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小澤メモ|SENTIMENTAL JOURNEYMAN|おっさんの旅。

31 おっさんの旅  宮古島❶

かぎりなく透明に近いブルー、宮古島。
宮古島。いつかは行ってみたいと思っていた。自分の仕事や生活圏の隣りの隣りくらいの知り合いは、たいがい宮古島に行ったことがあって、まちがいなく絶賛していた。ちょっとした観光で宮古島に行って、その一部を堪能した人は、「とても良かったよ」と言っていた。夏のある数日間を宮古島に滞在して島中を探検して遊んだ人は、「とても素晴らしかったし、最高だよ」と言っていた。そして、原色図鑑なままの自然とビーチは、とてつもなく美しいと。世界にいくつかある美しいビーチの中でも宮古島がトップクラスだと。こちらは宮古島どころか、これまでの人生で沖縄本島に1度行っただけ。そのときは、瀬底ビーチあたりまでドライブしながら静かな海を探索したものだった。まだ20代の頃だった。

宮古島の印象
沖縄本島から300km弱離れた島。芸能人が経営するお店が多かったり、なんとかエモンがリゾート開発に食い込もうとしていたとか、いろいろ注目を集める石垣島の少し先にある島。たしかに石垣島も美しいと聞くけれど、いまだに行ったことがないので、なんとも言えない。きっと素晴らしいのだろう。それで、宮古島といえば、真っ先に思い浮かべるのがハブがいないこと。蛇が苦手で、マムシやヤマカガシなんていう、ヘタしたら殺(や)られてしまう毒蛇なんて、もう絶対にイヤっていうオッサン。そんなこちらにとって、うっかり近づいたならば攻撃してくるといわれる、どう猛なハブなんてもってのほか。だから、以前に沖縄本島に行った、かの精気みなぎる若かりし頃だって、「マングローブ、イエイ!」、「ビーチと原っぱ、イエイ!」て感じではしゃぐより先に、超ビビリで抜き足差し足になってしまうのだった。

唯一ハブがいない島。
宮古島は、沖縄諸島で唯一ハブがいない島。それだけで、もう最高なんだけれど、ハブがいない理由は諸説ある。個人的には、島の地質が、蛇が苦手なサンゴの基質なままだからというのが、腑に落ちる。ま、理由はなんでもいいので、ハブがいないし、当然マムシはいないというのが、とてもいい。ちなみに人生で一度も蛇を触ったことはないし、マムシに遭遇したこともない。動物園の蛇エリアはもれなくスルーだし、思えば爬虫類系全般がダメくさい。だから、拙著のパンダ本と版元を同じくして、『爬虫類ハンター』を刊行している加藤英明さんとか、蛇をペットにしている矢吹春奈さんとは、好きだというスイッチボタンのいたるところで違いがあるんだろうなと思う。彼らにしたらあまり魅力がない島、こちらからしたら最高の島。それが宮古島なんだろうなという印象。というところから、行ってみた宮古島。結果的には、本州が梅雨入りする頃、夏にカウンターパンチを当てにいく感じで、毎年訪れるほどに魅了されてしまった。31
(写真は宮古島の与那覇前浜からの水平線)

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