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フェラーリの未来を見据えた改革の道筋:2025、26年に向けて
スクーデリア・フェラーリは、2025年に向けた大規模な再編を進めており、これは同チームの未来を大きく左右する重要な局面となっています。チーム代表のフレデリック・バスールのもと、フェラーリは新たな体制で戦闘力の強化を図っています。これまで10年にわたり課題とされてきた領域にメスを入れ、ライバルに追いつき、追い越すための土台を築きつつあるフェラーリの現状と未来に迫ります。
大規模な技術再編と新たなリーダーの役割
フェラーリは2023年からチームを再編し、チームディレクターにジェローム・ダンブロシオ、シャーシ部門の技術ディレクターにはメルセデスでの豊富な経験を持つレックスラを迎え入れました。一連の組織改革の中で、最も注目されるのはこのレックスラの加入です。レックスラはメルセデスでパフォーマンスディレクターとしてのキャリアを積んだエキスパートであり、特にタイヤの性能理解やサスペンションダイナミクスに強みがあります。彼の加入によって、フェラーリは10年来の課題だったタイヤ理解の改善が期待されています。現在はサスペンションの改革に注力しており、ライバルチームであるマクラーレンやレッドブルに採用されているプルロッドサスペンションの導入を計画しています。この新しいサスペンション設計により、エアロダイナミクスの効率向上と空力負荷の適正化が期待されています。
また、レックスラは2025年モデルの開発に、最新の風洞設備を活用しています。夏に更新された風洞は、フロントエンドのシミュレーション精度を向上させ、フェラーリが長年の課題であるフロントダウンフォースの不足に対応するための強力なツールとなっています。フェラーリは2025年モデルで、これまでの蓄積を活かしつつ、エアロダイナミクスの面で大きな刷新を図ることで、次世代の競争力を確保する方針です。
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2025年:ハミルトン加入による新たな希望
2025年にはルイス・ハミルトンがフェラーリに加入することが決まっており、新たなマシンには2024年モデルから一部の部品が引き継がれるものの、フロントサスペンション、ギアボックス、シャーシ全体が大幅に改良される予定です。コックピット位置の調整や、プルロッドサスペンションの導入も計画されており、これによりハミルトンの競争力を最大限に引き出すことが狙いとされています。
さらに、レックスラはグランプリ週末にも積極的に参加し、現場でのフィードバックを元にチームとリアルタイムでマシン調整を行う体制が構築されています。このアプローチはフェラーリに欠けていた要素であり、レッドブルのエイドリアン・ニューウェイが行ってきたように、技術ディレクターが現場での実績を確認し、素早い対応を行うことにより、フェラーリの戦略と調整力を強化しています。
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2026年のエンジン革命と新たなフェラーリの姿
フェラーリは2026年に向けたエンジン開発にも余念がなく、エンジン設計を担うのはウルフ・ジマーマンです。彼は過去にメルセデスやフェラーリのエンジンを設計し、革新的な燃焼効率を誇るエンジンを手がけた経験を持っています。
2026年から導入される新しいエンジン規定は、エネルギー回生システムや燃焼効率の向上が求められるため、ジマーマンの経験と知識が大きな武器となるでしょう。特にエンジン部門の安定性と新たなアイデアの融合が、フェラーリのパフォーマンス向上に大きく寄与すると予想されています。
またバスールは組織改革に関し、重要な決定をするリーダーが常に必要であると認識していますが、マラネロのような大きな組織では慎重な対応が必要であることも理解しています。
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将来に向けた技術体制の強化
フェラーリは、従来の体制を大きく変革し、マクラーレンのようなモデルを採用し3名のキーパーソンが指揮を執る、少数精鋭の管理モデルを採用しています。レックスラがシャーシ、ディエゴ・トンドがエアロダイナミクス、エンリコ・グアルティエリがエンジンと、各分野のスペシャリストが3名体制で技術開発を指揮します。この体制により、フェラーリは開発のスピードを上げ、効率的な意思決定を行えるようになりました。また、新たな才能の育成にも注力しており、技術アカデミー出身の若手デザイナーや経験豊富なメンバーが新たに加わり、今後の長期的なチーム力強化に向けた準備が整っています。
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フェラーリ復活への期待と課題
スクーデリア・フェラーリは、2025年と2026年を見据えて、新しい技術体制と強力なエンジン開発を軸に、再び表彰台の頂点を狙うための基盤を築いています。しかし、この挑戦は決して容易なものではありません。ライバルであるメルセデスやレッドブルも着実に進化を続けており、熾烈な競争が待ち受けています。
フェラーリにとって重要なのは、チームの一体感を保ちながら、技術改革をどこまで進められるか、そしてレックスラを中心とする新たな指導体制が、これまでの課題を克服する力となるかです。
フォルツァ・フェラーリのスローガンのもと、フェラーリが再びF1の頂点に返り咲く日は近いのか。ファンの期待が高まる中、2025年はフェラーリにとって重要な節目の年となるでしょう。