幕末エピソード11 正真正銘、世界中が敵だぜ!
幕末エピソード11、いってみましょう。
そして、おさらいから始めてみましょう。
《八月十八日の政変》起こって、京都から長州いなくなっちゃう。
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《参預会議》始まる。すぐ終わる。
↓
慶喜くんたちの《一会桑政権》始まる。
↓
《池田屋事件》起こって、新選組有名人に。
《八月十八日の政変》で京都を出禁になった尊攘派は、そのすぐ後、長州の中でムチャモメでした。
来島又兵衛(きじままたべえ。イケイケ長州の中でもイケイケな人)
真木和泉(長州藩じゃねー尊攘志士)
って人たちは、
「オレたちゃ悪くねー! 無実を証明するべきだ! 政権も取り戻すべきだ!」
と、めちゃ京都に行きたがるんですが、
久坂、桂、高杉の、長州有名人トリオは、
「タイミングは今じゃない!」
と、それにずっとストップをかけてたんです。
でも、行くメン(「京都行くべきだ!」メンバー)の感情は、表面張力ギリギリ。
少しの刺激を与えるだけでこぼれちゃう……。
そこへ、あの《池田屋事件》です。
尊攘派の仲間がボコボコにやられた池田屋事件が決定打となり、行くメンたちの怒りはあふれ出します。
そしてついにその怒りは、長州三家老(3人の家老だよ)っていう、藩のエラい人たちも動かしました。
長州三家老「オメーら京都行きてぇーんだな!? よしわかった! 家老が京都連れてってやる!!」
行くメン「おおおぉぉーーー!!」
久坂「……もお、ぜってぇ行くじゃん」
兵を引き連れての京都行きが決定します。
その流れに押し切られた久坂さんも、京都に乗り込むことになったのでした。
長州、京都に襲来。
朝廷・幕府・諸藩「来やがった!!」
1000年の都を駆け抜ける緊張。
しかし、幕府側との争いを避けたい久坂さんは、
「お願いです! 藩主親子と三条実美さんたち七卿をゆるしてください!」
ってお手紙(嘆願書)を朝廷に送るんです。
これに対し、幕府側&朝廷ではいろーんな意見が飛び交いましたが、結果、
「期限内に京都を立ち去れ。でなければ……討つ!」
というお返事が返ってきたのでした。
この回答を受け、長州は最後の会議に入ります。
長州有名人久坂「立ち去れとの命令です。帰りましょう」
行くメン来島「何言ってんだテメー……。攻撃に決まってんだろうが」
久坂「藩主父子の無実を証明するのが目的だったはずだろ! こちらから手を出すのは違う! そんなことすれば、長州は朝敵(悪者)になってしまう!」
来島「臆病風に吹かれてんじゃねぇぞ! 第一、医者の子供(久坂の家は医者の家系)に戦争の何がわかる? 命が惜しいんだったらここに残れ! オレはあの悪人どもをこの手で倒す!!」
久坂「………真木さんはどうですか…?」
真木和泉「来島くんに賛成だ」
口をつぐみ、静かにその場を離れる久坂(実際にこんな会話をしてたらしいです)。
そして……。
元治元年7月19日(1864年8月20日)、長州はついに、京都御所に向け進軍を開始。
門の前には立ちはだかる諸藩。
ここで彼らを攻撃することは、御所に、朝廷に、天皇に刃向かうことを意味します。
それでも、
ババババババーーーン!!!
ドーーーーーーン!!!!!
長州は破滅への道を選んだのでした。
一時は、門の1つを突破し、御所の中に侵入するという快進撃を見せた長州でしたが、“勝利”の2文字が彼らの頭に滞在したのは、ほんの一瞬。
劣勢な会津藩たちのもとに駆けつけた、
西郷隆盛「構え」
ザザッ!
西郷隆盛率いる薩摩藩の手によって、形勢は逆転します。
…………てかその前に………
西郷さんいつ帰ってきた!?
