落語を聴こう
仕事から帰ってきたら玄関が開いていた、全開きである。
鍵を掛けていないのではない。
「閉めるのわすれた!」
「泥棒?」とは浮かばない。
とうとうここまできてしまったか。
鍵を差したままは、たまにある。
これだけ開けっぴろげでは、人がいるものと思って、かえって安全かもしれないと苦笑する。
猫の入った形跡もない。
しかし由々しきこと、もっと緊張せねば。
集落の中に住んでいた時は驚くことがあった。
酔っ払いのおじさんが、夜に「金を貸してくれ」と勝手に入ってきた。
隣の人を呼んでことなきを得たが、一回きりだ。
今は集落から離れたところにいるので人の気配はない。
真夜中に外へ出て、月を眺めることもできる。
なんて恵まれた境遇だろうと自画自賛。
落語に泥棒噺がある。
大入りを呼ぶように、験を担いだ縁起物の噺のようだ。
ドジで間抜けな泥棒が多い。
久々「出来心」を聴いてみた。
今は落語もYouTubeで聴けるからほんとうにありがたい。
素直に笑えて、健康にもよい。
出だしからオチまでの運びかたが文章を書くことの参考にもなる。
書いていると、いろいろなことを思い出し、やりたいことが増えていく。
あれもこれもと、ああだこうだと散漫になる嫌いはあるが、脳細胞は活性化するだろう。
玄関のドアの閉め忘れもなくなるといいのだが。