数寄
今週も日曜日となりました。
栴檀女将のブログ、本日は少し遅めの配信です。
いつもお読みいただいている皆様、有難うございます。
本日は栴檀の「数寄」についてお話しさせていただきます。
「数寄」とは風流・風雅に心を寄せることです。茶の湯でよく使われる言葉です。
数寄を凝らす
栴檀の風流な工夫。というと気恥ずかしい気もしますが、やはり料理旅館としてお客様をお迎えする側としてこだわっていることがあります。
格子戸の門戸の灯りの上に籔内佐斗司の家守が壁にくっついて回りを見てます。
家守の名前はやもりん、やもらん。
あ、うんになっていてもう一匹がまた違う壁にくっついて入り口を眺めてます。
やもらんは、なかなか見つけられないところにいます。
ぜひ探されてみて下さい。
二匹とも顔は人間で身体はやもりです。
製作者籔内佐斗司氏は、奈良のご当地キャラクター”せんとくん”を作った方です。
私が、芸術に興味を持ち始めたのは茶道入門からでお茶碗や水指や棗の美しさに惹かれました。
その後に料理に盛る器や室礼の美にも興味を持つようになりましたが、その時は高価な物が良いもの。
中々芸術の道は奥深く好きな物を、見つけることが出来ませんでした。
バブル中には美術品の個展が至るところであり、追いかけて見に行ったり作家の蔵元に尋ねて行ったこともありました。
また沢山の作家の先生にも食事に来ていただき、有難いことに直接お話を聞き刺激を受けました。
そうしてるうちに自分の中で一つ一つピースがはまっていき値段よりも好きな物を選べるようになりました。
この作品のここが好きを見つけてお値段はその後に。値段が高いから高価なのではなく、価値をきちんと感じたいものですね。
時間をかけて色々な作品、色々な作家さんに出会う中で芸術を自身の感覚で楽しめるようになりました。
この食器でこの料理。この器を何か違う利用の仕方はないものかとかを考えるのが好きになりました。
食器だけでなく絵や掛軸や人形や竹細工、襖の取手などいろいろな物を見て自分の好きな物を好きな刻に飾り、栴檀の室礼をしています。

小さなこだわりではありますが、お客様に興味を持ってもらえれば嬉しいなあとも思います。
良し悪しではなく、日本の芸術を、愛媛の芸術を、伝統を継承して表現していきたいものです。
本日もお読みいただきありがとうございました。
芸術品をきっかけに栴檀へ遊びにいきたいと思っていただける方がいらっしゃれば幸せです。
地面に落ちていた花びらがハートで可愛かったです。なんとも綺麗なピンク。自然の色もまた美しいですね。
さて来週は何について書こうかな。冷え込む日々、ご自愛くださいませ。