と語り、レースでの挽回に向けた意気込みを示した。

各チームともに、それぞれの課題と改善を見つけたカタールGPの土曜日。特にレッドブルとメルセデスの間での激しいポール争い、そしてマクラーレンのチーム戦略が光る一日となった。明日のレースでは、各ドライバーがどのように戦略を活かし、結果を残すのかが注目される。フェルスタッペンがペナルティを乗り越えて再びトップに立つのか、ラッセルがポールからのスタートを活かせるのか、そしてフェラーリやマクラーレンがどのようにレースに挑むのか、期待が高まる。ドライバーたちの意欲とチームの戦略がどのように結実するのか、日曜日のレースが待ち遠しい。

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