未来に咲く花〜6話〜
父親が帰ってきたようなので俺は挨拶しに行った。
「いろいろ事情があり、今日からお世話になります。山田寛太です。よろしくお願いします。」
そう挨拶すると母親が父親に事情を説明してくれた。
そうすると父親が俺にこう言った。
「まあいろいろ複雑そうだけど、見捨てるわけには行かないからしばらくうちでゆっくりしてるといいよ。」
「ありがとうございます。」
俺は心から感謝した。
「あなた、今日は寛太くんがきた初日だからすき焼きにしたわよ!」
「それは楽しみだ、早速頂こうかな」
そして四人で席につき夕飯を食べはじめた。
夕飯を食べていると父親が俺に問いただしてきた。
「寛太くんは名前と年齢以外何も覚えてないの?」
「はい、どうしてこの街にいるのかもここがどこかも正直わかりません。」
「そうか、ここは山形県の花村とゆうところだよ。」
「そうですか。すみません。やはり分かりません。」
俺は驚愕した。ここは俺が元いた世界で住んでいた街だった。俺が住んでいた頃は街にあったようなでっかいモニターもなかったし。あんな栄えてはいなかった。それに約50年でそこまで栄えるのかも少し疑問を覚えた。
そして父親がミカに問いかける。
「ミカ、学校の勉強はどうだ?」
「あ、今日やらなきゃいけない課題があったのすっかり忘れてた!夕飯食べ終わったらやらなきゃ!」
そう言い、みんな飯を食い終わり、ミカは自分の部屋へ行った。
俺は正直あのゲームを進めて手掛かりを得たかったがこの家に置いてもらっている身なのでミカを振り回すわけにも行かないと思い、その日はゲームを諦めた。
そしてソファーでぼーっとしていると母親が俺の部屋を準備していてくれたらしく、そこへ案内された。
「ここが寛太くんの部屋ね、ベッドは押入れの中にあるから自分で設置して使ってね。」
「分かりました!」
だが押し入れを開けてもベッドらしきものは見当たらなかった。俺はわからないのでミカの部屋をノックした。
「ミカ、押し入れの中にベッドあるらしいんだけどどれかわからないから来てもらってもいい?」
そしてミカが部屋に来てくれて、押し入れから取り出してくれた。
押入れから出てきたのは萎んだビニールプールのような物とよく分からない機械だった。
そして、ミカは萎んだ物に空いている穴に機械を差し込みボタンを押した。
そしたら一瞬にして膨らみベッドができた。
まさに未来に来てる感じで少し興奮した。
「ありがとう。」
「どういたしまして、じゃあ私部屋に戻るわね」
そして俺の頭の中で一つのアイデアがふとよぎった。
「ミカ、少し歴史の教科書を貸してくれないか?」
「教科書?そんな物持ってないわ。寛太は歴史が知りたいの?」
「うん」
「じゃあ明日学校から歴史の本を持ってくるね」
「ありがとう、おやすみなさい。」
「うん、おやすみ」
そして俺はその日は色々考えながら気づいたら就寝していた。
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