虹の都に住まう虻

雨上がりのち晴れ
振り放けみれば虹なるは
その色今日七つなり
遠い彼の地に根を下ろし
無慈悲な眼で見やるなり
彼が龍の王故に
幸福にみえて不幸なり
手足は大地に縛られり
顔のみ堂に入りて見ゆ

夏の虫は火を好み
今宵炎に焦がれ散る
炎は龍の炎なり
虫は生きるべく死に向かう
度々虚しい憂き身なり
故に彼等に翅ありて
まさにいま日は地を照らし
虹の王者よ眠り入れば
玉色の虻透明な翅広ぐ

これぞ真の自由なり




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