というわけで、戦いの途中ですが、ここでちょっとだけ「帰ってきた西郷隆盛」の説明に突入します。
実は薩摩ちゃん、《八月十八日の政変》のとき、“長州を追い出すためだけ”に会津とタッグを組んだら、ピンチを迎えちゃってたんです。
尊攘派「え? 薩摩? え? 気づいたら“幕府大好き会津くん”と仲良くしてんじゃん。スッゲーきもいんだけど」
尊攘派からちょー嫌われて、
佐幕派「薩摩って、幕府イジくり回して、改革してくるヤツらだもんな。好きになれないわー」
佐幕派(さばくは。幕府の味方だよ)からも、ちょー嫌われます。
なんのポリシーも持たずに会津と仲良くしたら、両方からすげーバッシング。
おまけに、《参預会議》で薩摩が「横浜の港は開いたままにしよう」って主張をしたら……
尊攘派「テメー、開国派かよ!」
薩摩「待て! オレだけを責めるのはおかしい! 幕府も開国派だからな! なぁ!」
幕府「誰が開国派だって? 私は『横浜は閉じた方がいい』と思ってるよ」
薩摩「いや、幕府もずっと開国って………えー……」
幕府(慶喜くん)がうわべな方向転換したせいで、開国派に座ってる薩摩がスゲー目立っちゃったんです。
で、薩摩は尊攘派からおそろしく嫌われ、炎上します。
薩摩「嫌われすぎて、完っっ全に行き詰まった………そうだ西郷さんだ……あの人ならなんとかしてくれるはず! 西郷さんを呼び戻そう!!」
未来の見えなくなった薩摩藩は、スーパーヒーロー西郷隆盛を求めるんですけど、彼が帰ってくるためにはクリアすべき問題が……。
西郷さんを超ゼツ嫌ってる、島津久光(パパ光)の説得です。
パパ光の家臣「お嫌いなの知ってますが、西郷さんの復帰、許してください!」
パパ光「……みんな西郷を必要としているのか……ならば、愚かな私のわがままを通すワケにはいかないな……」
家臣「! ……では…?」
パパ光「藩主である、忠義くん(パパ光の息子)にお伺いを立てなさい。もし忠義くんが良いと言うなら…(吸っていた銀のキセルを、これでもかってくらい、もう本当におもいっきりギリ! ってギリリ! って噛み締めて)………異存はない」
家臣「ホントにありません!?」
ほぼ大反対、しかしマジでしゃーなし! のギリギリオッケーでした(キセル噛みすぎて歯型が残ってたっていわれてるよ)。
そして……。
西郷隆盛「2度目の島生活終わり!」
薩摩のみんな「西郷さーーーーん!」
西郷「よしよし(群がるみんなの頭ナデナデ)、よしよしよし(髪の毛ワシャワシャ)……。これまで薩摩はグイグイ前に出すぎた。少しの間、政治がどう流れるかを一歩引いて見極める! そして、『朝廷に従う』というシンプルな行動に統一し、この状況を打破するぞ!」
そんなかんじで、西郷さんは見事復活し、強烈なリーダーシップで薩摩を救い、この戦いに参加してたんです(最初は「長州と会津で勝手に戦争すれば」って感じだったけど「やっぱ長州が政権奪い返すとかはダメー」となり、途中から参戦だよ)。
では、戦いの続きをどうぞ。
西郷「撃て!!!」
ババババババババババババーーン!!!!!
この銃弾で胸を撃たれ、自らの命を絶つ来島。
長州の圧倒的不利が確定します。
それでも久坂は、
久坂「最後の嘆願に参りました!」
1人の公卿の屋敷に入り、自分たちの願いを朝廷に伝える機会を作って欲しいと頼み込みます。が……。
その声は聞き届けられません。
敵に囲まれ、炎に包まれていく公卿の屋敷。
久坂は、戦いを共にした松下村塾の門下生、寺島忠三郎(てらしまちゅうざぶろう)と、互いに刀を持ち、向き合います。
手にした刀の切っ先は相手の腹に向けられ、空いた方の手は友の体を掴む。
そして、両の手に力を込め、体を引き寄せるように、
ズブッ!!
