”電話恐怖症”という言葉が当たり前になって「退職理由=電話に出られない」というケースが増えているなんて…。
若者たちが電話が苦手とは知っていましたが、まさか退職理由がそれとは…。ここ数年「会社の電話に出られない」という退職理由が増えているそうですね。
”電話恐怖症”という言葉が当たり前に存在しているのにも驚きました。「電話に出る・または出ようとすると緊張で体調が悪くなるなど、心身症状をともなう苦痛を感じる状態」だそうです。
今や20代から30代の7割が「電話に苦手意識を感じている」らしいです。
確かに自宅に固定電話を置かない家庭も増えてきているので、子供の頃に家族への電話の取り次ぎや伝言を受けてメモするような習慣がない若者たちが多くいることは想像できます。
それでも対面で人と接したことがない人間はほぼいないわけなので、その会話の感覚で電話を介して話をすることは可能だと思うんですが…。顔が見えないと不安になってしまうものなんでしょうか?
懐かしい話ですが携帯電話がない頃なんて、友だちや彼氏と電話で2,3時間話をするなんてザラでした。
声だけのワクワク感というか、電話の受話器から伝わる相手の体温みたいなものって、それはそれでお互いの仲をより深めることにつながったりしたものなんですけどね。
声のトーンで相手の表情が分かったり、想像力を働かせるという意味でも電話は魅力的なツールだった気がします。
もちろんメールやSNSの発達で、時間を気にすることなく”文字のみ”でのやり取りが可能で便利な時代にはなりました。でもこのコミュニケーションの形態には、やっぱり何かしらマイナスの影響があるんでしょうね。
確かにメール等だと相手からの内容を何度も読み返したり、レスをするにもきちんと時間をかけて考えたり言葉遣いを修正した上で送ることができます。
電話はその場ですぐに返答しなければならない瞬発力や対応力が必要で、だからこそ焦ったり緊張してしまうというのも分からなくはありません。
それでも、そもそも携帯電話は電話がいつでもかけられるのが目的で作られたわけで、その機能を使わないこと自体″本末転倒″みたいになってしまっていますよね。
私の場合は、メール等を使うのはそれこそ「言った・言わない」みたいな行き違いを防ぐためにあえて文字で残すという意味合いが強い気がします。
例えば、何かの問い合わせも昔は電話をかける機会が多かったけれど、今は問い合わせ番号が見つけにくくなっていてメール等で問い合わせするしかないことが多いですからね。
問い合わせされる方からすれば、いつかかってくるか分からなくて時間を取られる電話よりは、メール等の方がありがたいでしょうけれど。
でも、緊急時などはすぐに解決策が分かる電話がありがたいし、やっぱりケースバイケースですよね。使い分けが必要だと感じています。
例えばLINEで若者と連絡事項のやり取りをしていても、とにかく文面が短いですよね(笑)。こちらが期待しているレスではなく、ごくごく短い言葉で返してくることがほとんどです。
しかもスタンプや顔文字で済ませてしまうことも多く、言葉でのやり取りにすらならないことも多いです。つまり、本来私なんかがイメージする”人と人とのコミュニケーション”ということ自体、若者のそれとはズレが生じているのかもしれません。
とはいえ、社会に出て働くとなったら友だち同士のコミュニケーションと同じでは成り立たない場面も出てくるし、それまでと違うスキルを身に付けなければならないのは当然のことだと思います。それに対応してもらうために、企業側の努力も必要な気がします。
実は私も大学を出てほんの数年だけ会社員として働いていた時代がありました。新人研修で電話の対応も実際やりました。同期同士で「もしもし、こちら○○の△△と申します」という具合に。当時は「なんでこんなこと…」と思っていたかもしれませんが、実務が始まるとその研修のありがたさが身にしみました。
電話対応は本当に”慣れ”だと思います。ビジネスでの電話はそれなりのマニュアルにのっとって実行することもできると思うし、仕事上では「電話が苦手です」では通用しないことも出てくる気はします。
企業側は「若い世代は電話に慣れてない」というのを前提に、逆に若者側は苦手を克服するのも社会人としてのスキルアップの一つと捉えて、双方がいい方向に向かう道を模索することが必要だと感じます。
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