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文次の手紙#11

豊子様

拝啓 新緑濃く蛙泣く初夏の候となった事と思います。その後、僕は無事益々元気に軍務に服しています。先日から雑誌も受取り、続いて封書も届きました。
お守りは鉄兜の中に入れています。

目下、○○(原文まま)駅にいますが、付近の敵情も複雑困難を極め、土匪【※1】の出没等で毎晩の様に銃声を聞きますが、戦闘をする様なことはまだありません。南国の様な木陰で戦友と楽しい故郷を語り合う一時もあります。

家の者にも心配せずに元気で働いている胸、お伝えください。まずは時節柄健康に気をつけて

昭和15年5月

文次

歳の近い妹宛
【※1(原文まま)】現地の部族

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