シャンタル・アケルマン 『一晩中』 人物が去った後の空間に映るもの。
夜勤明けでキネマ旬報シアターに向かった。まだ外の明るさに順応できていない僕の体を、映画は夜の暗さで包み込んでくれた。
『一晩中』。とっても良かったので感じたことをメモしておこうと思う。
冒頭、赤い服の女が想い人に会うべきか悩んでいる。抑えきれず電話をかけるが、彼が出た瞬間電話を切る彼女。「彼を愛している…、彼を愛している…」彼女は家を飛び出し、彼の家へ向かう。
彼女が画面を横切ったり、タクシーに乗って闇に消えたり、人物が画面からいなくなった後もそのカットが続く。この映画