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NEW DAYS ★ プチDAYS★ブルックリン物語

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ブルックリン在住の大江千里が日々の暮らしを綴る6000字前後の読み応えあるエッセイ。「NEW DAYS」も仲間になりました。単行本『ブルックリンでジヤズを耕す 52歳からのひとり…
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2021年11月の記事一覧

ブルックリン物語 #80 「ミネソタサウンドマシーンがやってきた!」(2)

部屋の温度をコンシェルジェに頼み、固定から自由設定に変えてもらい77度にして夜は眠る。これくらいがちょうどいい。一眠りして真っ暗な部屋の中でうっすら目を開ける。朝の気配を感じカーテンを恐る恐る開けてみる。まばゆい光のシャワーが一気に部屋に充満する。時計を見ると7時。熱いシャワーを浴び、ベッドの上で簡単なストレッチをする。 「おはようございます。ぴはご飯を済ませましたか?」 ライブの間は預かってくれているマネージャーKayにテキストを送ると「もういっぱい食べてのんびりされて

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ブルックリン物語 #79 「ミネソタサウンドマシーンがやってきた!」(1)

2020年に決定していたライブスケジュールが、パンデミックでゼロになってしまった。 ツインシティー(ミネアポリス、セントポール)の2夜にわたるライブもその目玉だった。仕事がなくなり旅がなくなり人との接触さえもなくなり「家にいること」が当たり前になった。そんな生活を基調にして、新たなポストコロナをどう生きるかを考えた。 音楽家では食べてはいけないな。生活できないものを仕事とは呼べない。じゃあ、音楽は趣味だ。究極の。これもまた真理なのだ。じゃあ、職業、お金を儲けて暮らすだけの

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