【ZINE】冷たい指先微熱の夢の森を描く
こんにちは千星一話です。
この一週間は寒い日が続いていましたね。年々寒さに弱くなっています。でも去年ヤクソックスというのを買ってから冷たい布団の中に、ホコホコと潜り込み翌朝もホコホコと起きられています。もう手放せない。すごいなヤク。あと二、三足ほしい…。
さて今回はラフ編です。前回の時点では、絵のイメージがメインシーンしか浮かんでいなかったので作った物語を読みながら浮かんだシーンを書くところから始めました。
肝心の内容はまた改めてサンプルを上げたいなと思っていますが、この物語のキャラクターはふたり、お話の鍵は“光”です。不気味な暗闇の森の中で、キャラクターのふたりが出会ってから徐々に暖かい空気に包まれていく様にしたいなと描いています。
前回の時点では、絵がメインシーンしか浮かんでいなかったので、物語を読みながら浮かんだイメージをなぞる様に、ラフをノートに書いていきました。イメージしていた流れと矛盾してるシーンがあるなとか、ここにこんなシーンを追加したいななど、見えていなかったところとページ数を意識できました。
なんていい感じにまとめてますが優柔不断さがここで発揮し始めます。
というのも、このお話は終盤までキャラクターの顔を出さずに描いているので、今回は表情に頼らず、どんな仕草や背景だったら感情を出せるかネットの画像・絵本・漫画等々漁っているうちにお話の核から何度もずれそうになりました。
今回に限らず、準備の段階から完璧を目指して考え込こんで、〆切に間に合わない!なんてことが多々あるので、悩んだらとにかく書いて形にしてみる。と頭の中で繰り返し、思い込むだけじゃ足りなかったのでこれラフだから!やり直しできるから!!と赤文字で書いて目の前に立てかけて置きました。(こうして文にしてみると、自分でも いや大丈夫?って思うんですけど、これが意外と効きました。)
次に、ノートに書いたラフ1を元に、新しくA4のコピー紙に描いたラフ2の上に、印刷した物語を区切りがいいと思ったところでカットした短文を貼り付けていきました。
これは前回ご紹介した井上奈奈さんの著作【星に絵本を紡ぐ】で紹介されていたやり方を参考にしました。
テキストの位置を含めて全体を作っていくこのやり方は流れだけでなく、ページ毎のイラストのサイズ感も鮮明になっていき、ラフ1でも曖昧にしていた箇所が、ジグソーパズルで、はまるピースを選んでいる時の様な、入れたいシーンを選択できる状況に変わり、ちょっとした変化ですが、自分に合ったやり方を見つけて進めていけた気がします。参考にしている【星に絵本に紡ぐ】にこんな文章があるのですが、
欠けた絵 とは今まで思いもしなかったワードです。
ニュアンスは違うのかもしれませんが、次はどんな展開が来るんだろうと夢中で本を捲っていたあの感覚のひとつは、まさにこの欠けた絵の力なんじゃないかなと、そう意識して絵本を読むと一枚の完成された絵とは違う、絵と文が合わさって生まれる独特な期待感が秘められているなと感じました。例えばそれはテキストの位置だったり行間であったり、セリフやキャラクターや読者からの視点であったり。しかけ絵本のギミックもそういう役割をになっていると思います。
ここは私も大切だなと意識して描いていったつもりですが、初の試みでどこまで表現できたのか正直分かりません…。とかなんとかいっても結局、自分が欲しいものが完成させられれば満足なので悩むこの時間も楽しくてしょうがないです。
ある程度テキストの場所とラフが決まったので次回は下絵・ペン入れに進みます。