ライヴは「一期一会」だからこそ″かけがえのない時間″~懐かし”外タレ”さんたちのライヴ・エピソード~
ミュージシャンの山崎まさよしが水戸市でやったライヴでの”炎上騒動”をニュースで観ました。
2時間半でわずか8曲しか歌わず、1曲歌い終わると長いMCをしゃべり続け、まるでトークライヴのようだったということで観客から文句が出たりしたようですね。泣いていた方もいらっしゃったとか!
お客さまとしては当然「歌をたくさん聴きたい」。でも当の山崎氏は「今日は歌いたくない」「歌うのは疲れる」「歌聴きに来た人はCD買って」というようなことを言ったとか…。そりゃあ、物議をかもすのは仕方ないことですね。
希望するお客さまはチケットを払い戻ししてもらえるといっても、ライヴはまさに「一期一会」。二度と同じ時間は取り戻せないからこそ″かけがえのないもの″だと私は思っています。
今回のツアーはバックバンドなし・一人で歌うスタイルのようで、もともとトークが多めの構成だったようです。当日「今日は歌うよりファンとトークを楽しみたい」と山崎氏がおっしゃっていたということも目にしたので、そんな気分だったのかもしれません。
でも水戸市に先立って座間市で行われたライヴでは、16曲歌ってトークも盛り上り大好評だったということは、何かしら山崎氏のテンションに違いがあったのは否めない状況だったと想像できますよね。お客さまにしてみれば不公平感を抱いたのは当然のことだったかと。
もっとも、これはおそらく日本のミュージシャンに関してだからこそこんな騒動になるのでは?と思うわけで…。
最近は日本人ミュージシャンのチケット代もかなり高くなってきましたが、いわゆる”外タレ”さんたちのチケット代はかなり昔でも1万円超えとか当たり前でした。私もヴォーカリストとして音楽活動をしてきた身なので、好きな”外タレ”さんが来日すれば若い頃はいくら高額でも、勉強の意味で必ずライヴを観に行っていたものでした。
でも”外タレ”さんのライヴに関してはいろんなエピソードがありまして…。あくまでもこれは昔昔の話なので、最近の”外タレ”さんには当てはまらないと思っていますが?!
たとえば「ジャネット・ジャクソン」は大遅刻の上にわずか30分くらいのステージで、しかも口パク疑惑?!とか…。「せめて生で歌ってくれよ~っ!」と当時はかなりたたかれたものでした。思えば「コスパ」超悪かったですねー。
ファンクの帝王”JB”こと「ジェームス・ブラウン」は、ライヴで必ず”マント・ショウ”という名物パフォーマンスを行っていました。”JB”が(わざと)力尽きて崩れおち、MCのダニー・レイが”JB”にマントをかけるとステージ脇に向かってよろよろと歩いて行き、マントを振り払って再びステージに戻って歌い続けるというもの。
ファンの間ではお決まりのパフォーマンスなわけですが、歳をとるにつれて”JB”はこの”マント・ショウ”を何度も何度もやって”時間かせぎ”みたいなことをしていました(笑)。なので私たちは、”トイレ・タイム”と称して”マント・ショウ”が始まるとトイレに行ったりしていました。
大好きだった歌姫「ウィットニー(ホイットニー)・ヒューストン」は、サビになるとコーラス隊にサビの歌唱をすべて任せ、自分は自由にフェイクしまくり。メロディー・ラインもベーシックなのを聴きたいのに、ライヴではオリジナルのメロディー・ラインをはどこへやら…という感じでした。いつぞやは、旦那のボビー・ブラウンと子供たちがステージに上がってきて仲良しファミリーの姿をただ見せつけられた時間があったり、残念なことが多かったです。こちらとしては純粋に歌が聴きたいだけなのに…。
そんなこんなで、懐かし”外タレ”さんのライヴのエピソードはいろいろあります。今回の山崎氏のライヴの一件とは話が違いますが、私が結局何を言いたいかというと、
ライヴとは演奏するミュージシャン側も楽しんで、聴くお客さま側も楽しんで、両方が楽しめてこそ成立するものでは?
ということです。なので、次の山崎氏のライヴがそんなライヴになることを陰ながら祈りたいなーと思っています。