護り
南舘 千晶 作 198×279mm
“Protection” by Chiaki Minamidate
シャチは想像上の生き物で、頭は龍か虎、そして胴は魚の姿をしているそうです。シャチは火災が起きた時に口から水を出して火を消すという伝説があるため、城の天守閣や櫓の屋根の上に飾られるようになったとのこと。日本では多くの建物の上に載っていますが、やはり名古屋の金のシャチホコが一番有名でしょう。
屋根の上で燦然と輝いている金のシャチホコは、もともとかなりデフォルメされたデザインですが、南舘さんは鱗や顔つきなど、さらに剪画用に描き直し、力強くユーモラスな作品に仕上げています。金色の髪は真正面から見るとあまりキラキラと見えないので、あえて皺の入った和紙を使って、質感と輝きを出しました。背景の村染めの黒もこの金色を引き立てています。
まさに「金の輝き」展にふさわしい秀作です。
(「金の輝き」出展作品 2024.6.12~6.29 於:剪画アート&スペース http://bit.ly/hc8WTq)
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