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当noteではハイパーグロース企業をグロース神のウィリアム・オニールの投資法を用いて分析しています。(個別株分析&マーケット分析マガジンはこちら)

オニールがファンダメンタルで重視する項目としてCANSLIM分析があります。CANSLIMはそれぞれの頭文字に意味があります。

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当記事ではCANSLIMの「C」についてお伝えしていくぞ!手取り早く条件を知りたいという衆は以下を参考にしてくれい!

詳しくは記事の中で説明しておるぞ!

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「C」の条件

✅最低条件は前年同期比直近EPS成長率は25%以上
✅強気相場の時は前年同期比直近EPS成長率は40%以上
✅過去10四半期に以前に比しEPS成長率が加速していることを確認する必要有
✅直近売上成長率は少なくとも25%以上上昇、又は直近直近3四半期で売上増加率が加速していることが最低条件。

(更に安全性を高める条件)
✅2四半期続けて大幅にEPSが成長
✅翌四半期、翌々四半期も力強い成長が予想されている
✅今後2年間で成長の軌道にのるガイダンスがあるか(Yahoo finance等で確認)
✅同業他社でEPSの成長率が高い銘柄が少なくとも1つ以上存在

(注意点)
✅EPS成長率が66%以上の減少が二四半期続けば危険。


1.「C」=当期四半期のEPSと売上

CはCurrent Quarterly Earningsの略です。

オニールが過去100年を遡って株式市場で大成功を収めた銘柄を研究した結果株価の急成長には必ず劇的なEPSの成長率が伴っていることを発見したのです。

ここでいう成長率とは前四半期に対する成長ではなく、前年同四半期に対するYoYの成長率のことを指します。企業収益には季節性があったりしますからね。


1952年から2001年の間に最も成長した600銘柄のうち75%が株価上昇を始める直前の当期四半期決算発表で70%以上のEPS増加をみせていたそうです。

また、それ以前の1910年-1950年の間に大化けした銘柄の直近四半期成長率は40%-500%となっていたそうです。

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わらわのような投資初心者の中にはEPSという単語に慣れ親しみがないと思いますが、何を表しているのですか?

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EPSというのはEarning per shareの略で一株あたりの純利益のことじゃ!

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EPSは企業の純利益を発行済株式数で割ることにより求められます。

なぜEPSが重要かというと、結局のところ株主に帰属する利益というのは「1株あたりの利益×株式保有数量」だからです。


たとえ、純利益が2倍に増えても、企業が株式を発行して株式数が2倍になれば1株あたりの純利益であるEPSは変わりません。

一方、自社株買を行なって株式数が半分になれば純利益が一定でもEPSは2倍に増加します。あくまでオニールは純利益ではなくEPSを重要視しています。

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オニールはEPSは他の基準に比して、何はさておき最も重要であるとしておるぞ!

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また、EPSが上昇していたとしても要因が事業規模の拡大の結果なのか、コストカットの影響なのかで意味合いは全く異なってきます。

当然株式市場で評価されるのは前者です。そのため、売上の増加も重要な基準としています。では「C」でどのような基準がオニールは必要としているかを次項で見ていきましょう。

2.「C」の基準(EPS成長率・ガイダンス・売上成長率)

当記事の一番重要な項目です。まず、概要をまとめると以下となります。


「C」の条件

【絶対条件】
✅最低条件は前年同期比直近EPS成長率は25%以上
✅強気相場の時は前年同期比直近EPS成長率は40%以上
✅過去10四半期に以前に比しEPS成長率が加速していることを確認する必要有
✅直近売上成長率は少なくとも25%以上上昇、又は直近直近3四半期で売上増加率が加速していることが最低条件。

【更に確度を高める条件】
✅2四半期続けて大幅にEPSが成長
✅翌四半期、翌々四半期も力強い成長が予想されている
✅今後2年間で成長の軌道にのるガイダンスがあるか(Yahoo finance等で確認)
✅同業他社でEPSの成長率が高い銘柄が少なくとも1つ以上存在

