干し柿
戸張 禮子 作 242×272mm
“Dried Persimmons” by Reiko Tobari
同じ柿でも干し柿を描いたのが、この作品です。焦げ茶色の輪郭線を切り抜き、その中に少し淡い感じの橙色を配しました。さらに甘い干し柿に見られる白く粉を吹いている様子も、オレンジ色の紙の上に白い落水紙を重ねることによってうまく表現しています。
背景は生成りの和紙ですが、ここにも白い落水を使用。ナチュラルな色合いは、近くに白を置くことによって、さらにその風合いが際立ちます。
戸張さんのコメントは「わが家でも冬になると主人が干し柿を作ります。実家が農家なので、小さい頃の思い出なのでしょう。」とあります。実際の生活に根ざした、上品で味わいのある作品だと思います。
(「橙」出展作品 2022.8.24~9.10 於:剪画アート&スペース http://bit.ly/hc8WTq)