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【NET/2021/4Q決算速報】、2021年第4四半期の結果は売上○、EPS○、ガイダンス◎。

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このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(NETの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は以下を参照してください。)


ガイダンスが強くなかなか良い決算じゃったが、やはり今はEPSがぐいぐい伸びていく銘柄じゃないときつい環境よの。決算発表後、高くよりついたが結局大きく下落してひけておる。200MA(黒)で跳ね返される結果となっておるの。

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$NET

売上 ○
193.6M YoY54% vs予想193.6M

EPS ○
$0.0 vs予想$0.0

ガイダンス(上段が1Q、下段が通年)
ガイダンスは来期と通年ともに予想を上回っています。

金曜日△9.5%

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1.売上

Q4-2021:193.6M YoY54% vs予想193.6

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■ 売上推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q3-2020:$114.2M(YoY +55%)
Q4-2020:$125.9M(YoY +50%)
Q1-2021:$138.1M(YoY +51%)
Q2-2021:$152.4M(YoY +53%)
Q3-2021:$172.3M(YoY +51%)
Q4-2021:$193.6M(YoY +54%)

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売上成長は巡航速度を維持しています。

CFOによる説明を掲載します。

収益に目を向けると 第4四半期の総収益は、前年同期比54%増の1億9,360万ドルでした。この増収は、当四半期においても、新規顧客獲得と既存顧客基盤の拡大という点で、旺盛な顧客需要に牽引されたものです。当年度の売上高は、前年度比52%増の6億5,640万ドルとなりました。先ほど申し上げたように、これで2016年以来、5年連続で収益の複合年間成長率50%以上を達成しており、当社のビジネスモデルの一貫性と耐久性を証明するものとなっています。
第4四半期の地域的な観点では、米国と海外の両方で引き続き好調でした。米国は収益の52%を占め、前年同期比52%増となりました。欧州・中東・アフリカ(EMEA)は売上高の27%を占め、前年同期比60%増加しました。APACは売上高の14%を占め、前年同期比29%増となりました。

2.経費と利益

次に経費と利益水準をみていきましょう。まず経費からです。経費率は一定の水準ですが売上の増加にともなってR&D比率やG&A比率が減少しています。

ただ、今後も研究開発の力を弱めず新製品を発表していく意気込みを感じています。

私たちのチームは新製品を発表するのが大好きで、2022年には少なくとも7回のイノベーションウィークで新製品を発表し、ネットワークをさらに拡張し、新しい機能を導入し、TAMを成長させる予定です。

また、2021年に発表した新製品は好調であるとCEOは自信をうかがわせています。

2021年に発表した製品は、すでに盛況です。例えば、メールルーティングサービスには20万以上のドメインが登録し、一夜にして大手メールセキュリティプロバイダーになったようなものです。R2、当社のゼロ・エグレス・オフィスストアは、クローズドベータに9,000以上のサインアップがあり、その中には信じられないようなロゴも含まれています。これらは何百ペタバイトものストレージを意味し、私たちのワーカーズ・デベロッパー・プラットフォームに対する興奮を物語っています。R2は、第2四半期にオープンベータに移行し、2022年後半には一般に利用可能となる予定です。

利益率は以下の通り売上総利益率は変わりませんが、営業利益率と純利益率が上昇しプラスに転じています。

Earning Callで売上総利益率に対して満足していることが述べられています。

業界全体がコストと価格の上昇圧力にさらされている中、当社は79%の売上総利益率を達成しました。これは、長期的な目標である売上総利益率75%から77%の範囲を上回っており、いくつかの機会を生み出すものです。当社は、この優れた売上総利益率を武器に、価格圧力やコスト圧力に対して当社よりも脆弱な競合他社からビジネスを奪うことができると考えています。また、競合他社が追随できないようなプラットフォームとして、製品をバンドルすることも可能です。

