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小澤メモ|NOSTALGIBLUE|思い出は青色くくり。
3 チューナーとビデオデッキを縦列していた時代の話。
WOWOW試験放送みたいなやつ。
高校生のときだった。WOWOWが開設されるということで試験的に無料放送がはじまった。放映していたのは、映画を少々とアメリカのカレッジバスケット(NCAA)のレギュラーシーズンを少々。これは今から30年以上前の話。インスタライブやYouTubeどころか、インターネットや携帯電話がそもそも存在していない。衛星放送のチューナーとパラボナアンテナが最先端で、海外の新しいカルチャー情報(流行りってやつ)を数ヶ月遅れで紹介する雑誌が、「すげえ、アメリカ!」みたいな感じでバイブルになっていた時代だった。まあ、そんな昔話。初めて見るカレッジバスケット。そのとき見て感情移入した自分好みのカレッジプレーヤーたち。彼らのその後を追いかけ続けていた結果が、今に至るまでのNBA大好きオッサン一丁あがりということになった。
WOWOW試験放送みたいなやつにありがとう。
あのとき、WOWOWが試験放送してくれたおかげで、そして独断と偏見の番組セレクトをしてくれたおかげで、(元々バスケ部ではあったけど)アメリカのフィジカルの音がすごい激しいバスケを知り、それでいいのだと確信できた。ちなみに、無料放送してくれた少々の映画だと、『バグダッド・カフェ』や『緑の光線』が素晴らしかった。それを見る数ヶ月前、当時、『メンズノンノ』の看板モデルだったマーク・パンサーさんが、誌上で『バグダッド・カフェ』のことを絶賛していて、(なんでまたイラクのカフェの話を? 高尚すぎだよ)みたいな感じでスルーした。それがイラクじゃなくて、アメリカのモハーヴェ砂漠のモーテルを舞台にした素晴らしい作品だったと知ることができた。その後、マーク・パンサーさんが不思議な韻を踏んだりするようになっても、(あの若さで日本人の誰もが知らなかった『バグダッド・カフェ』をリコメンドできた人物だから、キープ・オン・プッシング!)と、陰ながら応援し続けたのだった。
そんなWOWOWで出会えたNBA候補生たち。
当時見たNCAAのゲームに夢中になったのだけれど、とくにイカしてると思ったのが、ジョージア工科大のポイントガード、ケニー・アンダーソン。1on1が好物で、ドリブルも他の人より多くついて球離れがあまり良くないガードだった。身長は183cmそこそこで、シュートフォームも粗かった。なのに、対戦相手は彼を止めれない。チームスポーツだけに、結果的には彼だけでゲームを支配し勝ちきることはできないことが多かったけれど、その危うさ(未完成ながら貫いている感じ)がまた良かった。とくに圧倒的だったのは、UNLV(ネバダ大学ラスベガス校)のラリー・ジョンソンとステイシー・オーグモン、そしてグレッグ・アンソニー。この後のシーズンで、クリス・ウェーバーとジョワン・ハワードとジェイレン・ローズなどを擁したファブ・ファイブ(すげえ5人)と呼ばれたミシガン大の1年生チームが出てくるけれど、その前はこのUNLVのラインナップがプロ入り予備軍という感じの迫力だった。しかも、少年時代に更生のためにボクシングをやっていたラリー・ジョンソンを筆頭にして、ちょっとフィジカルと能力任せのバッドボーイズな雰囲気が特徴的だった。そして、とくに惹かれたのが、デューク大のグラント・ヒルだった。