小澤メモ|NOSTALGIBLUE|思い出は青色くくり。
31 NBAプレイオフ鑑賞メモ その1。
ネット配信の前でひとり、NBAを見る。
コロナ禍にありながらなんとか再開にこぎつけたリーグNBA。2020年のプレイオフも、9月12日現在、面白いゲームが繰り広げられている。バトルとかビーフとかじゃなくて、ゲーム。最高峰のゲーム。イースタン・カンファレンスは、レギュラーシーズンダントツの1位だったバックスがヒートにアップセットされた。ウエスタン・カンファレンスは、なんだかんだでレブロンのレイカーズとレナードのクリッパーズが強さを発揮している。個人的推しは、スモールラインナップに思いきり舵を切ったロケッツだと散々NOTEに書き連ねてきたけれども、そのロケッツは、ファーストラウンドのクリス・ポールのサンダーにまくられて第7戦までもつれにもつれた。セミファイナルのレイカーズ戦。レギュラーシーズンでは、2回戦って2回ともスモールなロケッツが勝っていた。2回目のときは両チームの主戦のレブロンとラス(ウエストブルック)が欠場していたのでなんともいえないけれど。分があると思われていたロケッツだが、今のところ、1勝3敗で、しかも少ないローテーションの核を担っていたキーマンだったダニエル・ハウスJr.が出場停止と、絶望的な感じになっている。
ネット配信の前でひとり、NBAを見る。
ダニエル・ハウスJr.の出場停止については、コロナ対策で完全隔離処置を維持しているバブル内に、プロトコルに反して家族やステディ以外の女性を招き入れたからではないかという情報もある。もしそうだったとしたら、チームに対しての背信だけでなく、バブルを維持してなんとかリーグを再開したリーグ全体への脅威的行為になる。彼は2年もロケッツで2WAY契約(乱暴に言うと下積み契約みたいなもの)で切磋琢磨して、なんとか本契約を勝ち取り、さらにはスモールラインナップを支える3&D(スリーポイントとディフェンスが良い)のキーマンにまでのし上がった。それは才能だけでなく、メンタル面とスキル面の両面での努力の賜物だったはずだ。もし、そのバブルの規定違反をしたという情報が本当だとしたら、築き上げた砂の城がもろくも崩れ去ってしまったということになる。自らの人生の心棒を自らへし折ってしまったことになる。そんなことはない、何かの間違いだと思いたい。初戦を勝利したロケッツは、彼が離脱した第2戦から3連敗。チーム内の士気もどこか消沈しているような気がしてならない。燃える男ラスは、いつも以上に雑なミスが多いし、シュートタッチは完全におかしい。これはダニエル・ハウスJr.欠場のせいではないとは思うけれど、とにかくレブロンに勝てる要素が見当たらなくなってしまった。
ネット配信の前でひとり、NBAを見る。
そもそも、こちらはレブロンが苦手。さらにいうと、レブロン率いるレイカーズのガードのロンドや人気者カルーソ、それにモリス(クリッパーズのモリスの双子の兄弟)も苦手。彼らのスキルやうまさにケチをつける気はないし、レブロンは自他共に謳うキングだけあって、すべてにおいて強力だ。ただ、彼らは、サッカーでいうところの”マリーシア”(けしかけて相手の感情を揺さぶったりしてメンタル的に優位に立ってゲームから追い出していく)みたいなのが、バスケIQと掛け合わせて非常に巧妙なタイプだと思う。ゲーム中、最初からずっと審判の笛に、相手選手に、リアクションしアピールしマリーシア的なことをする。これにまんまとハマってしまう選手は、(レギュラーシーズンの1試合程度なら、そのスキルで凌駕してしまうこともあるけれど)長丁場のプレイオフ対決において、結局、ゲームから追い出されてしまうことが多い。数年前のファイナルでのキャブス戦で、レブロンのマリーシアにイラついてテクニカルファウルを重ねて退場したドレイモンド・グリーンはまさにそうだった。ロケッツで言えば、ラスとヒゲ(ハーデン)だけでなくタッカーもゴードンも、さらのはコーチのダントーニもイライラしている。レブロンのゲームは、時間が止まっているときが多くなる。ゴネたり、いちいち自分のプレイで鳴った笛に対して、アピールが長い。これは、見ているこちらもなかなか重たくなってきてしまう。そして、審判の笛は、ファーストラウンドのサンダーのときと同じく、終盤のある局面ではレイカーズにコロッと転んでいく……。
こちらの勝手な言い分なのだけどね。
サンダーのクリス・ポールも勝負師として素晴らしい選手だが、あんまりグッとこない。そんなクリス・ポールとレブロンは大の仲良しだったりする。まあ、審判の笛のふらつきについては、みんな文句を言いたくなるものなので、ここについてあまり長々書くと良いことはない。そもそも審判も人間。しかもプレイしていないひと。サッカーのワールドカップでさえ、ビデオ判定を導入しているくらいだから、いくら免許制で、冷静さを練習しているとはいえ、所詮は人間。感情とか見誤ることも多いし、期待はできない。ただ、ひとつ。さっきのミスジャッジのあいみつを取るために、次の笛をコントロールするという、自己調停は控えてもらいたいなとは思う。とにかく、どのスポーツでも審判はA.Iがやれば、有利も不利も平等になると思うので、やってる方も見てる方も納得できるのではないだろうか……(その2へ続く)。31