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DAYS 「サンノゼの嵐」
嵐のような日々だった。
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それは突風ではなくて徐々に微風が集まって大きなトルネードを起こす、そんな感じで正に、人の力を感じる数日間だった。
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パンデミックの間、サンノゼのあっちゃんとライブをいつにしようとやりとりしてたけど、あっちゃんは決して首を縦に振らなかった。
「感染がまた拡大しているからね。もうちょっと待ちましょう。」
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医療従事者でもある彼女は慎重だった。そんな中、そろそろかなというタイミングがやってきた。コロナ感染者が増えたり減ったりを繰り返しながら完全に[新たなフェーズ]に入ったなと感じる瞬間があったのだ。
「そろそろライブのこと考えたいけど、Senriさんはどういう気持ちかな?」
そんなあっちゃんからのメールから再びの会話が始まった。
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「ぜひやりたい。9月の20日過ぎとかどうだろう? ART BOUTIKI はやれるかな?」
「経営者のDanにあたってみる。頑張りましょう。」
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やがて日にちが決まり、その前後で meet & greet であるトークショーやVIP Dinnerを入れることを確認し合う。あっという間に全貌が決まった。早速ポスターのドラフトを作り微調整に入る。ありがたいことに前回パンデミック前にやった時のことを覚えていてくれたDanは「ぜひやろう。2日間やるかい?」なんて提案をくれたそうだ。
「でも無理はしない。確実に満杯にしましょう。焦らず一歩一歩。」
「それはそうだね。」
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一番最初のベイエリアのコンサートは、オファーをBay Spoというコミュニティ紙のAkira氏にもらって、サラトガの「ピンクハウス」というジャズクラブで開催したところに始まる。あっちゃんはその時の立ち上げメンバーだった。そのあと彼女と僕が直接やりとりをして、次の年また次の年と開催が決定した。ピンクハウスからサンノゼのStritch、そしてパンデミックの入る直前のART BOUTIKIへライブは続いた。4年続いたベイエリアでのライブがパンデミックで途切れ、4年が流れ、やっと膨らんだ想いで再開が決まった。
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