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レーシングブルズ、角田とローソンが見せた前進の兆し:アメリカGP スプリントと予選レビュー

レーシングブルズは今回のスプリントと予選で、多くの課題と成果を経験しました。チームとしては新しいセットアップと改善を試み、データを集めながら次なるステップに進む努力を続けています。今回は角田裕毅とリアム・ローソンという2人のドライバーが異なる役割とアプローチで挑み、それぞれの走行がチーム全体の戦略にどのように貢献したのかが注目されます。

スプリントレースでは角田裕毅がスタートから力強い走りを見せ、ポジションを上げてポイント圏内を維持する場面もありました。しかし、レース中盤により速いハースのニコ・ヒュルケンベルグに抜かれ、その後もペレスやピアストリと激しいバトルを繰り広げました。角田のコメントにもあったように、このスプリントは「良い練習」となり、アクション満載のレースで得たデータが、翌日のレースに向けて重要な意味を持ちました。最終的にはポイント圏内には届きませんでしたが、その戦いぶりは角田の成長とチームのポテンシャルを示すものでした。

一方でリアム・ローソンは新しいパワーユニットを投入したため、翌日のグランプリで最後尾からのスタートが確定しており、予選には結果を追い求めることが難しい状況でした。

「Q1のペースは非常に良かった。昨日からいくつかの変更を加えて、車のパフォーマンスが向上したんだ。それが嬉しかったし、チームとして良い方向に進んでいると思う」とローソンが述べています。Q1を突破する目標を達成した後、彼は角田をサポートするためにスリップストリームを提供する役割を果たし、チームプレーを重視した走りで貢献しました。結果的に角田のQ3進出には届きませんでしたが、ローソンのサポートは確実に効果を発揮していました。

「今日はチーム全体として良い働きができた。スプリントはタフな展開だったけど、アクションが多くて楽しめた」と角田が述べており、予選では両ドライバーともにチームとして一歩前進したことを示すパフォーマンスを見せました。角田はQ2で11位という結果を出し、Q3進出こそ果たせなかったものの、全体的に満足できる位置を確保しました。ジョディ・エギントンの言葉にもあるように、チームはスプリントで得たデータをもとにセットアップを変更し、車のバランスと新しいフロアの最適化を進めることができました。その結果、予選では進歩の兆しが見られ、チーム全体としてもポジティブな雰囲気が漂っています。

また、ローソンが角田のQ3進出をサポートするために、スリップストリームを提供するという役割に専念したことは、チームの結束と若手ドライバーとしての献身的な姿勢を示すものでした。PUペナルティにより最後尾スタートが確定している中で、彼の役割が重要であったことが分かります。彼はスリップストリームを提供することで角田のラップタイムを向上させようとし、それは評価に値するものでした。

このスプリントと予選の結果から見えてきたのは、レーシングブルズが中団グループの中での激しい争いに挑むために必要な一貫性と改善のプロセスを進めているということです。角田は予選後に「セットアップの変更が功を奏し、良いデータを得られた」と語っており、チームが進化していることを強調しています。また、彼がスプリントでのバトルから学んだことを明日のグランプリにどう生かすかが、チーム全体の戦略にとっても鍵となるでしょう。

ローソンについても、彼のPU交換というハンデを背負いながらも、チームのためにできる限りのことをした姿勢は今後の成長につながるでしょう。「Q1を突破することが目標だったけれど、その後は角田にスリップストリームを提供する役割に切り替えたんだ。2回目のラップはうまくいったけど、惜しくもQ3には届かなかった」と彼は述べており、彼自身も「今回の経験を次のレースにも活かしていきたい」と前向きなコメントをしており、若手ドライバーとしての意欲が伝わってきます。彼の成長がチームの中でどのように活かされていくのか、引き続き注目していきたいところです。

明日のグランプリでは、レーシングブルズがミッドフィールドでのバトルにどれだけ食い込めるかが焦点となります。チームはセットアップの変更によるポジティブな兆しを見せており、スプリントと予選での経験を活かして、良いレースペースを発揮できるかが試される場面です。角田とローソンがどのような走りを見せ、どれだけ順位を上げることができるか、特に中団の接戦の中でのパフォーマンスに注目が集まります。チーム全体としては厳しい状況に立たされていますが、それを克服するための挑戦を続けている姿勢が、ファンにも期待感を抱かせるでしょう。

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