【注意点】
✅EPS成長率が66%以上の減少が二四半期続けば危険。

2.1 「C」の絶対条件

オニールはEPS増加率の最低目標として25%〜30%以上を設定しています。

ただ、上記はあくまで最低目標です。強気相場では40%以上、時には数百%のEPS成長率を記録する銘柄を選ぶようにしているとのとです。

また、単に高いEPSというだけでなく、過去10四半期に過去の水準に比べてEPS成長率が大きく改善していることが重要な要件としています。つまり、過去は20%成長していた企業が、ある四半期から急に50%以上成長となっていればポジティブとうことです。

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ポジティブな変化が起きているということですからね!

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更に売上についても条件を付しています。

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最初に言及したとおり、コストカットによるEPSの増加は継続的ではないからの!売上の拡大を伴う必要があるんじゃ。

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オニールは売上は直近四半期で最低でも25%YoYで上昇しているか、売上増加率が直近3四半期で加速していることを条件としています。

新規公開株のなかには直近8四半期、10四半期、12四半期で売上増加率が平均100%を超える銘柄も存在しています。売上と収益の両方が過去3四半期で急速に伸び出した企業は特に注目に値すると付しています。


2.2 更に確度を高める条件

更に確度を高めるための条件としての条件も記載されています。

「C」はあくまで現在のという意味ですが、その前の四半期でも大幅にEPSが増加している銘柄の方が確度は高いとしています。

更に産業自体の成長性も重視しています。そのため、同業他社でEPSの成長率が高い銘柄が少なくとも1つ以上存在していることを補強条件として付しています。


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また未来についても言及しておるぞ!

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オニールは翌四半期、翌々四半期も力強い成長が予想されており、今後数年間で成長が軌道にのるかもアナリスト予想やガイダンスで確認する必要性も説いています。

Yahoo financeでは以下の通り、今後のEPSの予想のアナリスト平均をだしてくれています。(以下はAppleの例です)

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過去だけでなく未来も見通すことが必要になるのです。

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Yahoo financeで今後のガイダンスについては確認することができるゆえな!

ワシ(@nobutaro_mane)猿(@hidejiromoney)が行なっておる個別株分析では、ガイダンスを含めて解析しておるぞ!

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2.3 「C」の注意点

「C」の注意点としてEPS成長率が高かったとしても、直近2四半期連続でEPS成長率が著しく減少した企業は問題を抱えている可能性が高いため、避けた方がよいとしています。

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何故、2四半期連続なのですか?

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流石に1四半期じゃと一時的に業績が振るわぬこともあるゆえ、多めに見てやろうということにオニールはしておるの。

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著しいの目安として増加率の3分の2以上の減少としています。

つまり前期YoYで90%上昇していたら、今期30%未満となっていたら1四半期目は不合格ということになります。

例えば以下のようなケースだと危険ということになります。以下のパーセンテージ表示はEPSのYoY成長率となります。


2020/1Q:80%
2020/2Q:100%
2020/3Q:90%
2020/4Q:20%
2021/1Q :30%

既に成長フェーズが終了した懸念があるということですね。

3.まとめ

CANSLIM判定の中で重要な位置をしめる「C」について見てきました。

もう一度、条件をまとめると以下となります。以下の観点で個別株分析をおこなっていますので参考にしていただければと思います。

「C」の条件

✅最低条件は前年同期比直近EPS成長率は25%以上
✅強気相場の時は前年同期比直近EPS成長率は40%以上
✅過去10四半期に以前に比しEPS成長率が加速していることを確認する必要有
✅直近売上成長率は少なくとも25%以上上昇、又は直近直近3四半期で売上増加率が加速していることが最低条件。

(更に安全性を高める条件)
✅2四半期続けて大幅にEPSが成長
✅翌四半期、翌々四半期も力強い成長が予想されている
✅今後2年間で成長の軌道にのるガイダンスがあるか(Yahoo finance等で確認)
✅同業他社でEPSの成長率が高い銘柄が少なくとも1つ以上存在

(注意点)
✅EPS成長率が66%以上の減少が二四半期続けば危険。


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