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センセーセッション【鈴木先生】

樟蔭中学校・高等学校の川浪です。
先生方がどんな授業をして、どんなことを思っているのか?
先生方の教育観なども含めて知っていくことから始めたいと思います。

今回、見学させていただいた授業を簡単に説明してください。
学年、コース、授業名などなどお願いします。

総合的な探究の授業です。
本校では、昨年度から総合進学コースの2年生・3年生対象の「My Time」として始まった授業です。各生徒が「自分の興味のあることを探究する」という時間です。今回、取り上げて戴いた生徒はビジネスやマーケティングに興味がある生徒達です。

それぞれのグループがいくつかの部屋に分かれて作業していましたが、それぞれそれなりに集中して、取り組んでいました。声かけなど、ご苦労されている点はありませんか?

高2生は、「こーばへ行こう!」に参加します。
一般企業と連携するので、生徒達が楽観的に準備をしていると、「そのクオリティではお叱りを受けるのでは…」と冷や汗をかく場面が多々あります。
ただ、先方はゆる準備でも受け入れて下さるので、今のところ大事にはなっていません。大人の余裕ですね。
高3生はFC大阪とタッグを組んでいるのですが、なかなかお互いのスケジュールが合わず苦い思いをしています。現高3生は昨年、こーばへ行こう!に参加しており、そのころに比べると少し活動頻度は落ちています。

このグループはOGKさんとの企業コラボを進めているということでしたが、どのようなことをしていますか?

こーばへ行こう!の出し物を一緒に考えています。結果として、クイズラリーをすることになりました。写真は、クイズの紙芝居を作成しているところです。大人から子どもまで楽しんでもらえるクイズになっています。
クイズの内容は、生徒と先方で打ち合わせをして決めました。OGK製品を知ってもらうだけでなく、交通法規に関するクイズも含んでおり、OGKのリーディングカンパニーとしての懐の深さを感じています。

ここはどこかの企業とコラボで着物の端材でお花を作っていると言っていましたが、どんな企画でしたでしょうか?

この生徒たちは布施にある松よし人形さんとタッグを組んでいます。
人形作りのワークショップや写真撮影スポットなど、こちらも大人から子どもまで楽しんでもらえる出し物になっています。
この写真は、施設内をデコレーションをするための飾り付けを作成している様子です。テーマは古き良き日本の和を体現する、です。


なかにはデータ分析に取り組んでいる人もいました。
アンケートを取って、その結果とにらめっこしているようでした。少し、わたしからアドバイスすると、なるほど~と素直に喜んでくれていました。
これはFC大阪とのコラボでしたっけ?

FC大阪の観戦者対象のアンケートを分析しています。どういう人が観戦しているのか、地元愛とチーム愛に関連はあるのか、などを調べています。
しかし、エクセルの操作になれず、苦戦しています。
11/9(土)の試合でもアンケートをとる予定です。前回は有効回答数が少なかったので、今回はもう少し取れるように工夫しています。
不動産屋顔負けのサンドイッチマンになった生徒が見れるかもしれません。

アンケート作成の段階で何かアドバイスできることがあるかもしれませんので、良かったら生徒にラボに行っておいで~とお声かけください。

このポスターを作っている子も確かFC大阪だったかな?

こちらの生徒はピッチ横の広告の枠を1ついただおり、そこに置くポスターを作成しています。「FC大阪と樟蔭が連携しているのが分かるポスター」というお題です。ただ、何度もボツを食らっており、大人の世界の厳しさを味わっています。何となく正解が見え始めているので、もう少しで採用されそうです。また彼女達は、ポスター作成に加えて、11/9(土)に射的やコマ遊びなどのブースをスタジアム外に出店します。

ポスターデザインは企業のブランディングに繋がるところなので、なかなか厳しいでしょうね~。こちらも何らかアドバイスできることがあるかもしれませんので、ラボへGOでお願いします。

企業コラボ以外の生徒はどのようなことに取り組んでいますか?
いくつか例を挙げていただけないでしょうか?

情報教室にいた他の生徒は何かしら好きなことを調べています。学期末に各生徒による発表があるので、それに向けて準備をしています。昨年であれば、「本人に代わってAI音声が発表する動画」や「朝夕の時間の捉え方の違い」など、興味深い内容を発表している生徒もいました。中には、習い事や趣味を深堀りした生徒もいました。

実際に学校生活を通して、問題点を見つけてその解決に向けて調べている生徒もいました。思った以上にしっかりやっているという印象です。
探究的な学びには、問題発見と問題解決の間に「深掘り」するという行為があるというのが、私のイメージです。どんなことでも「深掘り」して良いんだよ~ということを型にハマった生徒に伝えるのはとても難しいと思います。探究的な活動に入る前段階の取り組みなどあれば教えてください。

事前に、自分が何に興味・関心があるのかを知っている必要があると思います。現高2・高3は「なんとなく大人に引っ張られる」形で活動していますが、理想は各自が個々に活動することです。そのためには「自分が何に興味・関心があるのか(=やりたいこと)」を知る必要があります。
現高1では、そのための活動をしていましす。3学期には、それをより深堀していきたいです。とはいえ、現高2・現高3も思った以上にバリバリ活動してくれています。それぞれが私が思った以上に内に秘めたエネルギーをもっていました。生徒、教員ともに後継に繋げていきたいです。

教科縦割りの時代が、少しずつ総合的な探究により学びを繋いでいく時代に入っていけると思います。鈴木先生は比較的、探究的な活動を自信でも好きそうに感じますが、何か根本になっているものはありますか?
例えば、ゲーム「ウイニングイレブン」で探究的な活動に目覚めた!みたいなエピソードがあれば是非ともお願いします。

今年度の探究の基礎となっている根本の体験は2つあります。

1つ目は自身の大学時代の学びの在り方です。自分で取り組みたいことを研究室の先生に直談判し、なぜ必要なのかをプレゼンしてました。交渉がしつこく、怒られたこともありました。しかし、非常に有意義な時間だったと思っています。そうした学びや経験は僕の中に深く残っています。同様に、生徒達の中からも「これをやりたい!やらせてくれ!」という子が出てきてほしいです。

2つ目は昨年の近大附属高校との協働活動です。特に近大附属の先生方と生徒の在り方は大変参考になりました。もともと男子校だったということもあり、男の子のパワーがすごい学校でした。そのパワーを暴走させることなく、やりくりする先生の様子と、それに応える生徒の姿が印象的でした。私の中の1つのモデルケースになっています。近大附属の在り方が絶対解とは思いませんが、樟蔭なりのやり方を見つけたいと思っています。1つのゴールが見えた取り組みでした。

各学校の彩りがこの探究の授業に現れてくると思います。これからも学びを繋ぐ探究の時間を楽しめる先生を増やしていきたいと思います。


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