刺し違え、絶命したのでした。
久坂玄瑞、享年25。
吉田松陰の志を受け継ぎ、全身全霊で長州を引っ張ってきた志士の、若すぎる最期でした。
その後、長州三家老は撤退。
久坂にあとを託された同じく松下村塾生の入江九一も、屋敷を出たところで敵の槍を顔に受け、死亡。
真木和泉は、会津藩と新選組に追われ、天王山の小屋に立てこもり、自刃(自殺)します。
長州及び尊攘派が、完膚なきまでに敗北した、
《禁門の変》(1番激しい戦闘となった場所からとって《蛤御門の変(はまぐりごもんのへん)》とも言うよ)
という出来事でした。
この戦いで、京都は未曾有の大火事に見舞われ、その炎は3日間燃え続けたといいます。
どんどん焼け広がったことから『どんどん焼け』と呼ばれるこの火事で、約2万8000戸の家屋が焼失。この戦いで長州は大きな傷を負いましたが、権力闘争の巻き添えをくらい、住むところを無くし、大切な人を失った京都の人たちこそ、本当の被害者だったんじゃないでしょうか――。
完全に“朝敵”に仕上がっちゃった長州は、日本の中で孤立し、これ以上ないくらい最悪な状況。
でもね、何が恐ろしいって、これで終わりじゃないんです……。
長州の悪夢は、こんなもんじゃ終わらない……。
悪夢のスタートはさきほどの『禁門の変』が起こるちょっと前、イギリスのこんな発言から。
イギリス「長州のヤロー、まだ関門海峡を封鎖してやがる! そのせいで長崎とかの貿易がほぼマヒってて損失がすごい! どーですか、去年船を攻撃されたみなさん。一緒に長州にプレッシャーをかけに行きませんか!」
米・仏・蘭「行く行くーー!!」
続いての悪夢のタイトルは
『悪魔が来たりて笛を吹くぐらいだったらよかったけど、シンプルに殺しに来た。てか4体も来た』
でございます。
この悪夢をいち早く知ったのが、
伊藤博文
井上馨(いのうえかおる。伊藤さんのマブダチ)
という、イギリス留学中コンビ(他に、遠藤、山尾、井上って人が一緒に留学してて、『長州五傑』なんて呼ばれてるよ。向こうでつけられた名前は『長州ファイブ』だよ)。
イギリスに来てみて、欧米のすごさをこれでもかと実感しつくしたとき、2人の耳に今回の報道が飛び込んで来たんです(こっからえげつない妄想に入ります)。
伊藤博文「イギリスの朝はなんて穏やかなんだろう。喧騒にまみれた日本での出来事が、まるで嘘のようだ(イメージ会話です)」
井上馨「君も随分、英国紳士然としてきたじゃないか(ずっとイメージ)」
伊藤「ハハッ。冗談はバッキンガム宮殿だけにしてくれよ(紅茶を注ぎながら、新聞に目を通す伊藤。外国が長州に攻めてくるかもの記事を発見。そのまま白目に。注ぎ続けられ、カップから溢れる紅茶)」
井上「おい! 何やってんだ! 紅茶がこぼれてるぞ! おい!(たまたま新聞の記事が目に入る。そのまま白目に)」
2人「(しばらく白目。まるで時が止まったかのよう。永遠に続きそうな白目の時間)」
メイド「(カンケーねーけど横で白目)」
伊藤「………(ハッ!)4ヶ国に同時に攻められたりなんかしたら、長州は終わる……」
井上「………(ハッ!)勝てる見込みなんて、0%だ……止めないと……とにかく」
2人「帰国だーーー!!」
日本に帰国した2人は、イギリス公使館の通訳・アーネスト・サトウさん(イギリス人)に頼んで、公使の人とご対面。
伊藤「ちょーっと待ってください! ジャストモーメントです! オレたちが説得して、海峡の封鎖を解くんで、長州攻撃するのちょーっと待ってください!!」
イギリス「いいよー」
伊藤と井上は長州首脳陣の説得にかかります。
井上「外国と戦ったら絶対に負けます! 戦争をする相手じゃない!」
自分たちが見てきたイギリスという国の、軍事力、経済力、科学技術、文化レベルがどれだけすごいかをこんこんと説明したのですが、
長州首脳陣「大げさだよ〜。それは盛ってるよ〜」
長州首脳陣「海外行ってちょっと得意げになってるんですね、はいはいwww」
