千夜一夜
その昔、ペルシャにある王様がいました(架空のね)。
その王様の妃が、
ガッツリ浮気してたんですね。
浮気というか、まぁ、ここに書けないくらいの痴態を繰り広げていたんです。
で、王様の弟も奥さんに浮気されてた。
兄弟揃って浮気されてたわけです。
ある時浮気されブラザーズは、魔神と出会います。
魔神は美しい乙女を連れていたんですが、魔神が眠るとその乙女は身の上話を始めます。
自分は婚礼の夜に魔神に連れ去られた。
でもね、これまで魔神が眠ってるスキに
メッチャクチャ男遊び(浮気)したよ、と。
ちょっと待って。魔神ですら女の人に酷い目に遭わされるの?
諸々のことでショックを受けた王様は、それ以降大臣にこんな命令を出すんです。
「毎晩若い娘を1人、私のもとに連れてこい」
そして王様は、トラウマからか女性不信からか、連れてこられた娘と一夜を共にし、その若い娘を
殺すんです。
これが毎夜毎夜続きます。
国から若い娘がいなくなっていきます。
これ以上ないほど頭を悩ませる大臣。
すると、大臣の娘(大臣の子どもですね)がこんなことを言うんです。
「私が王様のもとに参ります」
国中の女性を救う算段があるのか、大臣の娘は王様のもとへ行き一夜をともにします。
これまで通りならここで大臣の娘の命も…というところで彼女は王様に語り始めたんですね。
物語を。
彼女の話す話がおもしろい。
いつのまにか王様は、娘が語る物語に夢中になっていきます。
しかし、物語が佳境に突入したところで、
「今日はここまで」
「え、終わり!?」
「はい。続きはまた明日」
「マジか〜」
「明日はもっと面白いお話をお聞かせいたしましょう」
翌日。
娘は昨日と同じように王に物語を語ります。
そして同じように話が佳境に入ると、
「続きはまた明日」
「おい、マジでかー! 早く聞きたい!」
と、またもや次の日に持ち越すんです。
翌日も、また翌日も同じように話を続け、娘は毎夜毎夜王の興味を引く物語を紡いでいきます。
そんな日が数年続いたある日。
「これで私の話す物語は終わりです」
エンディングを告げる娘。
と、同時に
「実は王様…」
加えて娘が王に伝えたのは、2人の間に出来た子どもの存在でした。
その事実を知った王様は、驚きと喜びを持って、娘を妃に迎えます。
それ以来、国の若い娘の命がとられることはなくなったのでした。
娘が物語を紡いだ日数は1000日と1日。1001日です。
彼女の話したお話。少しだけタイトルを紹介すると、
・船乗りシンドバード(シンドバッドの冒険)
・アリババと40人の盗賊
・アラジンと魔法のランプ
などなど。
これが「千夜一夜物語」、英訳して「アラビアンナイト」の概略でございます。
あくまでざっくりだから細かいとこは色々違うよー。
あとエンディングには何パターンかあるみたいだよー。
これがイスラム文学のお話。動画をどうぞ!