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NHK『エマージェンシーコール 〜緊急通報指令室〜』
月9のドラマ『119エマージェンシーコール』、フジテレビ騒動に巻き込まれて撮影等大変そうですが、一視聴者として毎話感動をもらっています。最終回まで頑張ってほしいです!
昨年母の件で”119コール”を実際にした身としては、その存在のありがたみは十分分かっているつもりです。母のように背中や腰が痛い等、命の危険に直結しないであろう事案であればまだ通報する側も精神的に余裕があると思われますが、意識がないとか呼吸をしていないとか、数秒・数分の差で命を落とすかもしれないような緊急事態ならば”119”がまさに命綱ですから。
NHKで『エマージェンシーコール 〜緊急通報指令室〜』というノンフィクション番組をやっていると偶然知ったのは、つい先日ザッピングしているときでした。
ヘッドフォンをつけた指令管制員の姿がそこにあり、まさにドラマの中のリアルが映し出されていました。
思わぬ事件や事故、ケガや病に見舞われたとき…24時間365日、どんなときも応答してくれる緊急通報の指令室にカメラが密着!緊急通報を受けるオペレーターと、通報者の会話だけで日本の今を描くノンフィクション番組。ヨーロッパやアメリカで人気のシリーズが日本上陸。
というのが番組のコンセプトのようです。こんな番組があるなんて全然知りませんでした。2022年から不定期で放送されているようです。
私が観たのは「Episode9」京都が舞台でした。神社仏閣など木造の建物が建ち並び、古くて細い道の多い古都では”119”の指令室は常に高い緊張感に包まれているそうです。通報者のいる場所を特定するのが難しそうだと、容易に想像できました。
それにも関わらず、食べ過ぎた、入れ歯が外れた、花火の音を爆発音だと間違えた…本当の緊急事態ではないのに電話をしてくる人たちが後を立たない現実を観て、呆れるというか、悲しいというか…。それらの”ジャンクコール”にも丁寧に対応している指令管制員の皆さんには、本当に頭が下がります。
京都市消防局に勤めて17年目の川勝さんという指令管制員は、前職は他府県で警察官をやっていたそうです。父親の病気のタイミングで地元に帰ってきて、介護をしながら今の仕事をしているそうです。
ある男性からの”119”は、父親が突然ぐったりして呼吸もしていないというものでした。「1,2,1,2…」この前の『119エマージェンシーコール』の状況とまさしく同じ!電話を通じて、川勝さんの指示通りの心臓マッサージが始まりました。
心臓マッサージをしてもらうため固定電話をスマホにかけ直させてハンズフリーにさせたり、救急隊員がすぐにかけつけられるように玄関のカギを開けさせたり、救急車が到着するまでにできることを、川勝さんは次々的確に指示していきます。
通報者の電話口から聴こえてくる救急車の音が徐々に大きくなり、到着するとすぐに救急隊員にバトンタッチされて電話が切れました。その後の”無音”が、なんとも言えない余韻を醸し出していました。
リアルなやり取りを観て『119エマージェンシーコール』で主演の清野菜名演じる粕原雪が、自分の電話での指示が的確だったかの答え合わせをするために現場に行きたい、その後運ばれた方がどうなったのかを知りたいと思う気持ちも理解できなくはないと感じました。
「通報のその後」が気になるのは、指令管制員としては当然のことなのかもしれないと…。ただ”命をつなぐ”という自分の使命はすでに果たしているので、実際にそういうことをする指令管制員はいらっしゃらないとは思いますが。
「通報者の方、傷病者の方の想いに沿った対応であったら良かったなぁという風には思います。自分と近い境遇の方が通報してきて、その方にも後悔はしてもらいたくないというか…これやってあげたし、良かったんかなぁとか、どういう風に感じられるか分かんないですけど…。やっぱり私の父親も長生きはしてほしいですけど、何年生きれるか分からないっていうか…笑って過ごしたいなぁっていうのは自分の中ではありますね」
川勝さんの言葉は指令管制員として、一人の人間としての率直な気持ちだと感じます。通報者も傷病者も笑顔になってほしい…川勝さんの想いが伝わってきました。
次に、山の中でバイクで転倒して遭難したと訴える通報が飛び込んできました。18歳の青年のようで、場所を確認しようとしても電波の状況が不安定で途中で切れてしまったり、本人も泣きわめいたりとパニック気味です。川勝さんは、まずは落ち着かせることを徹底していました。
京都市は周りが山で囲まれていて、知らず知らずのうちに正規のルートから外れてしまい現在地が分からなくなって、パニックに陥るケースも多いそうです。今回の通報はまさにそんな感じでした。
かけ直しても電話がかからなかったり、通報者のケガの有無が分からないのが気がかりな様子でした。場所の特定ができないままパニックの青年とやり取りを続けていたところに、幸い車が一台通りかかり止まってくれました。
その運転手さんが川勝さんと話をし、今いる場所の説明をしてくれて無事に事なきを得ました。その運転手さんが救急車が到着するまでその青年と一緒にいてくれることになり、川勝さんも一安心といったところでした。
以前自分自身も真夜中に突然グルグルめまい(脳の検査等を経て出された診断は「良性発作性頭位めまい症」)が酷くなって、夫に”119コール”をしてもらって救急車に乗ったことがありました。そのときが人生初救急車でした。救急隊員の方の対応が優しかったことを、今でもよく覚えています。”119コール”と救急車のありがたさを実感した経験でした。
これは実際の119番通報を記録した番組です
プライバシー保護のため
通報を加工・吹き替えし 内容を一部変更しています
『119エマージェンシーコール』でも通報者役を声優さんがやられたりしていますが、この『エマージェンシーコール 〜緊急通報指令室〜』でも通報者の声は吹き替えをしているところがあるようです。でも指令管制員の方の声はリアルなので、緊迫した様子が手に取るように分かります。まさに手に汗握る感じです。
次回放送は、近々の2月24日(月)18:05スタート。今度の舞台は名古屋だそうです。このシリーズ、今後もチェックして観ていこうと思っています。