スマホを捨てたい子どもたち
山極 寿一(著/文)
発行:ポプラ社
新書判 194ページ
京都大学の元総長で
ゴリラの研究をずっと続けてきた
人類学者の山極壽一さん。
この本は、ゴリラの社会や人間の脳の構造、成長過程についても触れながら
今の社会的な問題に切り込んでいきます。
読みやすくてわかりやすくて
「今」だからこそ必要なきっかけを投げかけてくれる。
スマホ、SNSの発達で
たくさんの自由と可能性を手にした私たちだけど。
ネット空間に「点」として存在するようになったからこそ
どことなく世界は漠然とした不安も感じるようになった。
その感覚は、どこから、何に対する感情の動きとしてくるんだろう?
そんなことを考えていた中で
少し考えをすすめるきっかけになりました。
人間として人間を見て
世界や未来に行き詰ったら
「生物」としての視点からみてみよう。
という発想の転換が、さすがの一言!
そうだ、そうだった。
私たちは地球で生きる、生物としての「人間」だった。
テクノロジーと科学の進歩の中で頭が活躍しすぎて
そもそも、本来のその側面を忘れちゃあいないか?
本来持っていた肌感覚や直観力
それから自然や世界との共存力
本来備わっていて眠らせている
そんな、まさにSENSEOFWONDERな感覚の中から
今一度世界をみてみよう。
ヒトのゆく先、未来について
すこし視点を変えて
思いをつなげてくれる一冊です。