長州首脳陣「wwwww。とにかく長州の藩論は攘夷だから。外国ダメー! 海峡の封鎖も解かないし、攻めてくるっていうんなら……やってやるっしょ!」
長州首脳陣「やるっしょ!」
長州首脳陣「wwwwww」
伊藤・井上「(こいつら……オワってる……)」
話を聞き入れてもらえません。
そのことがイギリス側に伝わると、4ヶ国連合艦隊の出撃が決定。
んで! 外国が攻撃を決めたこのタイミングで、先ほど説明した《禁門の変》がおこっちまったわけです。
長州死んだ。
いまや日本も敵。世界も敵。吐いちゃう。長州首脳陣のメンタルもズッタズタです。
長州首脳陣「こんなときに外国と戦っちゃダメだよね……。ごめん、あのね…攻撃やめてもらえるようにお願いしてもらえるかな……?」
伊藤・井上「了解!!」
急いでそのことをイギリス側に伝えに行く、伊藤ちゃん井上ちゃん。
伊藤・井上「海峡の封鎖解きます! ですので攻撃を中止してください!」
イギリス「無理だよ笑」
ちょっと遅すぎた。
すでに今から攻撃するぞの段階に入っていたため、ドタキャン通じず……連合艦隊、長州藩へ攻撃開始。
こちらが
四国艦隊下関砲撃事件(しこくかんたいしものせきほうげきじけん)
の始まりでした。
先月が禁門の変で、今月がこれ。
「泣きっ面にハチ」どころじゃありません。もう「号泣にグリフォン」。
井上「こうなりゃ、戦って、外国の強さを味わった方がいい。そしたら“攘夷”っていうバカな考えがブッ壊されんだろ」
井上や伊藤が期待した通り、長州キッチリボッコボコに。
ボロ負けオブボロ負けです。
長州首脳陣「もうイヤ……この戦い終わらせたい……どうにかしておくれ……」
伊藤「おわかりいただけましたか? では講話(仲直りだよ)に持ち込みましょう。ただ……この難しい交渉をこなせるのは、イギリス人とも堂々と渡り合える……“あの人”しかいない!」
伊藤が言う"あの人"……
長州藩のピンチに、不死鳥のごとく舞い戻ってくる男。そう、高杉晋作
です。
長州の人「《奇兵隊》を結成したけど、長州の正規の部隊と奇兵隊がもめて死人が出たから、奇兵隊のトップの座をソッコー辞めさせられてた、あの晋作だ!」
長州の人「長州の暴走を止めるために京都がどんな感じか調べに行ったら、『あいつ勝手に京都行ったぞ! 脱藩だ!』と勘違いされたあの晋作だ!」
長州の人「で、野山獄(松陰センセーも入ってた)に入れられちゃって、囚人になってたあの晋作だ!」
そんな晋作(どんな晋作)が、囚人から一転、外国との交渉役にバッテキされます。
昨日まで葉もつけてなかった桜が、今朝には満開になっているような返り咲き。
晋作は“宍戸刑馬(ししどぎょうま)”って名前に変身(ちょーエラい“家老の息子”という設定でいったそうです)、伊藤とイギリスの戦艦に乗り込みます。
宍戸(=晋作)「(日本の伝統的な服装で、メチャ威風堂々な感じ)」
アーネスト・サトウ(通訳)「(なんだこの宍戸ってヤツは……負けてるくせに、なんてエラそうな態度なんだ! まるで悪魔(ルシフェル)みたいだ…)」
イギリスの提督「とりあえず、いろいろ条件出していくね。今、そっちの砲台をブチ壊してる途中だけど、これ続行するからね」
宍戸「オッケーす」
イギリス提督「そっちに捕まってるオランダの水兵とボートさ、こちらに引き渡してくれる?」
宍戸「オッケー。……うん、了解………それも全然いいよ………はいよー…」
サトウ「(なんなんだ……エラそうにしてるくせに、すべての要求をどんどんオッケーしてくる! こいつ、全然反対しない! しかも最初より態度がやわらいでいる…! おもしろすぎる!)」
サトウさんが感心するくらい、全ての要求を受け止める晋作(サトウさんの手記にバッチリ書かれてます)。
ただ、数日間に渡る交渉の中、一つだけ引っかかる要求が……。
イギリス提督「あとね、彦島(山口県の島)をさ、ちょっとの間……くれないかな?」
宍戸(晋作)「!」
上海を見て来た晋作は、ピンときます。
これ、ヤバいやつだ……貸したら最後、彦島がこいつらのものになってしまう……!
