![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/174439839/rectangle_large_type_2_ca4a46de45b7fc3cd7ec3fb5e3e8f775.jpeg?width=1200)
レッドブル、2026年のエンジン開発で苦戦か
2026年のF1新レギュレーション導入に向けて、各チームが開発を進める中、レッドブル・パワートレインズ(RBPT)がパワーユニット(PU)開発で苦戦していると報道されている。ホンダのパワーユニットで築いた成功から一転、自社製エンジンで挑む新時代に不安が募る。その背景と課題を探る。
レッドブルの新たな挑戦と試練
レッドブルが初めて自社製パワーユニットを製造する2026年。これまでホンダのパワーユニットでタイトルを獲得してきたが、パートナーシップの解消を受け、独自開発に踏み切った。しかし、これには大きなリスクが伴う。F1において、パワーユニット開発には長年のノウハウと膨大な投資が必要であり、新規参入組が短期間で競争力を確保するのは極めて困難だ。
2026年のPUレギュレーションでは、モーターの比重が高まり、持続可能な燃料の導入も決まっている。電動化の比率が増すことで、従来の内燃機関の性能だけでなく、エネルギー回生システムの最適化がカギを握る。しかし、レッドブルにはこの分野の実績がなく、フォードとの提携で乗り切ろうとしているが、フォードにもF1でのパワーユニット開発の経験がなく、開発の遅れが懸念されている。
![](https://assets.st-note.com/img/1739435733-y2e0glhIUjAFs7qOJrHY9upL.jpg?width=1200)
技術と人材の壁
エンジン開発には高度な技術力と優秀な人材が不可欠だが、レッドブルはこれらを短期間で揃えなければならない。レッドブル・パワートレインズはフォードとの提携を結んでいるものの、フォードのF1参戦は久々であり、即座にトップレベルのPUを生み出すのは難しい。
一方、他のエンジンサプライヤーはすでにPU開発の経験を積んでいる。メルセデスやフェラーリ、ホンダ(アストンマーティンとの提携)は既存の技術を応用しつつ、次世代のPU開発を進めている。これに対し、ゼロからスタートするレッドブルには大きなハンデがある。
さらに、開発陣の流出も問題だ。技術部門の重鎮だったロブ・マーシャルがマクラーレンに、空力の天才エイドリアン・ニューウェイもアストンマーチンへ移籍した。これらの動向は、エンジン開発だけでなく、シャシーとの統合においても大きな影響を及ぼしかねない。
![](https://assets.st-note.com/img/1739435812-61ei9LpKXTjI7a48OyvnEhUQ.jpg?width=1200)
2026年にエンジン格差が広がる可能性
新レギュレーション導入時には、PU間の性能差が顕著に表れることが多い。2014年のハイブリッド時代初期には、メルセデスのPUが圧倒的な優位を誇った。その歴史が繰り返されるならば、レッドブルはライバル勢に対し、大きなハンデを抱えることになる。
過去数シーズンにわたり、フェラーリ、メルセデス、ホンダのパワーユニットにはほぼ差がなかった。パワー、電気効率、信頼性の面で、これらのメーカーは同等のレベルを維持している。現在F1で最も劣るエンジンとされるルノーですら、ラップタイムで見れば0.3秒の遅れにとどまっている。
0.3秒の差は決して小さくないが、2026年に発生する可能性のあるエンジン格差に比べれば些細なものだ。2014年のハイブリッド時代初期に、メルセデスのエンジンがルノー製エンジンを搭載したレッドブルを圧倒したように、新レギュレーションの導入により、パワーユニット間に大きな性能差が生まれる可能性がある。
これまでのコンセンサスとして、レッドブルの新エンジン部門(レッドブル パワートレインズ)とアウディは、すでに確立されたメーカー勢に遅れを取ると見られてきた。さらに、最近の報道によれば、新しいレッドブルのエンジンには性能面や信頼性に関する懸念が生じていることが指摘されている。
現時点で結論を出すのは時期尚早だが、レッドブルが後れを取っているとしても驚きではないだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1739435796-n6Keu9RX7QiZS0FNzrvEkgYC.jpg?width=1200)
フェルスタッペンの未来とチームの行方
エンジン開発の不安は、チームの未来にも影を落とす。現在、レッドブルのエースであるマックス・フェルスタッペンは2028年まで契約を結んでいるが、競争力の低下が見られれば、他チームへの移籍を模索する可能性もある。
すでに「フェルスタッペンは2026年末にメルセデスやフェラーリへの移籍を考えているのではないか」という憶測が飛び交っている。F1ドライバーにとって最も重要なのは、勝てるマシンに乗ること。もしレッドブルのPUが期待外れならば、フェルスタッペンの決断次第でチームの将来が大きく揺らぐことになる。
レッドブルは試練を乗り越えられるか
レッドブルは過去に何度も逆境を乗り越えてきたチームだ。しかし、今回の試練はこれまで以上に厳しい。ホンダとの決別、初めての自社製PU開発、そしてライバル勢の台頭。これらの要素が絡み合い、2026年に向けた道のりは決して平坦ではない。
レッドブル・パワートレインズが成功を収めるには、開発スピードを加速させると同時に、経験豊富な人材の確保が不可欠だ。もし開発が遅れ、2026年シーズン序盤で苦戦するようならば、チームの競争力は大きく損なわれるだろう。
果たして、レッドブルはこの試練を乗り越え、新時代のF1でも王者として君臨できるのか。今後の開発動向が、チームの未来を大きく左右することになる。