
【前置詞】InとOn の論理 その②
前回に引き続き、in と on 。
今回は、時間を表す前置詞としての解説です。
He arrived in Matsudo at 11:15 am on a Friday in late March.
彼が松戸に着いたのは、3月下旬のある金曜日の11時15分だった。
この例文内での使われかたのように、
・atはある時点を示す「点」です。
・inはある程度幅のある時間(この場合は3月)、つまり期間の「中」を示します。
・onはある時点を示していますが、atよりも大きい「点」であり、inほどの幅はない中間的な存在です。
幅や空間性という観点から、場所を示す前置詞であるinとonとの共通性についてを「【前置詞】In と On の論理 その①」で示唆しました。
この「論理」によって適切な前置詞を選択しなくてはならないのですが、実際には丸暗記による使い方になれてしまってませんでしょうか?
典型的な例としては、
morning(午前), afternoon(午後), evening(夕方), night (夜)
の4つ単語について、前置詞はそれぞれ以下のように決まっていると思っているというフシを感じます。
in the morning
in the afternoon
in the evening
at night
"in the evening"を例にとると、
"I like to go for a walk in the evening."
のように期間としてのニュアンスを持つので、
"He studies during the evening."
というように、duringと似たような意味を持ちます。
しかし、期間の幅をしぼり、ある時点というニュアンスを持つonはeveningと組み合わせてはいけないか、というとそんなことはありません。
例えば、
"The concert will be held on the evening of July 24th."
あるいは、
"I met her on the evening Shohei Otani played his first major league game."
といったように、
特定の日付や、なにかイベントが起こる特定の日の夕方を示す場合は、on the evening とするべきと考えられます。
on the nightでも、on the morning でも同様です。
night について言えば、in the night という言い方ももちろん可能です。
例えば、
"I woke up several times in the night."
という使われ方は、inの持つ論理である「期間」とも矛盾がないですよね。
inとon の用法からは外れますが、at についてふれておきたいと思います。
基本的には、
at night
at noon
あるいは、
at 11:15 am のような時刻
といったように、瞬間的なある時点を示す場合に使います。
なので、at を期間としての幅を持つ、morning, afternoon, evening などと一緒に使うことはありません。
一方で、nightは、in, on, at すべての前置詞と組み合わせが可能な、やや特殊な単語といえるかもしれません。
とりわけ、一番なじみのある"at night"は、なぜある一点の"at"を使うのか。
夜って期間じゃないの??
ネイティブの方によると、at 11:15 am と同じように、「夜」を一つの点としてまとめてしまっているイメージらしいのですが、
なぜある一点としてとらえているのか、、、これは正直、私にもわかりません。。。(笑)
おそらく、太陽の出ている時(day)、太陽が出ていない時(night)の二つ両極に分けているため、「太陽が出ていない時」という一つのタイミング(=夜全般という一つの概念)としてとらえているのではないかと思います(想像です)。
at night を使った自然な文章の例として、
"I like to read books at night."
"The stars are visible at night."
があります。
ニュアンスとしては、
太陽の出ていない時(=「夜」)に、
・本を読む習慣がある
・星は輝く
というように、一般論に近く、その夜の中のいつなのかについては着目していないのだと感じます。
in the night のように「the」をともなわず、特定の夜としていないところからも、習慣/一般論 的なニュアンスになっていると思ってよいと思います。
先ほど出した例文、
"I woke up several times in the night."
"in the night" として期間を示しています。
この例文の意味は、
夜間に、何回か目が覚めてしまっている。
「どことはわざわざ言わないものの、確実にどこかの時間帯、タイミングで」というニュアンスが含まれていると感じます。
一方で、
"I like to read books at night."
については、
「夜に読書をします」と言っているにすぎず、
(夜間のどこかの時間帯、タイミングでね。。。)というニュアンスは含んでいないわけです。
"I woke up several times at night."
一般論に近くなるので、in the night のようにある特定のタイミングの示唆はなく、
「あくまでも夜間全般にわたって、夜に何回か起きてしまう習慣の人」
だったり、
「何らかの理由(例えば病気とか?)によって、何度も目が覚めてしまう」
というニュアンスを感じます。
色々な可能性が考えられてしまうので、
"I woke up several times at night."
とだけ言いっぱなしにしないで、理由を言ってもらいたいと、私個人的には、なんとなくモヤっとします。
・at night と in the night の違い
・なぜ夜(at night)を、一つの時点としてとらえているのか
正直、私にも明確にわからないところがあります。
ただし、文法的にはどちらも間違っていません。
採点者が night は必ず at を伴う、という固定概念が無ければ(学校の先生あたりはアヤシイ)、例えば英作文でバツをくらうことはないと思います。
(なぜ at あるいは in を使ったのか、文意とともに説明できるようにしておくことが望ましいです)
また、繰り返しになりますが、英会話においては at night と in the night を言い間違えたとしても、言いたいことは伝わるはずです。
相手が間違っていたとしても、コミュニケーションにおいては文法マウントをとらないようにしましょう。