宍戸「………この日本国はアメノミナカヌシノカミにより国造りを任された、イザナギ、イザナミが、土地を、島を形成して出来た国であり……」
提督「………えっと…なに言ってんの?」
晋作は急に“古事記”を一からしゃべりだし……
宍戸「アメノヌボコを海に突き刺し、かき回し引き上げると矛の先から塩がしたたり、それが固まって出来たのがオノゴロ島です」
イギリス提督「マジでわかんない……早く訳して!」
伊藤「えーアイランド、コンプリート。です」
イギリス提督「うそつけよ! もっと長いことしゃべってるぞ! てか止まんねーぞ! もうやめて! わかった彦島いらないから!」
うやむやにして、彦島守っちゃいました。
日本は一度も外国のものになったことがないということを、「古事記ずっと言い続ける」っていうヘンテコなやり方でアピールして、なんとかしてしまったんです(この話は伊藤さんの、「あんとき高杉が彦島守ってくれてマジでよかった! じゃなきゃ日本とんでもないことになってたよ!」という証言によるもの。どこまでホントなんでしょ?)。
そして、長州はもう一つ、とんでもない要求を叩きつけられます……。
イギリス提督「こっちは下関の町を破壊してもよかったけど、残しておいてあげたんだよねぇ…。ま、それふまえて、攻撃された代償金と、今回の遠征費用払ってほしいかな。金額は……」
生麦事件で幕府が払った額、40万ドル。
薩英戦争で薩摩が払った額(ま、幕府だけどね)、10万ドル。
そして、今回要求された賠償金、
300万ドル——。
長州のみなさん「ムリムリムリムリムリ」
これだけは全否定。
そして、晋作は真っ向から立ち向かいます。
宍戸(=晋作)「その要求金額、うちの財源ヨユーで超えてるのよ。そんな大金支払えるわけねーだろ! うちの藩にはね、主君のためなら命を捨てることを、なんとも思わないやつが大勢いるんですよね……」
イギリス提督「?」
宍戸「講話を望んでいるのは藩主だ。ただ、藩主もその命知らずの野郎たちの熱狂を抑えるのに…大変困ってましてね」
晋作が言わんとしたことはつまり
「交渉が決裂して、藩主がもし「戦え」という命令をくだしたなら、そちらに襲いかかりますよ」
もっと言えば、
「こっちがやってるのはあくまで“講話”だ。服従するくらいだったら、お前らと戦ってやるよ」
ということだったんです。
負けてるのに、イギリス側も驚愕の「いつでも戦ってやるぞ」宣言。
さらに、300万ドルに関して、晋作はこんなことを言い出します。
宍戸「てかオレたちは、『攘夷を実行しろ』って幕府の命令に従っただけなんで、300万ドルは幕府に請求してくれ!」
この主張、
イギリス「それもそうだね」
通っちゃいます。
イギリス「てことで、300万ドルお願い」
幕府「300万!! ドル!?」
またもや幕府に請求がまわってきたのでした。
お金の面は幕府に飛び火したとはいえ、《禁門の変》や連合艦隊との戦いにより、長州が大打撃を受けた事実は変わりません。
しかし、まだです……。
長州の災難……まだ終わらないんです。
負のラビリンスに迷い込んでしまった長州藩は、出口を見つけることができるのか。
次回、「おい! 試練多すぎるだろ!」
どうぞご期待ください。