『FX戦士くるみちゃん 7巻』で奈落の底に念入りに叩き落とされる
めっっっ……(サマーソルト打てそうなくらいの長いタメ)……ちゃ怖くて、「そういえばこれはFX漫画の皮をかぶったホラー漫画だった」(違います)と理解(わか)らされた6巻だったが、うってかわってほのぼの女子会から始まった7巻。
かわいい女の子たちがキャッキャしながら焼き肉食べてる。
なんかキラキラした効果が背景に散ってる。
でもさすがにもうだまされないぞ。
ゆるふわキラモテ風のガワをしているが、中身はドログチャなのがこの漫画なのだ。
今まで何回だまされてきたことか。
現に、女子会焼き肉パーチーは一見和気藹々と開催されてるけれど、FXで有り金全部溶かすどころか借金背負っていかがわしい店で働くことになった女と、その借金の元凶の女が同席してるやんけ。
なんだこの図。地獄か?
バチバチに睨み合ってるならまだマシで、お互いに何もなかったようにニコニコしながら「お肉食べる~」とか振る舞ってるのが、余計に地獄みがある。
しかも芽吹が自分のしている仕事について「医療類似行為としてのマッサージではない」って自白したもんだから、詳しい事情を知らない他の面々もさすがに「医療類似行為ではないマッサージって……医療類似行為ではないマッサージってコト!?」つってちいかわになって察するだろ。
でもそこは、察しても指摘するわけにもいかなくて、何も聞かなかったことにして肉焼くしかないだろ。
肉と一緒に空気も炎上するだろ。
やっぱ地獄じゃん。
焼き肉のあとは女子のお泊まり会。
こちらも一見ほのぼのしていて、一昔前の、ひらがな四文字の女子しか出てこない日常系アニメを見ているよう。
まー金の話してるんだけど。
そんなほのぼの展開がけっこう長く続くから、今巻はそういう巻なのかな? とか思っていたら、そんなわけなかった。
くるみちゃんがそんな甘い漫画なわけがない。
2015年1月15日になった。
おっ?
ぐ?
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!
おおー。
ははっ、すげ~。
はえ~……。
……。
……。
……。
……え?
は?
は?
( ゚д゚)ポカーン
……ってなった。
一瞬、何をされたのかわからなかったポルナレフ状態になった。
これはすごい。
このシーンは、あとがきに書かれていたが、最初はもっと控えめにする予定だったらしい。
それが作画の人と編集の人の意見もあって、いまの状態になったらしいのだが、断然こちらのほうがいいね。
まさかこんなに念入りに奈落に叩き落とされるとは思ってなかった。
久しぶりに漫画でド肝抜かれたわ。
ちなみに私はFXのことはまったく知らなくて、この1965年の出来事も知らなかったのだが、あまりにも現実離れした値動きをしたため、FX界隈ではいまも語り草になっているそうだ。
史実として起こったからこそ漫画に取り入れられたが、リアリティがなさすぎるため、普通ならストーリーにはできないレベルらしい。
現在、大谷翔平が50本塁打50盗塁を達成して、その怒濤の展開に現実感がなさすぎてバカが考えた野球漫画の展開などと言われているが、それと同じだな。
バカが考えたとしか思えない値動きが、現実に起こり得るってのが怖ぇ~。
でももっと怖いのは、くるみのポジション金額が約4億3200万ってところだったな。
なんでそんなポジション取れるのよ……レバレッジこそバカが考えた制度なんじゃね?
さて……そんなこんなで奈落に落ちてしまったくるみちゃんだが、なんかさらなる一波乱が起こりそうな不穏な締め方で、この巻は終わってしまった。
え? これ以上落ちることってあるの?
という怖いもの見たさでいまは胸がいっぱい。
次の巻も楽しみにしてる。