見出し画像

フェラーリとキャデラック、2026年からのPU提携で技術的な優位性を獲得

ジェネラルモーターズが2026年からF1に参入する新たなアンドレッティ・キャデラックチームに、フェラーリがパワーユニット(PU)を供給することが決定しました。この提携は、フェラーリの技術開発と信頼性向上に寄与するだけでなく、F1全体にも大きな影響を与えるものと期待されています。

アメリカの新チームがF1に参入、フェラーリがPU供給を決定

先月、ジェネラルモーターズが2026年からF1に参入し、アメリカの新チームが誕生することが発表されました。そして今回、フェラーリがこのチームにPUを供給することが正式に決定しました。フェラーリのチーム代表フレデリック・ヴァスールは、この契約がフェラーリに技術的な利点をもたらす可能性を強調しました。また、キャデラックチームの代表グレーム・ロンドンも、この提携に大きな期待を寄せています。

ヴァスール:「技術的協力によりフェラーリに新たな利点を」

ヴァスールは、アンドレッティ・キャデラックチームとの提携について次のようにコメントしています。

「アメリカの新たなチームが、名高い自動車ブランドの支援を受けてF1に参入するのは素晴らしいことです。このタイミングは、F1がアメリカで人気を増している今だからこそ意義深いものです。このチームに私たちのパワーユニットとギアボックスを供給し、技術的に協力できることを非常に嬉しく思います。さらに、これによりフェラーリは2つの顧客チームを持つことになり、技術開発の面でも多くの利点が得られます」

一方、キャデラックチームのグレーム・ロンドンも次のように述べています。

「フェラーリを私たちの供給パートナーとして迎えることができ、非常に興奮しています。この提携は、2つの偉大なブランドを結びつけるものです。フェラーリの情熱、卓越性、そして専門知識に全幅の信頼を寄せています」

新規則下での信頼性向上と技術開発時間の確保

ヴァスールは、新世代PUの開発における信頼性向上とテスト時間の確保についても言及しました。エンジンメーカーは、顧客チーム向けに追加のテスト時間を確保できるため、技術開発で優位性を持つことができます。

PUのベンチテスト時間は公平に分配されていますが、規定により顧客チーム向けのベンチテストが追加で許可されています。この追加時間は、2023年から2025年にかけて割り当てられた開発時間8860時間(ICEに5430時間、ERSに3430時間)に加算されることになります。

また、2026年以降は顧客チームを持つことがより重要になります。というのも、ICEの試験可能時間が710時間から410時間に、ERSが510時間から410時間に減少するため、この追加時間が信頼性向上やトラブル解決のカギとなります。

フェラーリとキャデラックの提携がもたらす未来

この供給契約により、フェラーリはPU開発での技術的な優位性を確保しつつ、F1におけるプレゼンスを強化することが期待されます。一方、キャデラックチームにとっても、フェラーリの高い技術力を得ることで競争力を大きく高めるチャンスとなります。このパートナーシップは、F1全体にとっても重要な進展となるでしょう。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集