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タイヤの使い方が鍵を握ったブラジルGPスプリント予選
ブラジルGPのスプリント予選では、タイヤが結果を左右する重要な要素として注目された。今回のスプリント予選は、マクラーレンがフロントローを独占する形でスタートし、オスカー・ピアストリが1分08秒899というトップタイムを叩き出した。タイヤの視点からこのスプリント予選を振り返ると、各チームのタイヤの使い方とコンディションの変化がいかに影響を与えたかが見えてくる。
温度変動とタイヤ選択の影響
今週末唯一のフリープラクティスセッションでは、各チームがソフトとミディアムのタイヤを試し、一部のチームはハードタイヤをスクラビングインする場面も見られた。特に注目すべきは、トラック温度の急激な変動だ。フリープラクティス時の気温は31°Cに達していたが、予選時には21°Cまで低下し、トラック温度も最大57°Cから36°Cへと大きく落ち込んだ。この温度変動はタイヤのパフォーマンスに大きな影響を与え、特にソフトタイヤのグリップに影響を及ぼしたと考えられる。
ピレリのチーフエンジニアであるシモーネ・ベラは「路面の再舗装により、昨年よりも摩耗が少ないが、バンプが多く、ドライバーにとっては挑戦的なコンディションだった」と述べている。新しい路面は滑らかでありながらも、バンプが多いことでマシンの安定性に影響を与え、それがタイヤの摩耗やグリップに直接つながった。
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ピレリのコンパウンド選択と戦略
今年のピレリのコンパウンドは、昨年と比較して1段階柔らかくなっている。具体的には、2024年のハードは2023年のミディアム、ミディアムは昨年のソフトに相当する。この変更は、チームがどのタイヤをどのように使うかに影響を与え、特にスプリント予選においてはミディアムタイヤが最適な選択とされた。
ソフトタイヤについては、ピレリが期待していたほどのパフォーマンス向上を示さなかったことが興味深い点である。シモーネ・ベラは「ソフトが期待していたほどのパフォーマンスを発揮しなかった理由については、さらなる分析が必要だ」と述べている。これにより、ソフトタイヤが今後のレースで使用される可能性は低く、主にミディアムとハードの選択が重要になるだろう。
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マクラーレンのフロントロー独占とタイヤの役割
マクラーレンのオスカー・ピアストリとランド・ノリスがフロントローを独占した要因の一つに、タイヤの使い方が挙げられる。ピアストリは0.29秒の差でノリスを抑え、トップタイムを記録したが、その背景にはトラック温度の変化に対応したタイヤマネジメントがあったと考えられる。特に予選中の温度低下により、タイヤのグリップを維持することが求められたが、マクラーレンはその点で他チームよりもうまく対応できたようだ。
また、フェラーリのシャルル・ルクレールやレッドブルのマックス・フェルスタッペンも上位に食い込んだが、タイヤの温度管理が彼らのタイムにどのように影響したかは注目に値する。特にフェルスタッペンは、滑らかな新路面に適応しつつも、バンプの影響を受けやすいマシン特性が足かせとなった可能性がある。
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雨の予報とタイヤ戦略の見通し
今週末のインテルラゴスでは、雨の可能性が高いと予想されている。シモーネ・ベラは「ウェット時のグリップレベルは未知数であり、雨が降れば各チームにとってさらなる挑戦となる」と述べている。もし雨が降れば、タイヤ選択がさらに重要な要素となり、特にウェットタイヤやインターミディエイトタイヤの使い方が勝敗を分けることになるだろう。
各チームが温存しているハードタイヤの使いどころも注目される。昨年と同様にミディアムとハードを使った2ストップ戦略が予想されるが、路面の摩耗が少ないことから、タイヤのライフをどれだけ引き出せるかが重要なポイントとなるだろう。特に、路面が滑らかである一方でバンプが多いという特性が、レース中のタイヤ戦略にどのような影響を与えるかが注目される。
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まとめ
今回のブラジルGPスプリント予選は、タイヤが結果に大きな影響を与える形となった。トラック温度の変動、再舗装された路面の特性、そしてピレリのコンパウンドの柔らかさが各チームの戦略に影響を及ぼし、マクラーレンのフロントロー独占という結果に結びついた。今後のレースでも、タイヤ選択と温度管理が勝敗を分ける重要な要素となることは間違いない。特に雨の可能性がある中で、各チームがどのようにタイヤ戦略を立てるかが、ブラジルGPの行方を決定づけるだろう。