海水は温泉?
今回は江戸時代に行われていた「潮湯治」について解説させていただきます。
海水を温泉に見立てると泉質名は「ナトリウム-塩化物泉」となります。
含有成分は温泉以上ですが温泉にはなりません。理由は、温泉法で
「地中から湧出する〜」に当てはまらないからです。
一般的には火山性温泉が好まれる傾向があるようですが、昔はそうでも無かったようです。
業界的に、非火山性の海沿いの温泉だけに限らず、
お湯の塩分が多くなることで「温泉としての価値観が下がる」風潮があるようです。
日本秘湯を守る会の会員宿はほとんど火山性温泉ということもあり、私も自然とそのような認識を持っており、海沿いの温泉を「ただ塩っぱいだけの温泉」と認識しておりました。
しかし江戸時代は「潮湯治」と言って海水を温めて入浴していたようです。
成分としては通常の温泉となる基準の30倍の濃度があり、塩素イオンが多く含まれることでカルシウムイオンやナトリウムイオンも多くなります。
しかしベタベタするのはマグネシウムイオンが多いためとなります。
それをも知ってのことか「潮湯治」とは中々粋なものですね。
しかし塩素イオンの含有量が多いお湯の温まり感は、硫酸イオンや炭酸水素イオンが多いお湯の温まり感と比べると、やはりどこか品を感じられないものです。
業界的にはそこを価値が下がると捉えているフシはあるようですね。
湯守人 Kentが海沿いの温泉の特徴について解説させていただきました。
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