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NEW DAYS ★ プチDAYS★ブルックリン物語

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ブルックリン在住の大江千里が日々の暮らしを綴る6000字前後の読み応えあるエッセイ。「NEW DAYS」も仲間になりました。単行本『ブルックリンでジヤズを耕す 52歳からのひとり…
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2024年2月の記事一覧

DAYS 「OBロコになったつもりでDAYS2」

DAY1。 「Kay!  急いで。まさか捕まりはしないと思うけれど、早く早く。」 「Senriさんはキッチンのものを、わたしはぴちゃんを抱っこして自分のスーツケースはハンドリングします。」 瞬足で7から4へ戻った2人は手当たり次第 ものを抱えたものの、一瞬ぼーっと立ち尽くし、これじゃいけないとお互いに檄を飛ばし合う。 「僕が往復するんで、ぴをとにかくよろしくお願いします。ご自分のスーツケースは大丈夫ですね? 階段を上がる時は手伝いますので。」 二つの部屋を何度か往復

¥200

DAYS 「OBロコになったつもりでDAYS1」

去年、ある旅をキャンセルした時に戻ってきたe-ticket。元々は自分で払ったわけだからラッキーでもなんでもないんだけど、早く使わないと期限切れになってしまう。去年の暮れ、日本に行く前の夜明けに一大決心して3つの旅を取った。その第1弾がシアトル、そして第2弾が今回のサンディエゴへの旅である。 LAやシアトルやサンフランシスコやポートランドへ旅するのになぜかいつもサンディエゴ飛ばし?(笑)  車で大陸横断した時もパームスプリングスからそのままサンタフェへ。以後も何度かチャンス

¥200

プチDAYS 「スコップの音で眼が覚める」

短い旅だったけれど、いいPND慰安旅行になった。 というのはサンディエゴの旅にKayさんも参加、別ルートで現地で落ち合い声を聞いたぴもびっくり嬉しそうだった。当初、LAから車で参加予定だった赤ちゃんができたばかりの映像作家Junくん家族3人は急遽来れなくなった。 太平洋の波はおおらかでキメが細かい。砂を滑る音も清らかでまるで弦のトリルのようで、聞いていると耳の奥までこそばゆくなる。 ほかほかのトッテダシ(録音してすぐに放送すること。)のサニサイもやった。今日オンエアされ

¥100

プチDAYS 「砂の城」

去年中に決めないと無効になる飛行機のe-tickets。 1月のシアトルに1個を使い、その第2弾をSAN DIEGO旅にした。 なるだけ余裕のある2月中旬にと決めたのだが、いざ直前になると「え? もうサンデイエゴ? ちょっと待って早すぎない?」状態、バタバタ荷造りし髪を振り乱し慌ててブルックリンを飛び出した。 人生において時間とはトイレットペーパーだ。おろしたてのペーパーはなかなか回らないのにいざ減ってくるとどんどんペーパーの回りが速くなる。カラカラカラカラ音を立て、大

¥150

特別寄稿 DAYS 「シアトルは眠らない」

路面電車の警笛が窓の外から聞こえる。階下で提供してくれてるコンプリメンタリー(無料)のコーヒーを紙コップに注いで部屋へ持ってきた。ロビーでは金髪の女の子が2人、PCを叩いて朝仕事をしてた。そういえば慌ただしくてチェックインしてから2日間ここのソファに座ってもいなかったので、さっきちょこっとだけ一面ガラス張りのダウンタウンを眺め腰掛けてみた。古いけどなかなかいいじゃないかこのホテル。 シアトルは眠らない。というより僕が時差ぼけで眠れない。 部屋に戻りブラインドを全開にすると

¥200