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戦国時代の意味変

日本の歴史上、一番画期的な"意味変"をやったのは信長なんじゃなかろうか。

キングコング西野さんがよく言われている意味変。
「ある作品や商品に、本来の役割とは全く違う価値を持たせること」
って感じかな。

西野さんが最初にやった意味変は、絵本。

本来の役割=読むもの。読み聞かせするもの、されるもの。
新たな価値=お土産。インテリアグッズ。

てな具合に。

そんな西野さんが大好きな信長も、バッチリやってるんですね意味変を。

信長が新たな価値を吹き込んだのは、茶器です。

信長っていろんな敵と戦ったでしょ。
んで、勝つでしょ。
そしたら部下に領地をあげなきゃいけないわけですよ。

でも、土地には限りがあります。
このままいけば、部下に与える報酬がなくなる。
どうしよう…。

悩んだ信長が出した答えは、

「茶器に価値を持たせる」

というものでした。

茶器にはとんでもない価値があるというブランディングをかまし、土地以上の値打ちがある物と設定したんですね。
ま、詳細は分かってないんですが、おそらくそんな感じだったんだろうと言われてます。

この意味変はどハマりします。

織田家の家臣、報酬としての茶器を熱望するようになるんですね。
中には「今回の戦いの報酬、領地だよおい! オレはあの茶器がもらえると思ってたのに…」とへこんだ家臣もいた……なんて逸話もあるくらい。
織田家臣の中での茶器熱は相当なものだったんでしょうね。

さらに信長。
自身から茶器を与え、「茶会」を開くのも許可制にするんです。
これによって織田家の中では、

「信長から茶会を許されてはじめて、幹部クラスと認められってこと」

という風潮が生まれるんです。

お茶の道具に戦果としての価値を与えた信長。
こりゃ革新的です。

が、そこに応用をきかせて秀吉もまたえげつない。

信長の後継者のようになった秀吉さん。
彼もまた茶器をうまく活用するんですけど、新たな悩みに直面します。

「価値のある茶器って、、数に限りがあるよね…」

値打ちのある茶器なんて、100も200もないんですよ。
どうしようと悩む秀吉ですが、千利休と一緒に、ぶっ飛んだアイデアを創出するんですね。

「そっか! すっげー文化人が『これには価値がある!』って言っちゃえば、価値が出るじゃん!」

なんと、その当時随一の文化人・千利休が「良い」と言ったものは「良い」という、モノすげー空気を作り出すんです。

そこから、新たに焼かれた茶器も「今様」と呼ばれ、利休が認めればオールオッケーに。
これによって、現代の価格にして、数千万、数億という茶器が生まれてくるようになるんですから、プロデュースってのがいかに大事か分かりますよね。

戦いが強いだけじゃ、後世に名を残せない。
信長や秀吉の感性と戦略には、マジ脱帽です。

下の記事、読んでみてね。


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