癇癪をおこさなくなるには(育児相談)
今日も育児相談の内容を。
こちらは2歳の男の子について相談を受けました。
➡︎物を投げたり、人を叩いたりと、してはいけないことをするので都度叱るのですが感情が爆発している感じで癇癪を起こします。癇癪をおこさないようになるのでしょうか。
まず、一つ目に物を投げたい気持ちは普通のことなので、投げていい物を渡しましょう。環境を大人が整えることで注意をしなくて良くなることが実は沢山あります。投げたい気持ちを発散させてあげるのが、その一つです。
人に向かって投げるのは、面白い的がないからです。様々な難易度の的を用意してあげるといいでしょう。
一見、攻撃的に見えますがそのエネルギーは能動的、主体的に生きるための必要なエネルギーです。そのエネルギーを、かけっこをしたり、ボールを投げたりと身体を動かす方向に促すことで、ただ何かを投げたい気持ちが、こうしたら良くとぶ?こう投げないと当たらないな…など思考するようになり段々と心のコントロールができるようになってきます。身体を動かして夢中になれる遊び、集中して思考活動をする遊び、どれも必要ですが身体を動かす遊びのときには満足するまで心底はしゃがせてあげることが重要です。
2つ目に、人を叩くという行為に理由が特に見当たらない場合(友達が欲しい玩具を持っていた、先生に抱っこされていて自分もして欲しい等)は、心の中に未消化な気持ちがあるのかもしれません。
例えばですが、もし危ないと心配で止めることがあるとしたら…やりたいことを急に終わりにされるストレスがかかります。特に直接的な言葉で行為を止められていたとしたら物凄いイライラが残ります。
このような心境の場合、大人もですが つまらないことにも突っかかりたくなります。イライラしているんですよね。
あとは、危ないことをしていない時には注目されずに、危ないことをしたときは叱られたとしても注目を浴びていると、たとえ叱られても注目を浴びる方を選びます。
お母さんを始めとした、信頼する大人に見て欲しい、認められたい欲求がありますから、どうしたら見てもらえるか?を考えるんですね。
➡︎怪我が心配でどうしても止めてしまう。お父さんが比較的そうかもしれない。
死ぬほどの怪我は心配ですが、赤ちゃん時代から自分で動けるようになったときに自己責任の世界は始まっています。正直、怪我に繋がる経験は沢山した方がいいです。擦りむく、打撲ぐらいであれば どんどんさせてどんな身体の動きが痛いことになるのか親がさせるわけにいきませんから、自分で学んでもらうことが本当に危ないことをしなくなる近道です。
やらせてあげられる時は限られると思うので、常に禁止しているわけでなければ、今日はこのまま家に帰るよ。と譲らない態度でいるのは必要だと思います。
どこかで、止められることなく自由に動ける環境を作ったり、連れ出したりできるといいですね。
3つ目に、癇癪について。これは、癇癪を起こしたら20分はそっとして本人が自分で感情をおさめられるまで待ってあげましょう。もう頭の中はグチャグチャで意味がわからなくなっていると思います。そんな時は絶対に声をかけてはいけません。火に油を注いで更に大声で泣き喚く時間は、どんどんのびます。お家の状況も勿論あると思いますが、早く泣き止みなさいと指示をするとか、こうするから泣くのやめようと条件を出すことは絶対にしない方がいいです。
指示をすると感情が更に爆発します。大人もそうですよね。イライラしてるのに、イライラすること更に言わないで欲しいですよね。
条件を出されると、子どもも条件を出すようになります。
着替えたら何してくれる?と他のお子さんですが言われたことがあります。お母さんに日頃の状況を聞いてみると、〇〇してあげるから、〇〇して。と言っていたそうです。
(条件を出して動いてもらおうとしていた方は、どんな条件を出しても断られるようになり今は言っていないそうです。やっぱダメだったー‼︎と明るく仰ってました🤣)
自分のことをするのにご褒美はいりませんよね。
私は、着替えるも着替えないも〇〇ちゃんが決めたらいいよ。決まったら教えてね。と伝えてその子の傍を離れました。見てないフリをしながら待っていると、着替えたよ〜と教えにきてくれました。
わぁ!遊ぶ準備ができたんだね!待ってたよ。一緒に遊べるの凄く嬉しいよ。と伝えました。
特別なことはいらず、強いて言えば応答的な言葉をかけることが1番のご褒美になります。
少々脱線したので戻しますが、おこさせない方が良い癇癪もあります。
それは直接的な注意で引き起こすことです。
〇〇したらダメだと言ったでしょう‼︎なんでわからないの‼︎と直接的な注意をして、完全に拗ねさせる場合…何度もお伝えしていますが子どもの心の中には
自分はいけない子
自分はダメな子
自分はわからない子
自己を否定されたことだけが残ります。
なんで怒られたのか、どうしたら良かったかなんて微塵も考えません。残りません。
また、信頼している大人の行動を子どもは真似をします。
大きな声で否定をする行為。
お子さんは友達にするようになることが殆どです。親がしていることは、していいこと。されたようにする。
一生懸命良かれと思ってやっているのに、何て衝撃なループなんだ…と思いますよね。
ただ、自分なりに子育てをしてきて自負もあると思いますし、私が隣でフォローするわけでもない。家に帰ればお母さんだって褒められたい、助けられたい!そんな状況で 最初からすぐに飲み込んでさぁやろう‼︎となる方はあまりいらっしゃいません。
この相談者の方は、どうしても止めるのには いい加減にしなさい‼︎と叱らざるを得ず、叱る➡︎やってはいけないことが意識づけられる・自分を否定されてモヤモヤする➡︎またやる➡︎更に強く叱るのループにハマっているようです。
悩まれているのですが、いけないことはいけないと厳しく叱ることが必要という考えからなかなか抜け出せないようで、ここは厳しく言っても良かったのか、の疑問にも至らないことがあると言っていました。
言葉がけでお子さんがガラリと変わることを根気よくお伝えしつつ、今回はある本を紹介しました。興味があれば読むと思いますが、私の言っていることに納得できなければ読むには至らないかなと思います。
やるもやらないも、自分が選ぶことなので私はその選択を尊重します。
そしてまた困ったことがあれば、いつでも一緒に考えたいなと思っています。
お父さんお母さんの躾がなっていないとか、頑張ってないとか、お子さんが悪いとか そういったことは微塵も思っていません。ただ、私の言葉をそのように捉えてしまわないよう伝えるのはいつも難しいなぁと思います。
絶対に見離さない。
心から応援をしている。
この2点を思いながら、どうしたら良いか聞いてきてくれるのを待っていたりします。