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センセーセッション【田中じ先生】

樟蔭中学校・高等学校の川浪です。
先生方がどんな授業をして、どんなことを思っているのか?
先生方の教育観なども含めて知っていくことから始めたいと思います。

今回は国語の田中じ先生の授業を見学させていただきました。
簡単に自己紹介をお願いします

国語科の田中です。
今年度は中学2年生の国語と高校2年生の古典探究を担当しています。

今回、見学させていただいたのは王道の「走れメロス」でした。
色鉛筆での色塗りから始まりましたが、どんなことを学んでほしい単元ですか?

今回の教材は小説ですので、小説の読み方を学んでほしいと思っています。
小説で一番大切なのは、登場人物の心情とその変化です。その中で、今回さらに注目してやっていきたいのは、情景描写と登場人物の心情とのつながりです。

今回の色塗り実習ですが、良くやるパターンですか?

いいえ。初めてやりました。毎回、「この単元ではどんな導入が良いかなあ」とうんうん唸りながら考えています。今の子どもたちは視覚優勢だと聞きます。できるだけ記憶に残してほしいので、実際に手を動かし、自分で絵を描き色を付けることでより楽しみながら理解を深めてくれるのではと思い、このようなやり方でやってみました。
授業では、この導入で学んだことを生かしながら作品の読解を深め、生徒たちが「なるほど、あのときのはこういうことだったのか」となってくれることを目指して頑張ります。

生徒はとても楽しそうにやっていましたね。
色鉛筆実習を見ていて、iPadを使って各自に色々な画像を配って色塗りしてすぐに回収して、一言コメントさせる。というような授業デザインもスピーディで面白いかな~と思いました。
Google Classroomで回収して、すぐにフィードバックしていましたが、このような作業はもう慣れましたか?

なんでも楽しそうにやってくれるので、こちらも嬉しいです。
軽くイメージを描かせたりするときは、iPadを活用するのも良いかもしれません。ただ、これまで、iPadを忘れてきたり、持っていても充電がなくなりそうだったりする生徒がいて、全員の分を回収しきれないことがあり、ついついアナログに頼ってしまうことが多いです。
あと、これは私が国語の教員(書道が好きだからかもしれません)だから思うのかもしれませんが、最近、生徒の筆圧が薄くなってきて、きれいな字を書ける生徒が減ってきている気がします。そういったことも踏まえてアナログを使うことが多いです。
作業については、ぼちぼち…というところで、これからもっと学んでいかなければな、と思っているところです。学校によって、ICTの取り入れられ方もずいぶん違うので慣れていきたいです。

彩りに着目して、物語をという言葉を聞いて、ふと外に目をやると樟蔭と秋晴れの空がとても良い彩りだったので、カシャ!っと1枚撮りました。
良い季節ですね~。どの季節がお好きですか?理由もお願いします。

夏が一番好きです。解放感があって最高です!
いろいろなものが光を浴びて、色鮮やかに目にうつるとウキウキしてきます。夏に家族や友人と暑い暑いといいながら、夏にしかできないイベントや遊びをするのが好きです。

「走れメロス」はその昔に読みましたが、全く冒頭の流れを思い出せませんでした。文章の良さは活字を通して得た情報を自分の頭の中でオリジナルな像を作り出せることが面白い部分だと思います。この良さを動画世代の生徒たちに教えるのはなかなか難しいと思いますが、何か意識していることはありますか?

生徒の語彙を増やすために、新しい単元に入るときは語句調べの時間を取るようにしています。また、大事なシーンでは発問を増やしたり、文字に書いてある表情や仕草を実際に生徒たちにやってもらったりしています。頭の中でイメージしていることを絵で描きおこしてもらうこともあります。絵で描くためには、内容をはっきりイメージしていなくてはなりません。そのため生徒たちは、必要な情報を探すために何度も本文を読んで理解しようとします。また絵を描いてもらうことで、間違って理解しているところもはっきりしてくるので、指導がしやすいというメリットもあります。

そういえば太宰治さんの名前を書ける人!!というとみんな手を挙げてハイハイ!と言っていましたが、みなさんは黒板に書くのが好きなんでしょうか?

黒板に書くのが好き、というよりも指名されたい! できるところを見てほしい! ほめてほしい!というのが大きいのではないかと思います。質問するといつも元気よく手を挙げてくれます。今回は、いつもより控えめでした。笑

今回のようなスライド資料は完全オリジナルですか?
教材を共有できる先生・友人はおられますか?

オリジナルです。自分でああしようこうしようと考えるのが好きなので、自分1人で教材を作ることが多いです。しかし、自分1人だとマンネリ化してしまうので、そういうときは、以前に勤めていた同僚や教員をしている友人にアドバイスをもらったり、教材を共有させてもらったりしています。また、同じ国語の先生からアドバイスをもらうことが多いですが、アクティブな学習をしたいときや新しい視点がほしいときには、他教科の先生からアドバイスをもらって取り入れることもあります。

色塗り、本読み、生徒もとても集中していたように思います。
1つ作業をさせる時に私が心がけていることは、切り替えポイントをハッキリさせて、よりアクティブにさせたいな~という思いでタイマー表示です。このサイトのタイマーを使っています。

きちんと表示しておくことで、切り替えのタイミングに冷たさが出ないと言うか、次に行きたい人とまだ待って欲しい人の調整をアプリにお願いしているようなイメージです。ぜひ、試してみてください。

国語の授業ではよく生成AIを利用している先生も多いと思います。
そのような授業も上手く組み込めたら良いですね。先生がAIに文章を読ませて出てくる解釈に対して、生徒がどうだ!こうだ!と言い合うような授業デザインなどは比較的盛り上がりそうです。

これからの下半期、何かやってみたいことや楽しみたいことはありますか?
特に授業や仕事に関係なくてOKです。

仕事や授業でやりたいことは、研修を受けることだったり教科横断型授業だったり、いろいろあるんですが、目下の目標としては、生徒を私のペースに巻き込むことです。今年から着任したということもあって、まだ私のペースに巻き込みきれていません。早く私の虜にしたいですね。
プライベートでは、旅行やハイキング、美術館めぐりにたくさん行きたいです。

今回は授業見学させていただき、ありがとうございました。これに懲りず、また機会があれば呼んでください。


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