また営業利益に関しては暫くは求めずに売上拡大のための投資を積極的に行なっていくという表明がCFOからなされています。

第4四半期は2四半期連続の営業利益達成となりました。また、念のため申し添えますが、当社は売上高に見合った営業費用の成長を図り、ブレークイーブンに近い水準かそれ以下の水準を維持し、余剰収益力を事業に再投資して目の前の大きなチャンスに対処していく考えです。

つまり、しばらくは大きなEPS成長は見込めないということが言えますね。

3.EPS

Q4-2021:$0.00 vs予想$0

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■ 売上推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q3-2020:$-0.02
Q4-2020:$-0.02
Q1-2021:$-0.03
Q2-2021:$-0.02
Q3-2021:$0.01
Q4-2021:$0.0

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4.ガイダンス

次のQuarterと来年のガイダンスは以下となります。

今期は売上とEPSが予想と一致していましたが、ガイダンスは予想を上回るという結果になっています。

ガイダンスについてはCFOから以下のコメントがでています。

残りの履行義務(RPO)は6億2,400万ドルで、前四半期比14%、前年同期比63%の増加とな りました。第 4 四半期にトップライン、ボトムライン、RPO ともに好調であったことに加え、TAM の継続的な拡大を可能にする革新的な手法により、新年度に向けた確信と見通しを得ることができました。

茶の湯TIME;サイバーセキュリティーについて

Earning Callからはサイバーセキュリティーについての意欲を感じられました。

2021年後半には、ネットワークオフィスを直接狙ったサイバー攻撃が本当に増えています。むかしはDDoS攻撃といえば、例えば企業のマーケティングサイトだけを狙うものでした。今は、仮想デスクトップに頼ったり、ゼロトラストのネットワーク構想に頼ったりする人が増えているので、攻撃者はそのことに賢く、より多くの被害を与えられることを知っているのです。そのため、ネットワークそのものを狙うことで、より大きな身代金を手に入れることができるのです。もし私たちが、お客さまが公衆インターネットに触れることがないようにすることができたら、それはとても素晴らしいことです。お客様のオフィスやルーターから、直接私たちのネットワークに接続することで、お客様を攻撃者から隔離することができるのです。
このように、私たちは、これらの条件をすべて満たす、非常に魅力的なシステムだと考えています。より高い信頼性、より高いパフォーマンス、そしてよりコスト効率の高い運用。それに加えて、よりセキュアであることも重要です。これらのことがすべて揃ったと思います。特にオフィス向けのCloudflareでは、導入の初期段階から成功を収めており、今後も投資を続け、非常に楽しみな分野だと思います。

私たちは、これらの条件をすべて満たす、非常に魅力的なシステムだと考えています。より高い信頼性、より高いパフォーマンス、そしてよりコスト効率の高い運用。それに加えて、よりセキュアであることも重要です。これらのことがすべて揃ったと思います。特にオフィス向けのCloudflareでは、導入の初期段階から成功を収めており、今後も投資を続け、非常に楽しみな分野だと思います。

今期も多くの契約を獲得していることを

ゼロトラストとその他の製品について、この四半期に獲得した素晴らしい成果をいくつか紹介しましょう。フォーチュン500にランクインしている世界的な通信事業者が、10万シート以上のゼロ・トラストの年間契約を締結しました。このお客様は、2年前に500シート未満のセルフサービス・プランでスタートしました。この契約は、当社のサービスの使いやすさと、組織内の個々のチームと顧客を結びつける能力が、時間をかけて効率的に顧客を大口顧客に変えることができることを示しています。

フォーチュン500のメディア企業が、1万席以上のゼロ・トラストシートに対して25万ドルの年間契約を結びました。競争率の高い契約でしたが、最終的には、市場で最も柔軟で革新的なソリューションであることが評価され、当社を選択されました。

