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NEW DAYS ★ プチDAYS★ブルックリン物語

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ブルックリン在住の大江千里が日々の暮らしを綴る6000字前後の読み応えあるエッセイ。「NEW DAYS」も仲間になりました。単行本『ブルックリンでジヤズを耕す 52歳からのひとり…
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2023年5月の記事一覧

プチDAYS「週末ブルックリン、あ、でもぴが待ってる。」

ブルックリン自称千歳船橋を散歩する喜びよ。週末は特にみんなのんびり。 なかなか普段行かないショップでお椀を買おうと思い立った。ごはんもスープも惣菜もサラダも入れれる奴。そのついでにいつもの店でスープとご飯。 灯台下暗し。毎日のルーティンで見つからない変化が街には起こっている。 まずはゆっくりとランチを食べるとしよう。外の席に腰を下ろし日差しを浴びながらトムヤンクンとパイナップルフライドライスをオーダーする。あ、シンハービールも。そう今日はタイ料理ランチである。 程なく

¥150

プチDAYS 「根っこがバブル」

「根っこがバブル」だ。 ニュースクールに入学した頃、マンハッタンで佇むと何かハプニングが欲しくて、ついタクシーに手を挙げている自分がいた。根っこがバブル。 使わなくていいところにお金を使ってしまう。ここじゃないどこかになにか面白いものがあるような気がして。ついつい目移りしてしまうのだ。 それがいつの間にかタクシーには滅多なことがない限り乗らなくなった。不思議なもので習慣とは意識して変えていかないと変わらないものなのだな。 服を買う時つい「別の色も買っとくと着回しが効く

¥150

プチDAYS「My Glory Days」

心地よい日曜の朝、チャーチからゴスペルが聞こえる。老若男女の声が澄んだ空気を震わせる。 ぴを抱いて外へ出た。いつものバスケットコートへ行くと鍵がかかっている。そうか日曜だからだ。仕方ないのでぐるっと遠回りして歩くことに。 大回りに住宅地の中を歩く。日差しが5月のそれで心地よい。眩しい朝の光を浴びるとそのまま溶けていきそうで目をしばしばさせる。緑、光、花、風、空、全部がクッキリ視界に飛び込んでくる朝の澄み渡る景色をかみしめると、1週間の疲れがぶっ飛びそうになる。 向こうか

¥100

プチDAYS 「還暦DISCO」

LAから友人がやってきた。 「ね、今もうすぐ機体はJFKに到着するんだけど、Senriって今ブルックリンにいるんだっけ?」 え、いきなりどういうことだよ。でも「いるよ」と返事すると、途切れ途切れ、「着いたら、メールする」と返してきた。どうやら友人TodとAnthony(DJ HOOK N SLING)の登場だ。 「今、ブルックリンのホテルに向かい中のUber。今晩夜遅くAnthony(DJ : Hook N Sling) が演奏するんだ。だから、ぴにも会いたいし俺も付い

¥150