【story24】路地が人と街をつなぐ-千住暮らし100stories-
建築家 千住いえまち会長
鶴巻俊治さん
木電気に誘われて
不規則に入り組んだ路地には、束の間、大人を子どもに還す魔法がかかっている。足を踏み入れると、両側から漏れ聞こえるテレビや食器の音、人の話し声、狭い道の先に思いがけず花をつけた樹が現れ、その下に悠々とやって来た猫が「この辺じゃ見ない顔だな」という眼をして座り込む。このまま進むとどこに連れて行かれるのだろうか――ちょっとした冒険をしているような、そんなワクワクした気持ちにさせてくれる。
荒川土手の手前に扇状に広がる柳