フェラーリのサインツ、メキシコGPで見事なポール奪取!:メキシコGP 予選レビュー
メキシコGP予選は、各チームのドライバーたちがそれぞれの強みと課題を露わにした波乱の展開となりました。特にフェラーリのカルロス・サインツは、低グリップの路面で持ち前のスキルを活かし、見事ポールポジションを獲得しました。彼はスムーズオペレーターと呼ばれ、滑りやすい路面に強いとされています。このスキルが今回の予選で大きなアドバンテージとなり、特にQ3での2回のアタックはどちらもポールにふさわしいタイムでした。インタビューでは、「今日の走りはとても楽しかった。特にQ3の最後の2周は全コーナーで限界まで攻めつつもクリーンにまとめられた」と、彼が予選において高い自信と満足感を得ていることが伺えます。
フェラーリのチーム代表フレッド・バスールも「ポールを獲得できるとは予想外の喜びだ」と語り、チームの現在の士気が高いことを強調しています。バスールはさらに、「明日はターン1までの長いストレートがあり、グリッドポジションを守るのは容易ではない」と、スタートでのポジションキープが大きな鍵となると指摘しました。このサーキット特有のスタートからの距離の長さは、ポールポジションのサインツにとっても大きな試練となるでしょう。
一方で、シャルル・ルクレールは満足のいくセットアップが見つからなかったとしつつも、4位からのスタートを活かして巻き返しを図りたいと述べています。彼は「今日はFP3でも予選でも思ったようなフィーリングが得られなかった。今日の僕にとってはP4が精一杯だった」と述べました。
「グリップが低い路面では僕のドライビングスタイルが少し苦戦するけど、昨日のレースペースには自信がある。明日は良いスタートを決めることが必要で、P4からでは簡単じゃないけど、全力を尽くすよ」、とレースペースには自信を見せており、フェラーリにとって大量ポイントの獲得が期待される展開となっています。
レッドブルでは、マックス・フェルスタッペンが金曜日からの不安定なパフォーマンスを経て、Q3で力強い走りを見せました。彼は「今日はメキシコでの良いリカバリーができた。昨日データがなかったから、FP3が週末に向けての基準作りとして本当に大事だったんだ。今日のセッションは難しいと分かっていたし、昨日は重要な走行時間を逃したし、今日はトラックもまだ非常にグリーンな状態でスタートした。出来るだけ良い走りをしようとして、最終的な変更が正しい方向に進んでくれた。変更のおかげで車が扱いやすくなり、もっと攻めることができたんだ」と語り、セッティングの最終調整が功を奏したことに満足感を示しました。
トラックリミット違反によって1回目のタイムが失われるプレッシャーの中、彼がフロントロウを確保できたことは、まさにドライバーとしての技量と冷静な判断力の賜物です。クリスチャン・ホーナーも「カルロスを倒すのは難しいが、マックスがフロントロウを獲得したことは素晴らしい」とフェルスタッペンのパフォーマンスを称賛しています。
対照的に、チームメイトのセルジオ・ペレスはブレーキングに苦戦し、Q1で脱落という地元ファンにとっては残念な結果となりました。ペレスは「予選をこんな形で終えるのは残念だ。もっと速さはあったはずなんだけど、シンガポールやオースティンと同じ問題を抱えて苦しんでいる。低速域でブレーキが効かないし、止まれない。ブレーキを攻めるとすぐにスライドしたりロックしてしまう。これが僕が一番苦戦している原因だ。ファンの前で最高の走りをしたかったのにうまくいかなくて、非常にがっかりしている」と、失意の心境を語りました。ホーナーもペレスの困難な状況を理解しており、「明日は全力を尽くしてくれると信じている」と、彼のリカバリーに期待を寄せています。ペレスがメキシコの観衆に応えるため、決勝でいかに巻き返しを図るかも見どころです。
マクラーレン勢では、ランド・ノリスが3番手スタートを確保し、フェラーリとレッドブルに迫る速さを見せました。ノリスは「3番手に満足している。車の限界を早く掴めたけど、最後の2周ではそれ以上を引き出すのが難しかった。明日何が起こるかは予測がつかない。皆、レースで使うタイヤでのロングランをちゃんと行っていないから、みんなにとって疑問が残っているんだ。タフなレースになるだろうけど、良いポジションにいるし、楽しみにしているよ」と、意欲を見せています。
しかし、ピアストリはQ1でのラップ抹消とタイミングミスに苦しみ、Q2進出を逃す結果に。チーム代表のアンドレア・ステラは「ランドの予選結果は喜ばしいが、オスカーについてはラップ抹消が悔やまれる」とコメントしており、来季に向けての成長が期待されます。ステラも、メキシコGPのスタートからターン1に至るまでの長い直線がドライバーたちにとって厳しい挑戦になると語っており、ノリスがこの位置からどれだけ前進できるかに期待がかかります。
メルセデスでは、ジョージ・ラッセルがクラッシュからの復帰を果たし、5位に入る粘り強さを見せました。ラッセルは「車を今日の状態に戻してくれたガレージの皆に感謝している」と、チームのサポートに感謝しながらも、明日のレースでの巻き返しを誓いました。トト・ウォルフも「P5とP6が今日の公正な結果だ。前の3チームには及ばないが、良いリザルトだ」と冷静に総括し、チームが持つ確実な走行力を評価しています。
今回のメキシコGP予選の結果から、フェラーリのポールポジションを軸に、レッドブルの挑戦、そしてマクラーレンとメルセデスの追随という構図が浮かび上がりました。ターン1での接触や予想外の展開が起こりやすいメキシコGPでは、サインツがスタート直後のリードを守れるかが最初の勝負の分かれ目になるでしょう。レッドブルやマクラーレンも前列からのポジション争いに絡む展開が予想され、ファンを魅了するレースが期待されます。
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