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56/1,000冊目 林 芙美子 (著) 『浮雲』

相良 奈美香 (著) 『浮雲』


感想

リアル。人を夢中にさせるギミックを使った空想フィクションではなくて、現実にあった感情をフィクションというフレームをつかって換言したように感じた。
触感のある機微。

概要

第二次大戦下、義弟との不倫な関係を逃れ仏印に渡ったゆき子は、農林研究所員富岡と出会う。一見冷酷な富岡は女を引きつける男だった。本国の戦況をよそに豊かな南国で共有した時間は、二人にとって生涯忘れえぬ蜜の味であった。そして終戦。焦土と化した東京の非情な現実に弄ばれ、ボロ布のように疲れ果てた男と女は、ついに雨の屋久島に行き着く。放浪の作家林芙美子の代表作。(新潮社より)

著者:林 芙美子(はやし ふみこ)

不明 - 有吉佐和子著『花のいのち 小説・林芙美子』1958年4月5日。発行所:中央公論社。, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=141563099による

林 芙美子(はやし ふみこ)
1903年(明治36年)12月31日– 1951年(昭和26年)6月28日
死没:47歳没
日本の小説家

幼少期からの不遇の半生を綴った自伝的小説『放浪記』(1928年)で一躍人気作家となる。詩情豊かな文体で、暗い現実をリアルに描写する作風。一貫して庶民の生活を共感をこめて描き、流行作家として明治・大正・昭和を駆け抜けた。作品に『風琴と魚の町』(1931年)、『晩菊』(1948年)、『浮雲』(1951年)などがある。

著書『放浪記1 林芙美子文庫』の後書きでは山口県下関市生まれとなっている。尾道市立高等女学校(現・広島県立尾道東高等学校)卒。私生児として生まれ、養父・実母と共に行商を営みながら日本の各地を放浪する生活の中で、露天商やカフェの女給等の様々な職業を経験している。実際につけていた日記をもとにした『放浪記』がベストセラーとなり、以後も詩集『蒼馬を見たり』や、『風琴と魚の町』『清貧の書』などの自伝的作品で文名を高めた。その後、『牡蠣』などの客観小説に転じ、戦中は大陸や南方に従軍して短編を書き継いだ。戦後、新聞小説で成功を収め、短編『晩菊』や長編『浮雲』『めし』(絶筆)などを旺盛に発表。貧しい現実を描写しながらも、夢や明るさを失わない独特の作風で人気を得た。1951年、心臓麻痺により急逝。


参照

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