さらにウクライナ問題もチャンスと捉えていると意欲を覗かせています。

私たちのビジネスでは、世界的なサイバーセキュリティの問題を常に把握しておく必要があります。そのため、ウクライナ情勢を注視しています。現代の戦争は、ますますサイバーな戦場を含んでいます。ウクライナの企業や報道機関、政府機関などからの攻撃の可能性を想定し、多くの企業や報道機関を取り込んでいます。現在の緊張状態が平和的に解決されることを望んでいますが、私たちは国家的なサイバー攻撃を軽減した経験があり、何が起こっても顧客とネットワークを守る用意があります。

5.KPI (顧客数 & NRR)

重要なKPIとして顧客数とNRRが発表されています。

NETでは年間利用料が$100,000以上の顧客数について発表しています。大口顧客は直近YoYで71%程度の高い成長率を実現しています。

大口顧客の収益貢献の増加と、超大口顧客が順調に増加していることも示されています。

大口顧客の数は増加しただけでなく、当社への平均支出額も増加したため、彼らの収益貢献度は年間を通じて上昇を続けています。2021年度の大口顧客は総収入の54%を占め、2020年度は46%であったのに対し大きく増加しています。通年では、大口顧客を50万ドル以上と100万ドル以上の消費者のコホートにも分けています。50万ドル以上のお客様は121社で、前年比70%増となりました。また、100万ドル超の顧客は前年度比75%増の56社となりました。


また、クラウドフレアは毎年様々なサービスをリリースしています。そのため、既存の顧客に対してどれだけアップセルでできるかも重要になってきます。

その点で重要となってくるのがNRRです。

【NRR(=Net Retention Rate)】
既存顧客の売上が前年比でどれほど増減しているかを示す指標です。NRRが100を上回っていれば、契約の延長に加えてアップグレードが行われていることを意味します。

クラウドフレアのNRRは以下の通り高い水準を維持しています。

Earning CallでFCFについて以下の記載がありました。2022年も3Q以降は経常的にプラスとなることを見込んでいます。

私たちは、クラウドフレアが上場して以来、初めてフリーキャッシュフローがプラスになった四半期であることを誇りに思っています。また、これが最後でもないでしょう。この事業は、私たちが望むときに、大きなキャッシュフローを生み出すことができる事業であることを知っています。短期的には、ネットワークへの投資とCOVID後の世界に向けたオフィスの再設計を行うため、今後2四半期はキャッシュフローがマイナスになると予想しています。しかし、今年の後半にはフリーキャッシュフローがプラスになると予想しています。

6.CF  (営業CF&投資CF&財務CF)

まだ営業CFが育っておらず、財務CFで投資CFをまかなっている状態が続いています。

営業CF:40.6M
投資CF:△354.5M
財務CF:9.3M

今期は投資CFでVectrixの買収を発表しています。

私たちは自社製品の開発に重点を置いていますが、自分たちが作ったものを補完できるチームや製品があれば、戦略的に買収することもあります。このたび、最も使いやすく、強力なCASBを開発した新興企業であるVectrix社を買収したことを発表できることを嬉しく思います。CASB(クラウド・アクセス・セキュリティ・ブローカー)は、SaaSアプリケーションに保存されたデータを可視化し、制御するサービスの一種である。CASBは強力なツールですが、その複雑なセットアップがネックでした。ベクトリックス社のチームは、規模の大小にかかわらず、新規の顧客を迅速に取り込み、顧客のデータが保存されているすべてのサービスプロバイダを即座に可視化できることに感銘を受けました。そのため、彼らの製品は、現在Cloudflareを利用しているすべてのお客様にとって、全国的なアドオンとなっています。

FCFは今期始めてプラスとなっています。

7.総負債比率

総負債比率は上昇基調です。ただ、支払い金利は△0.4Mと特段収益を圧迫はしていません。

8.Earning Call

Earning Callについては重要部分を1-7に掲載しています。以下の記事は全文になりますので興味のある方はご覧いただければと思います。

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